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68話
「そんなことは置いといて、そろそろ当時あった出来事を話そうかしら。」
桜の言葉に息を呑む翼。心の内では話を聞きたいような聞きたくないような、そんな感情がある。
そんな翼のことなど気にせず桜は話を続ける。
「私がまだ中学1年生の頃だった時の話よ。」
桜が中学の時はまだ実家に暮らしていた。それもそのはずで、高校生でも一人暮らしや寮生活をしている人は全体で考えれば少数だろう。
「さっきも話した通り、私の家はこの辺りでは弓道では有名だったのよ。それもあって、小さい頃から実家の弓道教室に通う人はそこそこいたわ。」
翼は桜の話に黙って聞いていた。




