平凡なサラリーマン、出世への道 ~才能なんていらない!上位10%へ
私は、まさに平凡な会社員だった。優れた営業力や技術力、発想力など、際立った才能は何一つなかった。そんな私に課された業務は、単純作業と言ってもいい内容ばかりだった。
でも、それが憂さ晴らしにもなっていた。事務作業に没頭するだけで、仕事とプライベートを切り離せた。周りの同僚がそれなりに出世していく中、私だけが昇進の機会から遠ざかっていた。
しかし、それでも私は不平も言わずに、ひたすら仕事に取り組んだ。
残業へのこだわりは並々ならぬものだった。仕事量を増やせば必ず評価されると信じきっていた。事務所の電気が消えるまで残り続け、休日出勤も厭わなかった。
しかしその努力は、なかなか上司に評価されなかった。仕事の質には、課題があるようだった。
「私には仕事以外の見せ場がないのかもしれない」
私はそう悲観することも度々あった。
ある日、上長に「あなたの仕事には主体性が見られない」と叱責された。
これまでの自分の無為と無策に、やっと気づかされたのだ。
上長の答はこうだった。
「顧客の本当のニーズを理解できていない。顧客目線に立ち、顧客に寄り添った提案をしてこそ、初めて仕事の質が上がる」
その言葉に、私は強く心揺さぶられた。
「それでは、どうすれば顧客本位の提案が可能になるのか?」
そこで私は、新たな戦略立案に着手した。
分析したのは、これまでの提案書の内容だった。私の提案は確かに顧客ニーズを押し付けたものになっていた。上滑りの提案しかしていなかったのだ。
では顧客ニーズを知るためには? 私は仮説を立てた。
「提案前の顧客へのヒアリングを徹底する。それが最重要だろう」
そしてその仮説に従い、実際の営業現場に入って検証を始めた。顧客に寄り添った丁寧なヒアリングを実践し、本当の要望を聞き出そうとした。
当初は戸惑うこともあった。顧客との対話に四苦八苦した。しかし、検証を重ねる内に、次第にコツを掴んでいった。顧客を理解する気持ちが大切だと分かったのだ。
提案の質も、着実に上がっていった。顧客ニーズに対する理解が深まり、最適な解決案を提示できるようになっていった。
そんな矢先、ある顧客から「君には熱意と創意工夫を感じる」と評価された。私の背筋が冷たくなるほどの嬉しい一言だった。 上司にも報告し、評価された。
「あなたの頑張りは間違っていなかった。ただ、戦略の立て直しが必要だったのだ。これからも着実にステップを踏んでいけば、昇格も現実的になるだろう」
上司のその言葉に、私は胸が熱くなった。自分の軸足を大切にし、顧客ニーズを大切にすること。それが出世への第一歩になると、確信したのだった。
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