才能なんていらない! ~努力で上位10%の水泳選手を目指す~
私は、水が大好きだった。プールに行くと、ずっとそこにいたくなる。でも、泳ぎは下手で、競技用のレースルールやコツを知らなかった。
でも、そんなことは関係なかった。水しぶきを浴びながら、腕を大きく円を描いて泳ぐ姿を見ると、私は釘付けになってしまう。きらめく水面に夢中になって、時間を忘れてしまうのだ。
ある日、先生に勧められてスイミングスクールに入った。最初はとにかく泳ぐ練習の毎日だった。上手な子供たちに混じって、ひたすらフォームの基礎を叩き込まれた。
しかし、なかなか上達しない。才能のある子たちが次々と抜き去っていく中、私はいつまでたっても真ん中程度の成績しかとれなかった。
『あの子は天才だから、私なんかと比べちゃいけない』
そう言い聞かせ、自己嫌悪に陥りそうになった時期もあった。でも、水の中にいると、なぜか心が落ち着く。水に憧れを持ち続けていた私は、そうそう諦められるはずもなかった。
ある日、偶然コーチの一言がヒントになった。『フォームを完璧にこなせる選手は稀だ。大切なのは自分に合った泳ぎ方を見つけること』
果たして自分に合うフォームとは? 私は根気強く、いろんな泳ぎ方を試してみた。最初はバタ足を多く使う練習、次に手の形を変えてみる。一つ一つ、こつこつと。それでも、なかなか結果は出ない。
『もう無理かも…』そう落ち込む時期が来た。しかし、そこで視点を変えた。『練習の仕方を変えてみよう』
まずは自分の課題を見つめ直した。そして、試行錯誤を重ね、徐々に自分なりの泳ぎ方を編み出していった。
きっかけは、水中ウォーキングだった。これを通して、自分の体の動かし方の癖に気づいたのだ。また、水の抵抗にも目が開かれた。それらの発見から、自分なりのフォームを見出すことができたのだ。
そこからは、ある種の自信を得た。恐れずにいろんな角度から泳ぎ方を見直し、納得のいく泳ぎを追求できた。
そうこうするうちに、上位10%入賞、という目標にも着実に近づいていった。
私の話を聞いた後輩たちは、『才能がないから無理だ』と言いがちだった。そんな時は、こう伝えた。
『才能なんか関係ない。大切なのは、自分の本質を見つめ、自分に合った方法を探し続ける根気だ。諦めずに探り続ければ、必ず光は見えてくる』
才能がないからこそ、本当の自分を見つける旅に出られたのだと、私は思う。そして、その旅の先に、"上位10%"という夢が待っていた。
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