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35話
「結局、弓道部に入部するの?」
「正直迷ってる。」
「せっかくだし、入部すればいいじゃない。」
「んー。」
桜からの意外な提案に考え込む翼。
「弓道はやってみたいけど、福井さんがいるのがなー。」
「京子なら弓引いてるときに限っては、あなたに害を与えないと思うけれども。」
「それは体験に行ったときもむしろ、僕のこと誘ったくらいだし。」
「ならいいじゃない。」
「でも、ご飯の時間遅くなるよ?今日だって、桜が当番だったからこの時間に食べれてるわけだし。」
「そんなの気にしなくていいわよ。平日の夜は私が作ればいいだけだし。」
「でもなー。」
桜の口ぶりから、むしろ翼に弓道部に入って欲しいような雰囲気を感じる。
「桜は何か部活に入らないの?」
「私は入る気ないわよ。」
「そっか。何か理由があるの?」
「中学時代にちょっとね。」
「弓道部に入部するかはもうちょっと考えるよ。」
そう桜に答え、翼は箸でご飯を掴んだ。




