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0.いきなりの電撃から始まる物語(あまりにもありきたりな、多少危ない橋を。)

異世界の話を自分だったらどう書くかなと思い書き始めました。他の方々のアイデアの多彩さには驚かされるばかりです。

卒論の細部の詰めの為に登校しようとしたらいきなり雷に撃たれた。

『ダーリンの浮気者!』という女の叫び声で

振り向いた瞬間の出来事だった。


どんな感じだって?

兎に角経験した事のない痛み、熱さ、苦しさ・・・気絶した。

それなのに、意識が戻ったら同じ場所に立っていた、

何を言っているか判らないと思うが、俺も判らないぜ。


大学の守衛さんが走ってきたが、俺の近くに来て腰を抜かした。

駅弁大学とはいえ、学内には結構人がいる。

「今の音なんだ?」

「もの凄く光ったぞ。何だ焦げ臭いぞ、なんだこの臭い!」

「ウゲ、ちょっと待て、皆来るな!それより救急車、

 というより110番しろ!」

『なんか稲妻が見えたような気がする。』

『この天気で?』

だんだん人が増えてきてガヤガヤし始めるが誰も俺に話しかけてこない。

腑に落ちん。


「いや、お前絶対解ってるっちゃ。」

突然話しかけられた。


「足元にそんなグロイ物あって気が付かないはずないっちゃ。

 さっきから向こうで吐いたりお祈りしてる人が大勢居るっちゃ。」

「人の体をグロイとか言うな。

救急車が来ると言っていたから助かるかもしれない。

 確か戦国時代に雷に撃たれたけど活躍した武将が居たはず。」


「あれは、近くに落ちただけだし、それでも半身不随だっちゃ。

 無駄知識言ってないで現実見るっちゃ」

「嫌だ見たくない!さっきちょっと見たけど吐きそうになった」


「安心するっちゃ。肉体はもうないから絶対ゲロらないっちゃ。」

「人の心とかないんか?!」

「残念ながら人間ではないっちゃ。」

そういわれて、声のする方を見ると何やらモザイクのかかった人物がいた。


「一応ツッコミしますが何故にモザイクを?」

「こうしないと このお話自体が消えてしまうっちゃ。

 この話し方と電撃で既に危ないっちゃ。」

「お話、ということは良くあるあれでしょうか?食傷気味の。」

「さすが、理解が早くて助かるっちゃ。

説明は省いて良いっちゃ?ではそういう事でだっちゃ。」

「ちょっと待って下さい。さすがにKWSKして下さい。

 というかこの季節に落雷って変じゃないですか?」

「・・・・したっちゃ。」

 うん?かすれた口笛みたいな音がしたような気がしたが?


「あの~。聞き取れなかったんですけど。」

「だから狙いが外れたっちゃ。ダーリンを狙ったのに躱されたっちゃ。」

「それじゃ俺は全く無関係の巻き添え?流れ弾?・・・」

「いやあ、まさか異次元まで行くと思わなかったっちゃ。

 ゴメンだっちゃ。テヘペロだっちゃ。」

「おいこら、いい加減にしろ。

いくら有名キャ〇だってやっていい事と悪い事があるぞ。」

「だから謝ってるっちゃ。大体お前がヤワ過ぎるのが悪いっちゃ。

 ダーリンだったら黒焦げになりながらも今頃復活してるっちゃ。」

「そんなのと比べるな!」

「ダーリンの事を”そんなの”って言ったっちゃ?」

バチバチと放電の音がする。俺のゴーストが警告を発している。

既に幽霊ゴーストだろうと言ってはいけない。

「いや、頑健さにあやかりたいな、と思いまして・・・。」

 足はないがもみ手はできるみたいだ。


「という訳でお前の体は壊れてしまったので別の体で弁償するっちゃ。

 優良物件だっちゃ。

 ちゃんと楽しい人生を送れるようにするから勘弁するっちゃ。」

「なんか物凄ーくよくある話のような気がするのですが。

 その手の物語もう皆さんとっくに飽きていると思うので

 何とか話を戻せないしょうか?」

「無理だっちゃ。」


きっぱり言いますね、そうだと思ってましたよ、それでもね。

授業料と生活費の関係で駅弁大学しか入れなかったが、

それなりの企業に就職内定してるんだよこっちは。

面接に行った立派な本社ビルの綺麗なオネーさんに

心ときめいてるんだよ。


彼女なし歴=年齢の人生に終止符をうつんだよ。

何度も言うよ綺麗なオネーさんがいっぱい居たんだよ。

一人位は振り向いてくれるかもしれないじゃないか。


「あ~。判ったっちゃ!」

「何がだよ!」

諸星望もろぼしのぞむ22歳♂ DT、

就職内定済会社の おねーさん達を想像して

 エロい事を考えていた所落雷に合う。両親と妹あり。

都会生まれの癖に都落ちしてこの田舎学校に入学」

「今来た警察の人が名前や年齢は聞いていたけどDT関係ないだろ。

 それにエロい事なんて考えてなかった。」

「その姓でエロい事考えてたら電撃が飛んで来るのも納得だっちゃ。」


解せぬ。姓がそれだというだけで何故納得できると思うのだろうか。

いくら有名だからっていい加減にしろ、

〇十年前からいるBBAめ・・・謝罪と賠償を、

と考えているとモザイクがまたバチバチ輝き始めた。


「なんか電撃したくなってきたっちゃ。」

「読心術かなにかお持ちでしょうか?お美しいお嬢様、

 モザイクでしか見れないのが残念です。」

「ダーリン並みの変わり身の早さだっちゃ。

 あきれたから電撃は勘弁してやるっちゃ。感謝するっちゃ」


「あの質問なんですが、

 体のない状態で電撃を受けたらどうなるんでしょうか?」

「簡単だっちゃ。壊れるところがないから苦しみだけ味わうっちゃ。

 何度でも味わえるっちゃ。」

あっ、地獄とか地獄とか地獄の話でそういうの聞いた事ある気がする。

そうですか、ははは(棒)


「とりあえず、お約束のお話に行かないとイケナイのは分かったんですが、

もう少し質問良いですか?」

「何だっちゃ?」

「今、周りにいる大勢の人に僕らは見えないんですよね。」

「見えていたら別の理由でさらに大騒ぎだっちゃ。」


「その割には皆手を合わせたり、絶叫したり、気絶したり、

 向こうで吐いたりするんですけど。」

「そりゃこのグロイの見たら・・・・。オエ」

モザイクの下側にキラキラが追加された。

そういう細かい芸は要らん!人の心とかないんか。


「自分だった物をしっかり見れてないんですけどそんなにグロイんですか。」

「そりゃ表面黒焦げで顎の部分がとれて眼球と内臓が破裂して飛び出して

 むき出しの肉が生焼けだから慣れた警官や救急隊員でも・・・。オエー。」

またしてもモザイクの下にキラキラが・・・。下手人はアンタですよ。

それを言えない気弱な自分が憎い。バチバチ怖い。


「その体を諦めなければならないのは判りました。

 納得できないけどわかりました。

 でも最後にもう一度家族には会えないのでしょうか。」

国公立しかダメ、と俺に言ったケチな両親だけど授業料や

生活費を無理して出してくれたおかげでバイトは少しで済んだ。

まあ一般的な家庭だろう。家族が急死を受け入れられるか心配だ。


「会いに出て行ったら腰抜かすっちゃ。

 どんな様子かは状況が許せば見せてやっても良いっちゃ。」

「それと、俺の体、家族が見ても大丈夫でしょうか。」

「警察がきっと上手くやってくれるっちゃ。

 良い言葉が出てこないけどお前、じゃなかった望には

 本当に申し訳なく思っているっちゃ。」

 声の調子が優しくなった。


その時、呼び鈴のような音がして、子供のような声が聞こえてきた。

『こちら10番、こちら10番、6番聞こえとるか。』

『6番聞こえるっちゃ』

『ターゲットは予想通りドゥンケルハイト王国に入り込んだ模様。

 これより捜索を始めるで。』

『6番了解、10番は可能ならターゲット確保せよ。こちらも向かう』

『10番了解、やるでー。』


「聞こえたちゃ?ダーリンが入り込んだ世界が望が行く所だっちゃ。

 これから連れて行くっちゃ」

「いくら何でも心の準備が。せめてどんな所か説明して下さい。」

「美人の女の子が沢山いる所だっちゃ。

 具体的に言うと男より女の方が圧倒的に多いっちゃ」

・・・KWSK


「ダーリンと同じ顔するっちゃね。」

「詳しく教えて下さい。場合によってはドゥンケルハイト王国行、

 前向きに検討したいと思います。」

「魔法と魔物のある世界っちゃ。文化的には中世~古代だっちゃ、

 現代日本人には少し厳しいかもしれないっちゃ。

そこは勘弁して欲しいっちゃ。」


「えーと、それより男女比の方を・・・。」

「男女比は各種族や身分によって違うっちゃ。

 人間だと1:3位、エルフだと1:6位

 肉食が強い獣人だと1:1に近いっちゃ。

人間はこっっちと人種が違うっちゃ。

ダーリンはエルフが美しいと言ってたちゃ。」

「でも不思議ですね?高等生物の男女比って1:1位になる、

 それが生存に一番有利と習ったんですけど。」


「理由があるっちゃ。

その世界にはフロロという木の実があるっちゃ。

甘くて美味しいし栄養があって沢山実るっちゃ。

 年中実るから安くて行けばすぐ食べられるっちゃ。」

「そんな良さそうな物が問題なんですか?」

「沢山食べるとY生殖遺伝子に害を与えるっちゃ。

 成人の男は問題ないけど男の幼児は危ないっちゃ。

 女の子が生まれやすくなるっちゃ。

 男が食べた時の方が影響が大きいけど女が食べても影響あるっちゃ。」


「現地の人は知っているんですか?」

「知らないっちゃ。遺伝子どころか抗生物質も血液型も輸血も知らないっちゃ。

 女の子ばかり産まれるのはエルフの呪いだと思ってるっちゃ。」

「なるほど。・・・」

生活水準と医療水準についてとんでもない事を聞いたような気がするが、

エルフの方が気になる。

「フロロはもともとエルフの食べ物だったみたいだっちゃ。」


再度ベルのような音がした後、少し間が開いてから話しかけられた。


「ダーリンに逃げられそうだっちゃ。

 とりあえずこれを渡しておくから後はよろしくだっちゃ。」

青い勾玉のような石をもらった。

紐を通すためだろうか?穴が開いている。


「これはいったい?」

「ほら、楕円や矢印を描く時に使う・・・だっちゃ。」

「それテンプレートですね。今時めったに使いません。本当に苦し紛れな。」

「なんの事だっちゃ?

 それ持ってれば異世界言語を理解できるようになるっちゃ。

 文字も当然読めるようになるっちゃ。めちゃ便利っちゃ」


「何とご都合主義な・・・。

 まあ宇宙から来て変な日本語を話しているというのも・・・。」

「だから何のことだっちゃ? 危ない話はよすっちゃ。」

・・・バチバチ怖い。


「そいつのAIは優秀だからメリ〇サみたいに質問に回答してくれるっちゃ。

 しかも頭の中に直接回答だから便利だっちゃ。」

「待って下さい、周囲の景色がいきなり変わってきたんですけど。」

「ドゥンケルハイト王国に着いたっちゃ。

 望はもう戻れないけど悪く思わないでっちゃ。」

「だからまだ了承してない!」

「後の事はそのテンプレがやってくれるし、

 私も気が付いたら助けてあげるっちゃ。」


聞いてない。この人は俺の母さんや妹と同じ種族のようだ。

人の話を聞け!


「早く追いかけないとダーリンが浮気するっちゃ。

あっダーリン見かけたら教えるっちゃ。」

次の瞬間モザイクから何かが飛び出した。


「あの、一瞬何か見えたような気がするんですけど。」

「大丈夫だっちゃ。もうすぐ節分だっちゃ。紛れ込んでればわからないっちゃ」

・・・・危ない事を言って俺に電撃を浴びせた下手人は去っていった。

唖然として見送った後、家族の事が心配になる。


焼け焦げた俺を見て大丈夫だろうか?

いや。そんな事より俺どうなるんだ?

時間はどのくらい経ったんだ?ところで俺の体消えかけてないか?

突如猛烈な眠気に襲われ俺は気を失った。


















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