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死を望むあなたへ  作者: ねこネコ猫
24/38

Ep:23

 皇居案内はまだまだ続き、次に来たのは神社だ。造りとしては一般的な本殿・幣殿・拝殿で、複合社殿形式ではない。この神社は非常に歴史が長く、和国が建国された際に造られたと言い伝えられている。正に和国の歴史と伝統を体現している場所と言えるだろう。

「これは変わった建物ですね」

「神社と言いまして、和国特有の宗教である神道に基づく祭祀施設となっています」

「成程。道理で神聖な雰囲気があるのですね。……お聞きしたいのですが、和国では多神教であり多種多様な神が存在すると書物には書いてありましたが、本当なのでしょうか?」

「はい。八百万神といいまして森羅万象に神の発現を認める和国の神観念を表す言葉が有名ですね。他国ではあらゆる物に神が宿るなど言語道断だ!と思われるかもしれませんが、この宗教的観念があるからこそ多様な価値観や宗教観、考え方が認められて現在の様な栄華を齎したと考えています」

「では、神道という宗教は国の根幹をなしているのですね。一神教の場合はあらゆるものに厳格に規律が敷かれており、それで縛り付けるという側面がありますが神道はとても自由で良いですね」

「自由ですか……。確かにそうかもしれませんが、精神的な拠り所として見るととても不安定で、心許無い存在です。何かに頼り、依存する事が出来ないというのは想像以上に恐ろしい物なのですよ」

「一神教にしても多神教にしても一長一短と言う事ですか」

「そうですね」

 サクラとオフレ殿下の話を聞きながら思うのはただ一つ。宗教というのは本当に面倒臭いという事だ。やれお前の信じる神は間違っているだの、その教えは邪教と言わざるを得ないだのと下らない大義名分を掲げてすぐに戦争を起こす。そしてその争いは凄惨を極めどちらかが滅ぶまで続く事になる。自身の信じるものが全てであり正義であると本気で思っているのがまた質が悪い。居もしない存在を敬い、信じ、命を懸ける等俺から言わせて貰えば狂気としか言いようが無いね。神に願っても何もしてくれないし、何も変わらない。常に留守にしているのだから当然だろう。――だからと言って全てを否定できないのも事実。そも宗教や神というのは多くの人々が自分を救い、助けてくれる超常的な存在が居れば……という願望から生まれたものだからな。そこから長い年月を掛けて煮詰められた教えや神の存在は容易く人の心に入り込み、蝕む。何時しか()()に依存し、心の拠り所になり無くてはならない存在となる。結果多様性を認めず他を邪教と認定し排除しようとする。はい、戦争の始まり、始まりってね。

 こういう人たちにとって自身の価値観や考え方を変えると言うのは、死よりも辛いものなのだろう。甘く蕩ける様な蜜を吸い続けらるのに、それを放棄する馬鹿はいないのと同じだ。――では翻って神が実在したらどうだろうか?共に生き、傍に居るとなれば……。

「サクラ様は神の存在を信じていますか?」

 オフレ殿下の言葉で俺の思考は断ち切られた。また、難しい質問を投げかけたな。さて、サクラはどう答えるのだろうか?

「信じています。というよりも、私に……いえ、この国に住まう多くの人にとって神はとても身近であり常に私達を守ってくれています」

「それは……どういう意味でしょうか?万物に神を感じ取れるから――という訳ではなさそうですし」

「うーん、言葉で説明するのは難しいのですが、神は万物に宿り存在しますが、真なる神は一人しかいないという事です」

「???」

 うん、今の説明では分からないだろうな。神は沢山いるのに真の神は()()のみなんてまるで禅問答だし、理解出来なくて当然だ。答えに辿り着くにはこの国の表と裏を知らなくてはいけない上、教会にも深くかかわる事だから、下手したら殺される可能性すらある。君子危うき近寄らずという言葉通り自ら虎の尾を踏む事もあるまい。世の中には知らない方が幸せな事もあるのだから。

「少し難しかったですね。一言で言うなら私にとっての神は一人であり、身近に居るという事です」

「なる……ほど……」

 サクラの目に狂気が宿り、陶酔した表情でそう言われればオフレ殿下の反応になるのも仕方ないだろう。だって俺も背筋がゾクゾクしたからな。皇女が浮かべて良い表情では無いし、俺をチラリと見るのも勘弁して欲しい。そして同様の表情で――否、釜に狂気・妄執・愛情・信仰その他をごった煮にしたような名状し難い顔でこちらを見ているカスミにも参ってしまう。帝国からの同行者はオフレ殿下とサクラの遣り取りを見ているので気付いていないが、もし見られたら卒倒してしまうのではないだろうか。それほど悍ましくも美しいという相反する表情を浮かべているのだ。流石にこのままではマズいので空気を変えさせてもらう。皇女同士の話し合いにただの護衛が口を挟むなど許されない事だが、このままだと惨事になるので許して欲しいと心の中で思いつつ、サクラに声を掛けた。

「サクラ皇女殿下。それ以上は宗教問題に発展する可能性もありますので、その辺りで止めた方が宜しいかと」

「そうですね。有難うございます、ユノお兄――ユノ隊長」

「差し出がましい真似をして申し訳ありませんでした」

「気にしておりませんので大丈夫ですよ」

 ふぅ、これで一先ずは安心だろう。ただ、サクラが途中まで言いかけた言葉が気になっているのかチラリとこちらを伺うように見ているオフレ殿下が少し気がかりかな。お兄まで言ったら後に続く言葉は自ずと理解出来ようもの。そこから血縁関係があるのか?と思われているのかもしれない。これに関しては俺から何か言えば面倒な事になりそうだし、本人が聞いてきたらサクラも交えて話すことにしよう。そうすれば変な誤解もされないし、間違いないだろうしな。

「そういえば、神社で思い出したのですが和国には妖という存在がいると聞いた事が有りますが、サクラ様はご存じですか?」

「ある程度は存じております。と言っても一般に出回っている話程度ですが」

「そうなのですね。という事は伝承や文献にもあまり載っていないという事ですか?」

「そうですね。妖に関しては古来よりその存在は知られているのですが、実際に見た事がある人は殆どいないのではないでしょうか。また、生態や見た目、棲み家等に関する情報も一切ありません。まさに謎に包まれた存在ですね」

「そこまでいくとお伽噺に出てくるような架空の化け物と変わりが無いですね」

「ですが、煙の無い所には火が立たないと言う様に眉唾物ではありますが、確かにこの世界に居るのではないでしょうか。我々人類の味方か敵か……までは分かりかねますが」

「妖魔という怨敵で手一杯の中、妖という存在まで敵に回って欲しくは無いですね。――今まで現れた事が無いという事なのでこの先も人に不干渉でいてくれると嬉しいのですが」

「私もそう思います。ですが、こればかりは手の打ちようがありませんから。接触も我々からは不可能ですし、出来る事と言えば神に祈る事くらいでしょうか」

 妖ねぇ……。確かにお伽噺として寝物語に聞かせる親も多いから和国に住む大多数の人がその存在を知っている。が、本当に居るとは子供以外は信じていないだろう。所謂幽霊やら龍やらと似たようなもので、あくまで空想上の存在として認識しているのだ。仮に実害があったとか、多くの目撃者がいるとかなら話は変わってくるが、そう言う人は皆無だし居たとしても大昔に数人と言った所。探そうとしてもサクラが言った通り文献にも伝承にもその手の記載は無いし、大陸を隈なく探し周るなんて到底不可能だから見つける事など出来ようはずがない。

 そしてその手の輩は確実に結界等を張っているから、近づく事すら出来ないのだがね。もし結界を破れる程の力を持っていたとしても、それを察知した妖に即座に殲滅されるのがオチだ。彼等は兎角自分の縄張りを侵されるの嫌うから然もありなんと言った感じだが。

 それと人類に対して敵か味方かハッキリしないのも、理由がある。面倒臭いのだ。なんとも単純明快であり、呆れるような言い分だけど彼等にとって人など生きようが死のうがどうでもいい存在なのだ。自分に害が及ぶようであれば人であれ、妖魔であれ殺すが、そうでなければ不干渉を貫く。究極の自分本位と言っても過言では無いが、それが出来るだけの力があるのだから文句は言えないだろう。

 まあ、彼等に関しては今後関わりが出てくるだろう。今はまだ、その時では無いがな。

「ユノお兄――ユノ隊長?」

「んっ?あ、ああ。どうかしましたか?」

「ボッーとしていらしたので、大丈夫かなと思いまして」

「すみません。少し考え事をしていました」

「そうですか。体調が優れなければ仰って下さいね」

「分かりました。お気遣いいただきありがとうございます」

 自身にも関係ある事だからつい考え込んでしまったが、そのせいで心配させてしまうとは。そもそも護衛として思考を別の所に飛ばすのはどうなんだって話だし、サクラのみならずオフレ殿下も心配そうにこちらを見ているし本当に駄目だな俺。

「ユノ隊長。余りお気になさらずに。私もいますので、万が一はあり得ませんしご心配なく」

「すまんな。妖と聞いてついな……」

「関わりが深いですし、考え込んでしまうのも仕方ないかと。寧ろ、私としては早々に話が終わって良かったと思います。もしユノ隊長に話が振られた少しばかり厄介でしたし」

「確かに。当たり障りのない内容なら良いんだけどね……。一応今後もし触れて欲しくない話が出たらそれとなく誘導しよう。その際はカスミも頼むぞ」

「お任せ下さい」

 なんて小声で――ほぼ読唇術に近い――遣り取りをしてお互いに今後の展開を話し合う。

 こう言った技能は必要不可欠とまではいかないが、習得していれば様々な面で役に立つのでウチの隊員は全員読唇術は習得している。他の隊は……知らん。

 若干投げやりな感じに締めくくった所で、サクラの声が耳朶を叩いた。

「それでは、神社も一通りみましたし次の場所へご案内致します」

 ふむ。庭園も見たし、神社も見た。となるとここから近いのは慰霊塔だろうか。こちらはヘルブラム機械帝国にも関係する場所だし、必ず見ておきたいだろうしな。

 そんな俺の考え通りに次に訪れたのは慰霊塔だった。

 慰霊塔とはその名の通り戦争や災害などで亡くなられた不特定多数の御霊を祀っている建物の事だ。皇居の慰霊塔に祀られているのは軍人のみであり一般の方はその名を刻まれてはいない。そもそもここに来れるのは軍属の人間か、その関係者のみなので普通の人にはあまり関係が無いだろう。

「ここは慰霊塔ですか」

「はい。ここには妖魔と戦い戦死した勇士達が祀られております」

「そうなのですね。……それにしても大きな建物ですね」

「この慰霊碑が建てられてから百年以上が経過していますので、戦死した人達もかなりの数に上ります。その全てを祀るとなるとどうしてもこれだけの大きさが必要になってしまうのです」

「慰霊碑という形にしなかったのはどうしてなのでしょう?」

「それは勇敢に戦い散っていった戦士を一纏めにするのは余りにも失礼であり、侮辱に他ならないと建立当時の皇王が言った結果今の形になったと伝えられています。今現在では約十数万名がここで安らかに眠りについて、この国を見守って下さっていますよ」

「とても素晴らしい考え方ですね。我が国でも見習いたいです」

 百年余りで十数万人が死亡したというのは果たして多いのか少ないのか。妖魔という人外の化け物を相手にして少ないと感じる人もいるだろうし、余りにも犠牲者が多いと思う人も居るだろう。だが勘違いして欲しくないのはこれは和国での話だという事だ。対妖魔戦において他の追随を許さない程練度が高く、人材も豊富で、何よりも俺達CODE零という最大最高戦力がいるからこそ犠牲は最小限に抑えられている。それでも数多の戦士が天へと召されたのはそれだけ妖魔との戦いが過酷で凄惨で、常に死の危険と隣り合わせという事に他ならない。それを前提として考えてみると、他国では和国の最低でも倍、酷い場合だと十倍以上の犠牲者がでていて当然なのだ。それでも自身を、国を守る為には戦わなくてはいけない。だけど戦死者が増えれば増える程軍に志願する人間は少なくなるし、人間はそうポンポン子供を産み育てることは出来ないので、必然的に人口低下に繋がり、延いては国力の低下に繋がる。そうなれば妖魔から身を守る事も困難になり――という悪循環に陥ってしまう。こうなるともう止めようが無くなり、衰弱死するようにジワジワと国が死んでいく。そうして亡国となった国は数知れない。

「ヘルブラム機械帝国にも慰霊碑や慰霊塔はありますよね?」

「はい。ですが、ここまで立派なものではありませんし、御霊を鎮めるという目的しかありません」

「それは……悲しいですね。私達の為に命を懸けて戦ってくれた人達を決して忘れない様にという思いも込められて建てられたのに、それでは目的と手段が変わっています」

「仰る通りです。本来であれば和国の様にしたいのですが、戦いに赴いた結果死ぬのは栄誉ある事という風潮のせいでそう言った思いは蔑ろにされているのが現状です。また、蒸気機械の発展と共に遠距離から戦うのが主流になったというのも一因としてあると思います」

「銃や大砲、戦車などですね」

「はい。直接剣で切り結ぶでも無く、遠くから攻撃をするだけならばそこまで危険もありませんし」

「そのような状況で果敢に戦い、死ねるのなら本望と……」

 ある程度はヘルブラム機械帝国の戦い方は知っていたが、改めて聞くと滅茶苦茶だな。そもそも死んだら栄誉も糞も無いだろうに。戦場で華々しく散るのが軍人の誉とか本気で思っているのだろうな。阿呆くさくて言葉も出てこないよ。それと遠距離攻撃という手段は悪くは無い。戦術としては有効だし、和国も銃は使用しているしな。だが、それに頼り切ってしまうのは危険極まりない。下位の妖魔なら何とかなるだろうが、上位の妖魔に対しては余りにも無力。銃弾なんて目視で避けるし、仮に被弾したとしても掠り傷を付けられるかどうかだろう。言ってしまえばちゃちな玩具同然なのだ。戦場で玩具を振り回し、果敢に戦い、死ねるのなら本望と本気で思っているのだから始末に負えない。

 和国ではそんな教育はしていないし、無駄に命を散らすような命令をする上官も居ない。仮にそんな戯言を宣ったら上層部からは圧力を掛けられ、下からは無能と罵られる事になるだろう。――結局の話各国が兵士に対してどの様に考え、運用しているかの違いでしか無いんだけどね。

 ……今思ったような事は口が裂けても他人には言えないが。

「ユノ隊長は帝国の考え方についてどう思われますか?」

「そうですね……」

 いきなりオフレ殿下から話を振られたが、折角の機会だしここで少しだけ俺の考えを話すか。

「戦って死ぬと言うのは軍人である以上避けられません。そこに栄誉や矜持を見出すのは個人の自由なので私から特に言う事は無いのですが、一つだけ言わせて貰えば死ねばそこで終わりという根本的な部分が抜けているのではないかと思います」

「死ねば終わり……」

「はい。敵に再度戦いを挑む事も、後進の育成も、その先に待っていたであろうあらゆる可能性が閉ざされてしまいます。果たしてそれでも戦い、死ぬ事が本望なのでしょうか?」

「それは…………難しいですね。戦場に出た事の無い私ではどう答えても戯言になるでしょうし」

「そうとも言えませんよ。戦場に出た事が無いからこそ見える視点もあります。時にはそういった人の意見が大きく流れを変える事もありますから」

「そうなのですね。――ユノ隊長は長く軍に所属していらっしゃると聞いておりますが、今まで仲間や大切な人が危険な目に会ったりと言った事も何度も経験しているのでしょうか?」

「そうですね。数え切れない程経験しています。それこそ目の前で部下が死んだり、妖魔に喰われた所を見たり等々挙げればキリが無い程ですね」

「それでも軍人を続けているのは何故なのでしょうか?」

「軍人として答えるならば国の為、民の為ですね。戦う力を持たない者たちを守り、安心して暮らせるように尽力する事こそ本懐だと思いますから」

「素晴らしいお考えです。ユノ隊長の様なお人がいる和国が本当に羨ましいです」

「ありがとうございます」

「……先程軍人としてはと仰っていましたが、個人としてはどうなのでしょうか?」

 おっと、結構突っ込んだ質問をしてきたな。他国の人相手だから当たり障りのない言葉を述べたつもりだったけどお見通しだったか。本当に聞きたかったのは恐らくこっちだろうな。本心を明け透けに語るわけにもいかないし、かと言って適当な言葉を並べ立てるのも駄目だろう。これは困ったぞ……と思っていた所にサクラから助け船が出された。

「ヴァネッサ様。個人としての意見となれば、かなり踏み込んだ内容になりますのでこのような場ではご遠慮いただければと思います」

「すみません、思慮が足りず不躾な質問をしてしまいました。――ですが、今この時だけは立場を忘れてお聞かせ願えないでしょうか?私にとって非常に重要な事なのです」

「ユノ隊長。どうしますか?私としてはどちらでも構いませんし、ユノ隊長の御意思を尊重致します」

 参ったな。この先を考えるならばご遠慮願いますとはいかないだろう。それにオフレ殿下も互いの立場を抜きにして胸襟を開いて欲しいと言って来ている訳だし。はぁ~、仕方ないな。

「では、あくまでも私個人の意見であり、和国には一切関係が無いとここで明言しておきます」

「分かりました」

「私が軍人を続けているのは、皇王様から軍人の育成を頼まれたからというのが一つ。そして二つ目はある目的の為です。二つ目に関してはお答えする事が出来ませんが、お許しください」

「目的ですか……」

「はい。その為に生き、戦っていると言っても過言ではありません。勿論大切な人達に危害が加わる様であれば全力を持って排除しますし、例え目的から逸れるとしても守ります」

「――その対象は大切な人に限定されるのでしょうか?」

「優先順位の問題ですね。仮に優先順位が高い人と低い人が同時に危機に陥った場合、当然ですが高い人を助けます。優先順位が低い人は言ってしまえば、一応気に掛けておくかくらいの存在ですから余程の事が無い限りは積極的に私から動くことは無いですね。非道に思うかもしれませんが、遍く全ての人を助ける等不可能ですし、そんな夢想をする程現実を知らない訳でもありませんから」

 俺の言葉にその場にいた人達全員が、考え込む素振りを見せた。確かに人によっては冷血漢や、人でなしと感じるだろう。だが、大陸に何千万といる人を一人残さず助けることが出来るかと問われれば不可能と言うしかない。そんな事勇者であろうと出来ないだろう。

 誰一人言葉を発する事の無い静かな空間で暫しの時間が流れる。

 果たして思考の果てに辿り着いた結論はどのようなものなのか?それを知るのはまだ先の話である。

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