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17話
午後3時手前、翼は桜の家のチャイムを押す。
「こんにちわ。」
「早かった?」
「いえ、そんなことないわ。少し待ってて、準備してくるわ。」
桜がドアを閉めた後、5分もしないうちに桜が出てきた。
「行きましょうか。」
そう言うと、翼を横目に歩き始めた。
今日の桜の服装は昨日とうってかわり、まるでこれからデートにでも行くのかという様な服装だった。
「今日の服随分気合入ってるね。」
デリカシーのかけらも感じられない言葉に、ため息をつく桜だった。
「あなた、女性にその言葉は失礼よ。」
「あ、ごめんつい。」
「言葉には気をつけなさい。仮にもあなたの彼女なのよ。」
「ごめん・・・」
桜に諭された翼だが、納得したはずの彼氏役にまだ違和感を感じている。
「それなら、桜も僕のこと名前で呼んでよ。いつまでも『あなた』って呼ばれるのも嫌だしさ。」
「考えておくわ。」
なんでだよ。と、言いかけたが心の中に留めた翼だった。




