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52話
桜は家に着き、いつも通り晩御飯の準備を始めた。翼との奇妙な付き合いからまだ一週間も経っていないが、無意識に翼に惹かれ始めている。
「今日は何にしようかしら。」
冷蔵庫を開けると、中にはほとんど食材が入っていなかった。それもそのはずで、翼と買い物に行った際に、食材を翼と桜の家の冷蔵庫に入れたからだ。
「どうしようかしら。」
頭を悩ませる桜だったが、悩んだところで食材が湧いて出てくるわけでもないので、スマホを取り出し、翼へメッセージを送った。
『私の家の冷蔵庫が空っぽだから、あなたが帰ってくるまで、何もできないわ。ごめんなさい。』
まだ部活中であろう翼に報告だけ済まし、とりあえずご飯だけ炊く桜だった。
ご飯の準備を終え、自宅でゆっくりしていると翼から返信があった。
『今部活終わった。そういうことならしょうがないね。今日は僕が作るよ。』
『あろがとう。』
短いやり取りを終え、桜はひとまず安心した。




