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120話
これは翼の夢の中。
「翼くんは将来どうするの?」
小さな少女が翼に尋ねる。
「まだわかんないよ。だってまだ小学生だよ、僕たち。」
「けど、美沙は大きくなったら都会に住みたいなー。こんな田舎、美沙は嫌だな。」
少女は小石を蹴りながらそう答える。まるで田舎の生活が退屈だと言わんばかりだ。
「そんなこと言って、都会で何かしたいことあるの?」
「沢山あるよ。頑張って働いて、お買い物して、友達と遊んで、そして好きな人と結婚して一軒家に住むの。まだまだ沢山あるけど美沙のしたいことだよ。」
指を折りながら翼に将来やりたいこを説明してくれた。翼は少女の後ろを歩きながら将来、美沙の隣りにいる自分を妄想する。
初恋は実らないというが小学生に翼にそんなことを知るよしはない。
「でも、行きたい高校があるんだよね。」
美沙は小石を蹴るのを辞めて翼の方に振り向いた。
「なんていう高校?」
「それはね、桜空高校ってところ。春になると桜が綺麗なんだって。私達、GWにならないと桜が咲いているの見れないでしょ?だから本当の春に咲く桜が見たいなって。」
美沙は満面の笑みで翼に語った。




