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死を望むあなたへ  作者: ねこネコ猫
32/38

Ep:31

 side ヘルブラム機械帝国皇帝


 城の一角に設けられた会議室は葬儀もかくやという程重い空気に包まれていた。誰しもが憂いを帯びた顔をしており、溜息が漏れ出ている。そして誰も口を開く事が無い為その場の雰囲気は言わずもがなと言った所だ。そんな中絞り出すように室内に声が響く。

「皆に集まってもらったのは他でもない、我が帝国の馬鹿が仕出かした事についてだ」

 かなり辛辣な言葉を言っているが誰もそれについて咎めるものは居ない。なにせ発言した物が帝国の皇帝その人であるからして当然ではある。

「知っての通り、我が娘は和国へと亡命する事が決まっている。これに関してはそれぞれ思う事もあるだろうが、相手国との話し合いも済んでおり決定事項という事は以前伝えたと思う。そして娘を保護するのがあのユノ隊長だ。世界で最も恐れられ、世界で最も貴重な人であり大国とも深い関係にある。彼の言葉一つでどの様な強国・大国だろうが瞬く間に滅ぼされてしまう程に力ある人物だ。……その彼に真正面から喧嘩を売った大馬鹿者がこの国に居る。アドモ、エスピノ、オルトの三人だ」

 そこでふぅと一つ息を吐き高まったボルテージを何とか下げる。このまま喋れば怒りのあまりとんでもない事を口走るかもしれないので正しい選択と言えるだろう。

「件の三人は私が出した勅令を無視して勝手に行動し、娘に危害を加えた。普段であれば帝位継承権争いの一環として私は一切関与しないし、興味も持たない。が、今回はユノ隊長の保護対処となっている相手に対しての行いだ。その結果和国からユノ隊長を含めて副隊長一人、隊員一人が帝国へとやって来た。更に悪い事にCODE壱・CODE参の部隊も合流している。このまま何もせず傍観していればまず間違いなく帝国は滅びる。そこで皆にどの様に対処すればいいか意見を聞きたい」

 皇帝の言葉に各々が考えるそぶりを見せる。そして少し経った頃一人の男性が言葉を発する。

「私としてはアドモ、エスピノ、オルトの三名を処刑するのが良いかと。事件の犯人の首を差し出せば最低限の誠意は見せられますし、また他の貴族への見せしめにもなります。その後に話し合いの場を設けてお互いが譲歩できるラインを探っていくというのが一番かと思います」

「確かに貴殿の言う通りだが、それで許してくれる相手では無いだろう。寧ろこちらが勝手に三人を処分してしまえば相手の面子も潰れてしまう。そうなれば火に油を注ぐ形になる上、最悪取り返しのつかない事態に陥る可能性がある。その点を含めて考えるのであれば三人の処刑はユノ隊長達に任せて、こちらは何としてでも話し合う機会を得る事が最重要ではないだろうか?」

「確かにその通りですね。ですが問題は相手が話し合う気があるかどうかです。今回の一件はユノ隊長の面子を大いに傷つける行為ですし、当然こちらに良い感情は持っていないでしょう。……このような状態でも機会を作れる伝手があれば別なのでしょうが」

 その言葉に皇帝が一つ言葉を投げかける。

「この中で誰かユノ隊長、若しくは近しい相手に伝手はあるか?」

 シーンと静まり返る室内。それは一つの答えを表しているかのようだ。そう、この場に居る誰もがその様な伝手は持っていないという答えを。

「そうか。……今考えられる手段としては二つしかない。一つ目は直接使者をユノ隊長の元に送り約束を取り付ける方法。二つ目は――ヴァネッサを介して話を付けてもらう方法だ。一つ目の問題点は会う事も出来ずに送り返される、または悪感情を持っているであろう相手が来ることで火に油を注ぐことになる可能性があるという点だ。二つ目の問題点は保護対象であるヴァネッサに近づくことが難しい点、そしてヴァネッサ自身が私に良い感情を持っていない為協力してくれる可能性は低いという事だ」

「どちらを選んだとしても非常に困難ですね」

「その通りだ。だが何もせず座して待っていても事態は好転しない。分の悪い賭けであろうともやるしかないのだ。――私の首一つで済むなら楽なんだがな」

「何を仰いますか!そんな事になれば国中が大混乱に陥ります!」

「分かっている。あくまで言ってみただけだ。本当にそうするつもりは無いさ。して、諸君に聞きたいのだが先の二案の内どちらが良いと思う?」

 どちらを選んだとしても茨の道であることは間違いないし、一つ対応を間違えれば事態は急速に悪化し最悪国が滅ぶ可能性もある。当然ながらおいそれとは決められるはずもなく議論は白熱し時間だけが過ぎていく。そしてようやっと答えが決まった時には日はとっぷりと落ち月が輝く時間になっていた。

「では、ユノ隊長の元に使者を送るという事で決定する。事態は一刻を争うので早急に使者を決め、ユノ隊長にアポイントメントを取れ。日程や時間は全て相手に合わせ事とする。それ以外にも条件が出された場合は無理難題以外はすべて飲む様に。……何か意見がある者はいるか?」

 皇帝の言葉に返す言葉は無い。

「では、これにて終わりとする。各自今後に向けて準備を進めておくように。また、軽挙妄動は絶対に控える様に下の者に伝えて置け」

 こうして、長い時間にわたって行われた対策会議は終わりを告げた。今回の決定が吉と出るか凶と出るかそれはまだ誰にも分からない。


 side ヘルブラム機械帝国皇帝 END



 そんな話し合いが行われていたなど露ほども思っていない俺達は各自でヴァネッサやベルトイア氏から得た情報の裏付けを行っていた。結果から言えば求めた情報以外にも様々な事が分かり、その内容と言えば裏金・人身売買・自身の領地での悪政・裏組織への献金等々まさに叩けば埃が出る状態。

 身分や立場から言って一つや二つ汚い事はしているだろうと思ってはいたがこれは予想外に過ぎる。宿に併設されている会議室で持ち寄られた資料を見ながら思わず溜息を吐いてしまう。

「あー、なんだ。お前の気持ちは分かる。俺も正直酷いなと思ったし」

「だよな。ここまで好き放題しているのに何で国は動かないんだろ?普通に考えれば何らかの処罰は下されるはずだし、イマイチ腑に落ちないんだよな」

「俺の方でもそこら辺を調べてみたが情報は出なかったな。――オフレ殿下との話し合いの時に『エスピノ氏は侯爵で非常に強い影響力を持っています。公爵との繋がりもあり彼の発言には他派閥の人間であろうと反発は容易に出来ない程立場が強く、また彼自身もかなり狡猾で強かな人間です』って言っていただろう?自身の権力を振りかざして情報漏洩を阻止したり、揉み消したりしてるって所じゃないか」

「あー、そう言えばそんな事を言っていたな。んじゃコウの言う通りその線が濃厚だな」

「して俺達が掴んだ情報は国の上層部に流すのか?」

「ベルトイア氏には伝えるつもりだが、国には流さないよ。そこまでしてやる義理は無いしな」

「ご尤も」

 別にこの国にお世話になった訳でも、交流があるわけでも無し態々手間暇かけて教えてあげる必要は無いし何よりも面倒だ。ベルトイア氏に流せば上手い事やってくれるだろうし十分だろと考えているとアヤメが質問を投げかけてくる。

「ですが、事前に情報を掴んでいたのになぜ教えなかったのかと言われたりしないでしょうか?」

「その可能性は有る。だけどその場合は自国の事なのに碌に調べてもいないそちらの落ち度ですし、こちらに文句を言うのはお門違いですよって言えばいいさ」

「全くもって正論ですね。もし反駁しようものなら自分達の手落ちを認めている様なものですからね」

「だな。――んじゃ、必要な物も揃ったし決行日について話したいと思う。各自諸々の準備に二日、それから相手が自宅にいる時を狙うから余裕をもって三日、あとは事後処理の事でベルトイア氏との調整で一日。計六日は必要になるが余裕をもって一週間後に決行としたいが意見がある者はいるか?」

 俺の問いに答える者はいない……ので異論は無い様だな。実際問題もう少し早めても大丈夫なんだが、急いては事を仕損ずるというし多少の余裕は必要だろう。

 とまあ話も纏まったのでこれで終わりだな。

「ねぇ、話し合いはこれで終わりでしょ?この後アヤメと服屋さんに行くんだけどユノも良かったらどうかしら?」

「いやいや、男の俺が言ってもシズクとアヤメの邪魔になるだけだろ」

「そんな事無いわよ。やっぱり男性目線って言うのは服を選ぶうえで大事だし、何よりユノに服を選んで欲しいの。ねっ、アヤメもそう思わない?」

「シズクさんの仰る通りです。ユノさんに選んでもらうというのに意味があるんですよ」

 言わんとしている事は何となくわかるが、それだったらゴロウやコウでも良いんじゃないかと思いそちらに視線を向けると首を横に振られてしまった。二人からの圧も凄いしここは付き合うしかないか。

「分かった。ただ長時間は付き合えないぞ」

「大丈夫よ。二時間くらいで終わらせるつもりだし。だけど……もしかしたら帰りにお茶をして帰るかもしれないわね。大丈夫かしら?」

「それ位なら問題無いよ」

「ありがとう。それじゃあ早速行きましょうか」

 こうして三人揃って街へと繰り出す事に。俺を送り出すゴロウとコウの視線が若干悲哀を含んでいたのは気のせいでは無いだろう。本当に女性に振り回されてばかりだなと内心溜息を吐きつつ歩き出した。


 明けて翌日。自室で俺はぐったりとしている。普段女性の買い物言えばユキと一緒に行くくらいで、その感覚で居たんだがえらい目に遭ったよ。アヤメとは何度も出掛けているし当然買い物にも付き合った事もある。彼女は即断即決でパッと見て気に入ったものを購入するタイプなので付き合う方も楽なんだけど、シズクは真逆な事をすっかり忘れていた。シズクは一つの店舗であれもこれもと時間を掛けて試着したり身体に合わせたりして時間が掛かるんだが、そこで終わりでは無い。そこから別の店舗でも同じ事をしてさらに別の店でも……という繰り返しになる。そうして長時間かけてこれぞという服を買うタイプ。結果として当初予定していた二時間では終わるはずもなく宿に帰ってきたのは遅い時間となった訳だ。

 肉体的にも疲れはしたが何より精神的に疲れて、その疲労感は翌日になってもとれる事は無くこうしてソファにだらけて座っているというね。あまり人には見せられない姿でぼけーっとしていると不意に部屋の扉がノックされたので入室を促す声を掛けると失礼しますという声と共にアヤメが入ってきた。

「どうした?何か問題でも起こったか?」

「いえ、そういう訳ではありません。実はユノさんに会いたいという人が来ていまして、確認の為に来ました」

「この国の知り合いなんてベルトイア氏かヴァネッサだけだし、その二人……ではないよな。話しぶりからすると」

「はい。相手が名乗ったのは帝国外務省の人間との事です。裏付けは取れていませんが、身なりや立ち居振る舞いから考えるとほぼ間違いないかと」

「そんな御大層な身分の人が俺に何の用事だろう?――まさかエスピノ他二名の事を調べていたのがバレたのかな?だとしたら少し面倒な事になるな」

「どう致しますか?それとなく断る事も出来ますし、取り敢えず話を聞きつつ出方を伺うという方法もとれますが。……念の為ゴロウとシズクさん、コウさんには即応できるよう待機してもらっています」

「今は情報が欲しいし会う事にするよ。もし外交問題になりそうだったら和国に即連絡して対応して貰えば良いだけの話だしな。それとアヤメにも同席してもらいたいんだが大丈夫か?」

「はい、問題ありません。何かありましたら身命を賭してお守り致します」

「その気持ちは有難いが、アヤメの命優先で頼む。お前が傷つく姿は見たくないからな」

「ありがとうございます」

 話が纏まった所で二人で部屋を出て件の人が待っている部屋へと移動する。場所は何度か俺達で話し合いをした会議室だ。防音・防諜対策も確りしているし、何より俺達が使う前に入念に調べたから安心できるといのもある。っと話が少し逸れたが部屋の前に付きドアをノックして入室すると小奇麗な格好をした男性が椅子から立ち上がり一礼する。

「初めましてユノ様。私はヘルブラム機械帝国の外交官をしておりますミハエルと申します」

「初めまして。和国軍CODE零所属のユノです。こちらの女性は同じ部隊に所属しているアヤメです。私の補佐として今回は同席させましたが問題ありませんか?」

「はい、問題ございません。……回りくどい事は無しにして単刀直入に申し上げますが、アドモ、エスピノ、オルトの三名が起こした今回の件に関しましてはユノ様の自由にして下さって構いません」

「自由ですか……。それは殺害も含まれると考えても?」

「はい。その際に起こるであろう混乱や、派閥に属する人間に関しては我々が責任をもって対処いたします。また、ユノ様達には一切ご迷惑をお掛けしないと誓います」

「そこまでして頂けるのは有難いのですが、貴国にとってはデメリットしかないのでは?」

「どれも許容できる範囲内ですし、影響を受けるのは限定的な部分で済みますので。寧ろ今回の件でユノ様達にこれ以上悪い印象を持たれる方が我々としては困りますね」

 成程ね。変に拗れさせて取り返しがつかなくなるよりは内政に多少の混乱が起きようがトータルで見れは利益があるという事か。和国とヘルブラム機械帝国の戦争が起きたり、俺達が妖魔討伐に関する一切を引き受けない等と比べると成る程どうして納得できる話ではある。だだ、悪印象に関しては……。

「先程悪印象を持たれる方が困ると仰っていましたが、我々はすでに貴方達に対して良い印象は持っておりません。そもそも私達がこうして動いているのも貴方達が貴族を管理出来ていなかったからに他ならないんですから」

 俺の気持ちを代弁する形で傍に控えていたアヤメが鋭い口調で言葉を発する。正論であり、これに対する答えによっては俺も対応を考えなければいけない。さて、どう返してくるか。

「アヤメ様の仰る通りで返す言葉もありません。……今回の件に関しては我々が確りと情報収集をした上で管理していれば起きなかった事です。つきましては皇帝陛下自らユノ様への謝罪をしたいと申しております。また和国への謝罪も行います。現実的な範囲内での賠償も致します」

「そうですか。私個人としては皇帝自らの謝罪は流石に問題になりそうなので遠慮したいのですが、隊員含め多くの人に手伝ってもらっているので受けます。また和国との交渉に関しては外務省とやり取りして貰えると助かります。あくまで私は一軍人なので」

「承知いたしました。皇帝との謁見に関してはこちらでスケール調整をした上でユノ様にご確認してもらいたいと思います。ご都合が悪いなど有れば遠慮なく仰って下さい」

「有難うございます」

「――それと要望があればアドモ、エスピノ、オルトの三名に関するあらゆる情報開示が可能となっておりますので何か気になる点がありましたらお言いつけ下さい」

「それは有難いですね。アヤメ、直近で必要な情報はあるか?」

「そうですね……では――」

 アヤメからのかなり深度の深い情報開示に対しても快く受け入れている所を見ると先の言葉に嘘は無い様だな。国から何をしても良いよというお墨付きを貰えたのはかなり大きいし、何よりこうして協力してもらえるとは思ってもみなかったから僥倖だな。後はヴァネッサにチャチャを入れない様に釘を刺しておくか。――アヤメと外交官の話が一区切りついたタイミングで声を掛けることにしよう。

「あの、一つお願いというか今後の事について話があるのですが宜しいですか?」

「はい」

「オフレ殿下についでですが、今回は命に係わる様な大事にならなかったのでこの程度で済ませていますが、今後私の保護下にある人物に対して事の大小にかかわらず危険が及んだ際には問答無用で叩き潰します。当事者だけでなく所属している国ごと滅ぼしますのでその事努々お忘れなきよう」

「…………は、はい。心に刻み付けます」

 冷汗をかきながら青褪めた顔で答えるミハエル氏を見て少し脅しが過ぎたかなとも思うが、甘い対応だと今後も同じような事が起きるかもしれないしな。……でも流石にこのままだと可哀想なので少し飴を与えてあげますかね。

「結構キツイ事を言いましたが、今回の件に関しては帝国も協力してくれるので見返りと言っては何ですがなにか私にして欲しい事などはありますか?」

「……では今後クラスS若しくはクラスunknownが出現した場合は優先的に討伐して貰えないでしょうか」

「その条件では今までと大して変わらないのでは?」

「いえ、優先権を得られるというのは非常に大きいです。数ヶ国に短い期間で高位の妖魔が出現した場合どうしても順番になりますから。そこを我が国が一番に対応して貰えるという権利は喉から手が出る程に欲しいのですよ」

「そうですか。では、一回のみ行使可能だと色々と不便でしょうから三回くらいでどうでしょうか?」

「いえいえ、流石にそれは多すぎます!一回でも十分です」

「んー、じゃあ二回にしましょうか。四回も五回もとなると他国が黙っていないでしょうし、この位なら連続して行使しない限りはやっかみなども受けないでしょう」

「はい。有難うございます。すぐに皇帝陛下にお話しさせてもらい、お礼を致します」

「あはは。そこまでする必要は無いですよ。あくまで協力してもらったお礼なんですから」

「ではその様にお伝えします。――では、これ以上ユノ様のお時間を頂戴する訳にも行きませんしこれでお暇させて頂きたいと思います」

「はい、有意義な時間を過ごせてよかったです。計画実行の際にはご迷惑を掛けるかもしれませんがその際はよしなにお願い致します」

「勿論です。それでは失礼致します」

 こうして帝国外交官のミハエル氏との話し合いは終わりとなった。部屋の扉まで見送った後は俺とアヤメの二人きりとなる。さて、少し話したい事もあるしアヤメにはもう少しお付き合いいただこう。

「アヤメ、少し時間を貰っていも良いか?」

「はい、構いません」

「先のミハエル氏との話し合いをアヤメはどう見る?」

「そうですね……。帝国の現状から鑑みるとこちらに提示された条件は妥当では無いかと思います。我々が欲しい情報提供や、主犯三名に対するあらゆる行動を黙認するという言質も取れましたし。――ただ、ユノさんが仰った優先権に関しては少しやり過ぎではと愚行致します」

「うーん、それに関してはオフレ殿下に対する事で少し圧を掛け過ぎたかなと思って提案したんだけど拙かったかな?」

「列強諸国が多少は騒ぐでしょうが、帝国・和国、そしてユノさんと関わりが深い国が声を上げればすぐに沈下すると思いますし問題は無いかと。ただ懸念としては帝国上層部がゴネればユノさんが言う事を聞くと勘違いする恐れがあります」

「流石にそこまで馬鹿では無いと思うよ。というか今回の事件を踏まえてそんな馬鹿な事を言ってくるようなら叩き潰すまでだし。そんな無能しかいない国なんて無くなった方が健全だろ」

「仰る通りです。その時はユノさんの手を煩わせるまでもなく私共で灰燼に帰しますのでご安心下さい」

「んっ、その時は頼むよ。さて、後はこの情報を共通して今後の計画の微調整をしなきゃな。この時間だと深夜までかかりそうだけど気合を入れますか」

「私の方で出来る事は処理いたしますのでご無理はなさらないで下さいね」

「ありがとな」

 こうして長い一日は過ぎていくのだった。

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