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87話
「でもそれなら何で今こんなことになっているんですか?」
翼は福井さんの父親に尋ねる。
「それは私にもわからない。ただ、京子がそうであったように、当時の彼の表の顔はみんなにとって心地よかったものだったのだろうね。」
「そんなのって・・・。」
うつむきながら小さな声で呟いた。
「東山くん。一つ聞いてほしいの。」
春先輩が翼に声をかける。
「私も当時は彼の表の顔にいいようにされていたと思う。正直、今でもそうとは考えたくはないのだけれども。それでもそろそろ前へ進もうと思うのよ。あの頃にやってしまったことはもう戻せないけれども、でも今からならまだ間に合うと思うのよ。」
春先輩は過去の自分と決別するかのような口ぶりで翼に話した




