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2話
振り返るとそこには機嫌が悪そうな女性がいた。
「ちょっと通れないんだけど?」
と、一言冷たく翼に声をかける。
「ごめんなさい!今開けます!」
そう言い、翼は彼女に道を譲る。その後彼女は学校の中へと歩いて行った。
「急に怖いなぁー、校門の真ん中に立ってた僕も悪いけどさぁ。」
ぼそっと呟きながら彼女と鉢合わせない程度の時間を置き、翼も学校へ入った。
「えっーと、僕は1-Bだから…。」
入学前にメールでクラス分けが届いていたので、スマホを見ながら教室へと向かっているが、中学までは1クラスしかなかったため、自分の教室まで向かうのに、苦労している。
「あ、こここかー、やっと着いた。」
ようやく教室までたどり着いた翼だった。そして、教室の扉に手をかける。