117話
桜は楓に自分が悩んでいることを話した。楓に話したからといって何かが解決する訳ではないが、自分の過去のことで最近、翼と京子を巻き込んでいることに耐えられるほど桜も強くはない。
「そっか。桜ちゃんも色々あるんだね。でも、あの二人は桜ちゃんのことが好きだから、たくさん悩んでいるんじゃないかな?」
楓の言葉に胸を打たれた桜は今にも泣きそうになった。
「だってもし、二人が桜ちゃんのことが好きじゃなかったそこまで考えてくれないよ。京子ちゃんは特にさ、自分だって部活とこのお店のことで手一杯だったはずなのに、それでも桜ちゃんのために動いてくれているんだよね。それってよっぽどのことだと思う・・・。」
楓は最後の方は自信が無さそうに言ったがそれでも、桜には十分すぎるくらいに届いた。これまで人に想われた経験がなかったのもあるが、楓も含めて自分に親身になってくれる人が、3人もいることがとても嬉しかった。
「ありがとう・・・。楓。」
感情が溢れ出し、思わず涙が出てしまう桜だったが、悲しくて泣いているのではなく、嬉しくて泣いている。そんな桜を見た楓も思わずもらい泣きをしてしまった。
二人で泣きながら笑い、桜は心のそこから幸せを感じていた。




