Ep:16
「二つあるお願いの内、一つ目になるんだけど実は娘が君に会いたがっていてね。何時でも良いから時間を取ってもらえないかなと思って」
「そうは言うがサクラも何かと忙しんじゃないか?高等学院に行きつつ、皇居で様々な教育を受けているんだしさ俺に合う暇なんてないだろ」
「もし君と会えるとなれば、何を捨て置いてでも必ず時間を作るから安心してくれ。それに、サクラの精神的にもそろそろ限界が近いんだ。――ここだけの話だが、ユノがケールカ王国に行くという話をした時は大泣きしてね。その後も一週間程死んだような状態だったんだよ。仕舞いには私もユノお兄様に同行しますとか言い出してさ。もう……本当に大変だったんだ」
「……分かった。そこまで深刻なら近々会おう」
流石にこんな話を聞かされて、じゃあ何ヶ月後に予定を空けますなんて言えるわけがない。そんな事をすればサクラが廃人になってしまう。幸いな事に、一月先まで大きな予定も無いし丁度良いしね。
「少しお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
「なんですか?何か気になる事でも?」
「私事で大変申し訳ないのですが、実は私の孫娘もユノ隊長に会いたいと頻りに言っておりまして。なので皇王様のご迷惑でなければ私の孫娘も一緒に会う事が出来ればと思いまして」
長官の言葉を皮切りに我も我もと、同様の事を言う人が多数。いやさ、俺自身長官達の孫娘・娘さん達とは立場上仲良くさせてもらっているけど、そこまで気に入られているとは思っていなかった。あくまで一軍人と上層部の関係者という立ち位置で接していたから尚更ね。……という疑問を抱くが当然口にする事は出来ない。そんな事を言えばどうなるかは考えたくも無い。うぅ……恐ろしい。
「僕としては構わないが、ユノはどうかな?大勢で会うのが嫌ならこの話は流すけども」
「構わないよ。寧ろ一人一人と個別に会う方が、スケジュール的に厳しいから逆に有難い」
「うん、なら希望者全員と一堂に会するという形を取ろうか。となると、場所の確保や日程の調整等色々やらなくてはいけないな。それにお茶会というより、食事会にした方が長く時間も取れるしより楽しめるだろう。という事でユノ、何時食事を摂る日か教えてくれるかな?」
「んっと、丁度一週間半後と一月後だな」
「ふむ。それなら一月後に開催という事にして進めようか。調整は僕の方でやるのでユノは何もしなくていいからね」
「悪いな」
「なに、気にする事では無いさ。――さて、一つ目が終わった所で二つ目のお願いなんだが、近々他国から要人が来ることになっていて、その人物の護衛をしてもらいたいんだ」
「護衛という事なら警察の仕事では?軍属の俺がやる仕事では無いと思うが」
「こちらとしても当然警察が護衛をすると伝えたんだが、先方からの強い要望があってね。どうしてもユノに頼みたいと言ってきたんだ」
「言い分は分かるが、要人警護は警察の領分でありそこに軍属の人間が土足で入り込むとなるとかなり面倒臭い事になるぞ?幾ら強い要望があったと言ってもな」
「その点については内々に警察上層部と軍上層部で話し合いを持って、解決しているから問題は無い。あとはユノが受けるか否かだけだ」
「その他国の要人が誰なのかは教えてもらえないのか?」
「申し訳ないが、この件は極秘裏に進めているので現段階では誰なのかは言う事が出来ない。話が纏まって、和国に来る一週間くらい前には伝えられると思うが……」
「分かった。要人警護の件は引き受けよう。ただ、不安材料は隊員達がどう思うかだが……なんとかかんとか宥め賺して受け入れさせるしかないか」
「それについては申し訳なく思うよ。流石に僕ではどうしようも出来ないからね」
「まあ、何とかなるはずだし、大丈夫さ」
これで皇王からの二つのお願いは終わりだな。皇王の娘と長官達の孫娘・娘との食事会と要人警護か。帰国して早々割と気が重くなる内容に溜息を吐きたくなる。取り合えずこれで終わりだろうし、これ以上何かを頼まれる事はないだろうと……そう思っていたんだけど。そうは問屋が卸さなかった。
軍務長官が申し訳なさそうな表情である件を切り出してきたからだ。
「あー、申し訳ないんだが、私の方からも一つユノ隊長にお願いがあるんだ」
「何でしょうか?」
「近々昇隊試験を受ける人たちが居てね。その試験官なんだが、丁度人員が出払っていて担当できる者がいないんだ。それで、悪いが試験官を引き受けては貰えないかね?」
「どの隊に所属している人が試験を受けるのでしょうか?」
「CODE肆所属の者だよ」
「となると、合格すればCODE参に上がるわけですか。お引き受けしたいと思いますが、一つだけ条件があります」
「なんだね?」
「CODE参の隊長はアイツなので、結構厳し目に査定したいと思いますが、構いませんか?」
「勿論だよ。君とあの隊長とは知己の仲だし、こちらとしても中途半端な実力を持った者を昇格させる訳にはいかないからね。寧ろ願ったりだよ」
「ありがとうございます。では、その件については後日書類を頂ければと」
「手配しておこう。無理を聞いてもらってすまないね」
「いえ、人が居ないなら仕方ありませんよ。それに、久々に違う仕事が出来て気分転換にもなりますし」
毎日同じことの繰り返しだと飽きるし、惰性で熟す様になってしまうからこうして滅多にやらない仕事を回してもらえるのは本当に助かる。……なんだかんだで、やる事がかなり多くなったが上手い事調整して処理していこう。――誰も口を開かないし、取り合えずこんなもんで話し合いは終わりかな?
「他に誰か話がある人はいますか?…………誰もいないようなので、これにて報告会を終了します」
こうして時間にして三時間ほどかかった報告会は終了となった。
会議室を出て、CODE零専用の部屋へと戻ってきた。
「今戻ったぞ」
「お疲れ様でした。飲み物を用意しますので、座ってお待ち下さい」
「ありがとな、アヤメ」
自席へと行き椅子に座ると、思わず『どっこいせ』とオヤジ臭い台詞が出てしまう。実年齢考えれば親父どころか超高齢者なんだが、そこは気にしてはいけない。少ししてお茶を持ってきてくれたアヤメから湯呑を受け取り一口飲むと、ホッと心が和らいだ気がした。そのまま時間を掛けて飲み干すと、立ち上がり報告会で決定した事を伝える為全員を集める。
「悪いが、話があるから全員こっちに来てくれ」
俺の言葉にすぐさま集まり、直立不動でジッとこちらを見ている面々を見回しつつ話始める。
「先の報告会で色々と決まった事が有るので伝えたいと思う。まずは一つ目だが、近々他国から要人が訪和するらしく、その護衛を俺がする事になった。俺以外のメンバーについてはまだ決まっていない。お前達の中から選ばれるかもしれないし、他の隊から選ばれるかもしれない。色々と本決まりではないので今後どの様な動きになっても対応できるようにしておいてくれ」
「すみません、質問良いでしょうか?」
「なんだ?」
「その護衛はわざわざ隊長がやる事では無いと思います。そもそも管轄としては警察の領分ですよね?」
「ゴロウの言う通りだ。だが、軍上層部と警察上層部で話はもうついている。今更警察にお願いしますとはいかないんだ。それと俺としては護衛の話は割と乗り気なんだよな。滅多にある話じゃないし、場所も国内だから大きな問題も起きないというのも大きいしな」
「成程。隊長が良しとしているなら俺からは何も言う事はありません」
「んっ。じゃあ、二つ目だが昇隊試験の試験官を引き受ける事になった。対象は合格すればCODE肆から参に昇格予定の者だ。これは長官から直々に人員が出払っていて出来る者がいないのでお願い出来ないかと言われた事で、勿論了承している。それに伴い試験日を含めた数日は通常業務が出来ないので、何かある場合は早めに伝えておいてくれると助かる」
「CODE参ってあの人の隊か。となると隊長はかなり厳し目の査定をするんじゃないですか?」
「そのつもりだよ。対して見る物が無い奴をあいつの隊に送り込むなんてしたくないしな。それにそんな奴が来てもすぐに死ぬか、耐えられなくなって軍を辞めるかだろうしな。双方にとって悲しい結末にはしたくないから確りと見るさ」
「なら安心ですね」
ジンがそう言ってくれるが、果たして安心なのは命を落とさずに済む見知らぬ隊員なのか、戦力にならない人員を送り込まれなくて良かったと感じるであろうCODE参の隊長なのか。それは誰にも分からない。
「んで、最後の三つ目だが約一月後にサクラと長官達の孫娘・娘と食事会を開くことになった」
その瞬間全員の目が険を帯びた。特に女性陣は僅かながら殺気まで迸らせている程である。そんな中シオリが剣呑な言葉を繰り出す。
「その食事会というのは隊長とゴミク……女達だけで開催されるのでしょうか?」
「い、いや、そういう訳では無いぞ。それにお前達も誘おうと思っていたんだ。ユキも含めて皆で行こうかなと考えていたし、決して俺だけで行って女の園を満喫しよう等とは微塵も考えていないからな」
「そうですか。安心しました。もし、私達が参加不可だったら血の雨が降る所でした」
「だねぇ。というか僕としてはサクラは兎も角として、他の女たちがどうして参加するのか分からないんだけど?ねぇシオリに聞きたいんだけど、そんなに隊長と仲良くないはずだよね?」
「そうね。何回かパーティーで一緒になって話をしたくらいだと思うけど……」
シオリとスズネがなにやら面倒臭い事を話し始めている。そのパーティーで俺が件の女性たちと結構仲良くなった事を完全に失念しているな。――仲良くと言っても知人くらいの関係だが。といっても真面目な話男なら兎も角、女性と仲良くなるとうちの隊の女性陣は頗る不機嫌になるからなぁ。俺にだって付き合いもあるし、政治的な要因で仲良くならざるを得ない場合もある。そこら辺を加味して考えて欲しいと昔伝えた事が有るんだが、いつの間にか風化して元通りになっているという悲しい事実。気に掛けてくれているのは嬉しいし、悪い虫を寄せ付けない様に防衛ラインになってくれているのも分かるが、先の様に殺気駄々洩れで険しい顔をするのはやめて欲しいと思う所である。
「ちょっといいか。――えっとだな、お前達は忘れているかもしれないが長官から直接紹介されてその縁で仲良くなった人達で、今でも割と交流はあるんだ」
「そうだったんですね。どうでもいい女の事なので完全に失念していました。……因みに隊長は好意を寄せているとかは無いですよね?」
「無い。あくまで長官の顔を立てての付き合いだからな。それ以上もそれ以下も無い」
「よかった。その言葉を聞けて安心しました」
シオリがホッと安堵の溜息を吐く。俺としても上手く収める事が出来てホッとした……と思う暇も無く、スズネが爆弾を放り投げてきた。
「あの~、じゃあ今隊長は好きな人は居るんですか?」
「それは異性としてって意味だよな」
「勿論です」
「ユキだ」
「あー……そうですよね。――じゃあ、ユキさん以外には誰かいないんですか?」
「そうだなぁ……憎からず思っているという意味ではお前達がそうだな」
「!!それって僕にもチャンスがあるって事ですよね?」
「お、おう。というかユキ以外に好きって感情を向けるのはお前達だけだよ」
「「「「!!!!」」」」
「ひゅ~、言いますねぇ」
「隊長らしいですね」
女性陣は全員顔を真っ赤にしてモジモジしだすし、ジンは口笛を吹きながら茶化してくる。ゴロウは俺らしいとか言ってきたが、ちょっと小一時間程説教をしたい気分だ。俺は別にハーレム野郎でも、女なら誰彼構わず好きになるような軽薄な奴でもない。彼女達とは長い付き合いの中でゆっくりと芽生え、育ってきた想いがあるんだ。それに誰かを好きになるという感情は自然なものだし、それが一人に限定される謂れも無い。因みに和国は一夫一妻制だが、それは籍を入れるならという話で入れないなら別に一夫多妻だろうが、多夫一妻だろうが関係ない。事実として法律上夫婦と認めるのは一人だけですよという話だからな。籍を入れないデメリットは多々あるが、俺達にしてみればそんなの幾らでもどうとでもなるし問題にもならない。
「あーっと、話が大分逸れたがそういう訳で食事会については全員参加で問題無いな?」
俺の問いかけに全員が『はい』と了承の返事を返してくれた。
「じゃあ、詳細が分かり次第連絡するからそのつもりでいてくれ。よし、以上だ。何か質問がある奴はいあるか?…………いないようなのでこれで解散」
うしっ、連絡も終わったし次は遠征中にいつの間にか溜まっていた書類を片付けるとしますか。
なんだかんだで密度の濃い一日を終えて、疲れた体を引き摺りながら帰宅。
「ただいま」
「お帰りなさいませ。随分とお疲れの様ですが、何かありましたか?」
「んっ、後で話すよ。取り合えず風呂入ってくる」
「分かりました。では、着替えの用意をしておきますね」
「頼む」
ユキと簡単なやり取りをした後、風呂へと直行。
湯船にじっくりと浸かれば疲労がどんどんと流れ落ちていくのを感じる。やっぱ和国人なら風呂だよな!ケールカ王国はシャワーがメインで風呂に入る機会が余り無かったので余計にそう感じる。国が違えば文化も違うし、そこは受け入れているけどやっぱ風呂は最高だぜ!
そうしていつもより長湯をしたあと、ユキが用意してくれた服に着替えて居間に行き定位置である縁側に腰掛ける。すると、すっとお茶の入った湯呑をユキが差し出してくれた。
「ありがとう」
「いえ」
ズズッとお茶を啜りつつ、今日会った事を簡潔に話すとユキからこんな言葉が返ってきた。
「お話を聞く限り少々仕事を任せ過ぎの様に思います」
「だよなぁ。俺も帰国して早々にこんなに一気に来るとは思ってもみなかったよ」
「では当分お忙しくなるのですね?」
「だな。――食事会はまあプライベートな話だし置いておくとして、試験官と護衛に関しては色々ありそうな気がするよ」
「……何だが体の良い様に使われている感じがして気分がよくありません」
「といっても所詮は軍人だからなぁ。上司が――それもトップから言われたら従うしかないんだよ。勿論断る事も出来るが、そうなると後々面倒になるしさ」
「では、いっその事退役すれば宜しいのではないでしょうか?百年以上も軍の為、和国の為に働いてきたのですから、誰も咎める事は致しません。仮にそんな輩が居れば私が塵も残さず屠ります」
「退役か……。まあそれも一つの手だけど、そうなると国が、延いては世界が大きく動くことになる。あとは隊員達やシズクやコウがどう動くかも気になるしな。どっちにしろ今はまだその時じゃないかな」
「そう仰るという事は何れその方向で動かれるという事ですか?」
「そうなるかもしれない。……暫くは無職になるかも知れないけど、見捨てないでくれよ?」
「そんな事は致しません。ユノ様がどの様になろうと決してお傍を離れる事はありません」
そう言いながらそっと手を合わせて、肩を寄せてくる。ふわりと雪の中咲く一輪の花の様な香りが鼻孔を擽った。と同時に仄かに伝わってくる体温。
暫くそのままで言葉を交わすことなく、時の流れを楽しんだ。
「そう言えばユキの服も少し草臥れてきたし新しいのを買いに行こうか」
「宜しいのですか?まだまだ使えますが」
「そうは言うが、それを買ったのは数年前だろ?流行もあるだろうし、新調しよう」
「では、お言葉に甘えさせて頂きます」
「となるといつ行こうか?ユキは何時がいい?」
「私は何時でも構いませんが、ユノ様がお忙しくなる前の方が宜しいかと思います」
「そうなると…………来週末でどうかな」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、来週末に買いに行こう。折角だしそのまま久し振りにデートといこうか」
「まぁ。それは嬉しいです。ユノ様とのデートは久し振りですので」
「だよなぁ。ケールカ王国では隊員達も居たし二人っきりで出掛けるなんて出来なかったからな。……うん、その分も含めて一杯楽しもう」
「はい」
まるで花が咲くような可憐な微笑を浮かべるユキに思わず見惚れてしまう。思わず惚けてしまった俺の頬にそっと唇が触れた。
「ふふっ、思わず口づけをしてしまいました」
ぐぅ、最早俺のライフはゼロだ。誰が今の行動をされて平静でいられるだろうか?いきなり頬にチュッてされたんだぞ。しかも超絶可愛いユキから!あー、もう心の針は振り切れて折れてしまいそうだよ。そして理性も崩壊間近ときたもんだ。
「ユノ様のお気持ちのままに私を好きにして下さい」
はい、その一言で全ては終わりました。そっとユキの手を掴み、自室へと誘う。
その後の事は想像にお任せする。ただ、心身共に大変満たされたのは間違いないとだけは言っておく。
刺激的な一夜が明け、翌日からは通常業務に加えて諸々の準備や確認に追われる日々。暇な時は暇なんだけど、忙しくなる時は一気に忙しくなるからなぁ。でも、こういう感じはメリハリがあって嫌いでは無いし、なにより仕事だからね。内容も他人の命に係わる事だから、手抜きも出来ないしさ。
とまあ、そんな感じで過ごしていたら気付けばユキとのデートの日が明日に迫っていた。光陰矢の如しとは言うが、余りにも時間が経つのが早い。子供の頃は体感時間の経過が長いが、年を取る毎に短くなっていくのは誰しもが経験する事だと思う。では、ここで疑問なんだが百年、二百年と生き続ければ一年が数日のように感じられるのか?という謎に突き当たる。結論から言ってしまえば、ある一定年数――八十年~年百前後――で変化は無くなる。体感時間として一年が数ヶ月に感じるくらいで止まってしまうのだ。勿論個人差はあるとは思うが、概ねそんな感じだと思う。
若干話が変わるが、長い年月を生きる者にとって【変化】というのは非常に重要な意味を持つ。先にも話した体感時間も然り、日常生活や他者との関係も然りで百年も生きると大体の事は経験してしまいどれも同じに感じてしまうのだ。変化が無い生活を続けた先に待つのは、ただ漫然と生きるだけの肉の塊に成り果てる。死ぬ事も出来ず、かと言って目的も無く只々生という呪縛に囚われた存在。哀れで、空しく、虚ろなる者。……考えただけでゾッとする話だし、絶対にそうなりたくないからこそ俺は常に変化を求めている。それは些細な事で構わない。例えば何時もと違う仕事をする、関わりの薄い人と交流を深める、普段いかない場所に行ってみる等そんな事でも大きく変わるんだ。
そして、明日行くユキとのデートもそうした変化の一つだ。ひとつ屋根の下に暮らしているんだから何時でも行けるだろと思うかもしれないが、逆にそう言った機会が少なかったりする。というのも休みの日でも誰かしら――主に隊の女性陣――が家に遊びに来たり、ユキも含めて複数名で出掛ける事が多いので二人っきりでというのは中々ないんだ。というわけで実は明日のデートは滅茶苦茶楽しみだったりする。
早く明日にならないかなぁ等と考えつつ、夜は更けていった。




