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29.浮世の憂さはこれで晴れる、キター

レオニーが帰るというので俺も市場から帰る事にした。

欲しい物がない、実用品なら亜空間倉庫の物の方がずっと良いし、

中二心をくすぐるような武器防具等道具類は高価で買えない。

食べ物はレオニーに奢ってもらったのだけで良いや。

串焼きの肉とか売っているけど匂いが微妙だし、それこそ缶詰で良いや。


別館には春先から人が来るようになった。

ほとんどは村の人だが、知らない人、遠い村の人や旅の商人なんかも来る。

回復魔法を求めてくるわけだが、治療内容から生活の厳しさがわかる。

家畜を押さえようとしてケガとか重い物を無理やり持って腰が痛いとか

鍬や鎌を振りすぎて過ぎて腕が上がらないとか。

風邪とかは治せないけど、その方面には効果あるようだ。

日本ならマッサージクリニックが開店できるかもしれない。


ご挨拶して少しお手伝いすると、可愛い可愛いと頭を撫でられるのは

いつもの事だ。

この世界の人達は、令和日本と違い子供を触るのに遠慮がない。


可愛いと言われる感想?外交辞令でしょ。女の子の恰好してるし、

遠くから来ている人は本当に女の子だと思ってるからこその誉め言葉。

比較対象となる同年代の村の子供達は女の子でも垢っぽくて鼻水垂らしている。

比較すりゃマシに見えるでしょうよ。

俺は密かに質の良い石鹸使ったりシャンプー使ったりしてるもん。


別館から人が引けたのは夕方だった。

市場の方には かがり火が見える。まだ店があいているのと、

商人達は夜間の移動をしたくないらしい。


マリアさんの肩をもみながら(肩だけだぞ、ヤラシイ意図はないぞ。本当だぞ。)

市場の話をしてみる。

「今年も何も買わなかったんだ。ちょっとは遊べば良いのに。」

「でも、本当に欲しい物が無かったんだ。」

「去年は串焼き肉の店の前でじっと見てた、て笑われたクセに。」


去年のエア君の栄養状態なら欲しかっただろうな。今年は銅貨4枚だったけど

去年はいくらだったんだろう。


「エアがお金を貯めてくれてるの知ってるけど我慢しなくて良いのよ。

お金は大人になってから稼げば良いんだから。」

「でもイリスさんにお金返したいんでしょ?」

「イリスさんの実家にね。ママの家族が頑張って返しているから

エアが気にしなくても良いのよ。」


エア君の記憶によるとこんな会話を去年もしている。

借金っていくらだっけ。エア君の記憶を掘り起こす。


「金貨1300枚!」

「やっぱり覚えてたのね。言わないつもりだったのに。」

「火事で商品が焼けちゃったんだよね。」

「小さかったからママも良く覚えてないけどね。それからずっと貧乏。」

ニコニコ笑いながらマリアさんが答える。

「貧乏だったけど困った事は無かったよ。お金のかかる事は出来なかったけど

父さんと母さん、エアのお祖父さんとお祖母さんは優しくて町は賑やかで。」

「そこから、ここに来たんだ。」

「うん、大好きな人のためにね。」


俺はどうやら暗い顔をしたらしい。

「そう、世界で一番大好きなエアに会うために来たんだよ!」

抱きしめられ、キスまでされてしまった。


夕飯の食材を取り出すために自分の部屋に入るとエア君の残した箱を取り出す。

去年までの銅貨に今年の分を足して10枚か、どんな気持ちで貯めてたのかな。

溜息が出る。


亜空間倉庫の貴金属を持ち出しても、こちらの世界で換金する必要がある。

こんな田舎の9歳の子供が大量の貴金属を持っていた?

通るわけがない。

マリアさんに渡して、実家の祖父母に換金してもらったらどうだろうか?

祖父母に会った事はないが可能かもしれない、マリアさんに聞いてみよう。


「考えても仕方ないか。それにつけてもかねの欲しさよ。」

『本性剝き出しでどうしたんですか。』

「マリアさんの為にかねが欲しい。説明のつくかねがだ。」

かねは難しいですね。きんならそこにありますけどね。』

「おれの玉にそんな値打ちはない。下品な事言うな。」

『アンタじゃあるまいし、そんな寒い事言いません。その箱の中にあるの

金鉱石ですよ。』

本当マジか?脆いただの石だと思っていた。」

『かなり品位が高い鉱石ですね。よく見ると断面に金の粒子もあります。』


日本時代に理科の標本で見た黄鉄鉱の方が余程金鉱石らしい。


「何で今まで教えなかったんだ。」

質問きかしなかったでしょ?箱に意味ありげに入ってる石なんて訳アリな物

当然理解してると思ってました。』

「すまなかったね鈍感で。あの坑道の石なのか?何も出なかったと聞いたけど。」

『手堀であの長さの坑道を掘ってます。何も出なかったと考える方が変でしょ?

鉱脈の方向を読み違えたようですが、途中までは出てたと思いますよ。』

「途中で方向を読み違えたってあの山にまだ鉱石はあるという事か?」

『私の探知能力はそこまで高くないですが、下側に巨大な鉱脈があるようです。』


マジかよ。旧式かと思ったら結構優秀だなコイツ。

いやそれどころじゃない。これを上手く使う方法を考えないと。

男爵に儲けさすのは癪だが、分け前をなるべく多くとる方法を・・・。

まてよ、こっそり掘れば丸儲け・・・。


うん、良く考えよう。掘るには先行投資が必要だ。

この鉱石を持っていた人は先代の第二夫人らしいが、

おそらく先行投資資金が無いか男爵家に出してもらえなかったんだ。

今の俺が言っても誰も信じないか、悪くすると権利を貰えないだろう。


「山師が入り込んでた、という事は連中の間では知られているのか。」

『そこまでわかりません。信憑性が高いと思っていればもっと大規模に

来ると思われますので、知る人ぞ知る位かも。』


日本でも埋蔵金とかそういう眉唾な話あったな。

今の所人が大勢入り込んでるとは聞いてない。

道も昔人が通った跡が残っている位の感じだったし。

薬草取り位しか山には入らないとセバス達も言っていた。


『20㎏やそこらなら途中の川をさらえば簡単に手に入りそうなのに、

何故誰も気が付かないんですかね。』

「ちょっと待て。お前今さらっと物凄い事言わなかったか?20kgだと。

20gじゃなくって?きんが、だよな。」

『アンタが洗われた水場の下流に砂が溜まってた所があったでしょ?

あそこに砂金が沢山ありました。この近くでも多少なら取れると思います。』


あの坑道、割と簡単に崩れたよな。掘りやすいという事でもあるはずだ。

うん、ゴールドラッシュの予感。

いつ、どんな風に起こすかで俺の異世界ライフが決まる。


よし、とりあえずは食事だ。

「”萌え萌え、キュン!”」今日は気合いが乗ってたかもしれない。


亜空間倉庫でこの世界のバカでかい硬貨の重さを測ってみた。

22.5g、鋳造とは言え厚みも重さも大きすぎると思う。

十円玉6枚分の重さか。


金貨も銀貨も同じ重さと言っていたからマリアさんの借金の

金貨1300枚の重さは

22.5×1300=29250g

天然の砂金を何㎏位集めればその価値になるのか。


亜空間倉庫の金貨や金塊も調べてみる。

スイスバンクの刻印異世界じゃ意味ないよな。見知らぬ金貨は使えるのかな。

1kgインゴットが3個、後各種金貨が大小合わせて240枚

金時計とか指輪とかは別の問題だ。


うーん。

とりあえずは夕食にしよう。

今日は何にしようかな?新しい蕪とキャベツもらったんだよな。

あれに合わせて、何にしよう。























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