18話
適当な会話をすること約15分、駅前のスーパーに着いた。
「やっぱり、人が多いなー。」
「ここは、そんなに多くないわよ?」
「そうなの?」
「そうなのって、あなた、上京してきた時に新宿とかで乗り換えしなかったの?」
「いやー。僕、空港からここまでバスで来たからさ。」
「なるほどね。」
今日二度目のため息をつく桜だった。
「それなら、迷子にならないでね。高校生男子の迷子とか嫌だから。」
「はい。気をつけます。」
流石の翼も高校生にもなって迷子は嫌だと思っている。
日曜日の午後ということもあり、家族連れたちが多い。人とぶつからないように歩いていると、桜とはぐれそうになりそうだったが、桜も気を使ってか翼の行動に目を光らせている。
そのまま3分ほど歩き、スーパーに着いた。
「じゃあ、適当な時間に待ち合わせしよ。」
「何言っているのよ。一緒に買い物に来たんだし、一緒に回るわよ。迷子になられても困るしね。」
「あと、カート持ってきて。一緒に買いましょ。」
「それは別にいいよ。申し訳ないし。」
「一人分の料理って面倒なのよ。それに明日から学校だし、お弁当でも作ろうと思ってたし。」
「それ、僕の分あるの?」
恐る恐る桜に聞いてみる翼だったが、桜は不敵な笑みを浮かべ答える。
「あるわよ。翼くん。」
昨日と言っていることが違うじゃないかと心の中で思いながら、桜に名前を呼ばれたことが少し嬉しかった翼だった。
ちなみに、笑った時の桜、は驚くほど可愛いとも思った翼だった。




