54話
「明日はどうする?僕は部活あるからいつもより遅い晩御飯になるけど。」
「そうね。どうしましょうか。」
二人はご飯を食べ終え、明日の事を考えていた。
「桜がよければ明日も僕が作るよ。」
「けれど、平日の晩御飯は私が作るって約束じゃない。」
「そうだけど。別にそんなに負担でもないし、僕は大丈夫だよ?」
答えがお互いに出ないまま話は平行線になった。そこに桜が切り込んだ。
「あなた、合鍵持ってる?」
「一応持ってるけど。どうしたの?」
「あなたさえよければ、私が週末、あなたの家で晩御飯作ろうかなって思っただけよ。」
桜の提案に翼も驚いた。仮で付き合っている相手に合鍵を渡すというのは常識的に思う。
だが、少し考えた後に、桜になら渡しても問題ないと思い、桜の提案に乗ることにした。
「いいよ。そうしようか。桜なら変なこともしないだろうし。」
流石の桜も翼からOKが出るとは思っていなかったようで、一瞬驚いた顔をしていた。
「まさかOKが出るとは思ってなかったわ。まぁ、あなたの家に何かするつもりなんて最初からないけれども。」
「そりゃあよかった。はい、これ。うちの合鍵。無くさないでね。」
「ありがとう。無くさないわよ。」
翼は桜に合鍵を渡した。
合鍵を受け取った時の桜の表情はまるで、本当の彼氏から合鍵を貰った彼女のような雰囲気だった。




