Ep:13
俺の願いを神は聞き入れてくれたらしく、特に問題も無く授業は終わりとなった。小一時間程座りっぱなしだったので軽く身体を伸ばしたいな~なんて思っていると、険しい目つきをした少年がツカツカとこちらに向かってきて開口一番こんな事を言い出した。
「どんな伝手を使って授業を見学したのかは分かりませんが、ここはお前の様な奴が居ていい場所じゃない。我が校は伝統と格式、そして将来を有望視されている光り輝く原石が集う場所。――見た所商人か、いいとこ他国の名家・旧家出身だと思うけどハッキリ言って邪魔だ。今すぐ田舎に帰れ」
「…………」
いきなりこっちに来たと思ったら暴言かよ。確かに年齢を鑑みれば相応しくないけど、女王と王女の厚意で見学させてもらっている訳だし、こいつにあれこれ言われる筋合いは無いんだが。というか恐らく貴族だろうけど格下だと思った者に対する当たりが強いな。俺の知っている人達は庶民だろうが、スラムの住人だろうが分け隔てなく同じ態度なんだけど……。
「おい!黙ってないで何か言ったらどうだ?」
「あー……迷惑を掛けたなら謝る。すまない」
「頭も下げろよ。そんな事も知らないのか?どこの蛮族出身だよ」
「すまない」
頭を下げてもう一度謝る。こいつに対して色々と思う所はあるが、大人としての対応をしなければな。こういった手合いは反駁するとヒートアップして売り言葉に買い言葉って感じになるし、親の権力を振りかざす可能性も高い。なればこそ穏便に済ますには謝罪がもっとも有効、かつ手っ取り早いってわけ。
勿論全身から憤怒の気配を発している隊員達への牽制もある。こいつが俺に近づいた時点で袋に入れている刀に手を掛けていたからな。その後の暴言で何人かが斬ろうとしたけど、ギリギリで止める――目線を送り押し留めた――事が出来たけど流石にこれ以上長引けば死んでしまう。俺では無く相手がね。そんな事を知ってか知らずか更に言葉を投げかけてきた。
「はははっ!下賤な者はそうやってただ頭を下げていればいいんだよ。たくっ、なんで王女殿下はこんな奴を連れてきたんだか。見た目は女みたいだし、線も細く碌に戦えもしないだろうし、学も無い。まさにこの世のゴミみたいな人間じゃないか。はぁ~、全く王女殿下にも困ったもんだ」
エイラが近くにいるのに思いっ切り暴言を吐いているんだが。不敬罪で処罰されるって事を考えなれないのか?いや、あくまで俺に対して言った事であり、本人に向かって直接言ってはいないから問題無いとか斜め上の事を考えているんじゃないだろうな?マジでメンタルと胆力だけは一丁前とか笑えねぇ。
「ユノ様。もう授業も終わった事ですし、行きましょう」
「だな」
ユキに促されて皆揃って教室を後にする。その際ギチギチと何かを強く握りしめる音が聞こえたがギリギリで堪えてくれて良かった。因みに俺達が出て行く際エイラが青い顔をして慌てて後を追ってきたのも伝えておこう。
side ケールカ王国王女エイラ・ハールス
ユノ様と一緒に授業を受けられるという奇跡にずっと心が躍りっぱなしで碌に集中できませんでした。辛うじて先生の仰っている言葉は耳に入ってきましたがそれだけです。こんな幸せな時間を過ごしていながら他の事に気を回せる人なんて存在しません。えぇ、間違いありません。もうニヤニヤを抑えるのが大変でしたし、隣の席の方には怪訝な顔を向けられてしまいました。ですが!この胸を占める幸福感に比べればそんな事全く問題になりません。
……そんな私の幸せな時間ももう終わります。時間とは無慈悲に流れ誰にも止める事は出来ない。こういうのを和国では諸行無常と言うのでしたか?なんにせよ授業は終わりますが、ユノ様達の案内はまだまだ続きます。落ち込んでいる暇など有りません。ふんすっと気合を入れていたら、後方から怒気を滲ませた声が響きました。思わずそちらの方を見ると級友がユノ様に向かって暴言を吐いていました。その瞬間私の頭は真っ白になり、身体がガクガクとみっともなく震えてしまいます。
そんな中暴言だけでなく謝罪を求めユノ様が頭を下げるというとんでもない光景が。その時点で私はこの国の終わりを覚悟しました。授業でも言っておりましたが彼等は『世界の守り手』なのです。当たり前ですが実力は元より人脈も想像を絶する程広く、彼の一言で国家間の関係が良くなる、若しくは悪くなる事もあるのです。仮に今回の件を聞けばユノ様と良好な関係にある国は問答無用で制裁を我が国に加えるでしょう。例えそれがどれだけ自国に不利益を与える事になろうが。
そうでなくとも怒り狂ったユノ様以外の面々がケールカ王国を滅亡させるかもしれません。最早私一人の力でどうにかできる範囲は超えていますし、お母様にも早急に報告しなければ。どうなるにせよ女王であるお母様と私の首は無くなるでしょう。それで済めば良いのですが……無理でしょうね。はぁ……一人の愚か者のせいで安寧が覆されるなどとんだ悪夢です。
side ケールカ王国王女エイラ・ハールスEND
教室から場所を移して今は応接室に居る。兎に角話をしたいというエイラによって用意された場だ。そしてこの場の空気はとてもじゃないが尋常とは言えないものとなっている。そんな中最初に口を開いたのは果たしてエイラだった。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。謝って済む問題では無い事は分かっていますが、まずは謝罪をさせて頂きたく」
「あー……今回の件はお嬢ちゃんに非は一切無いだろ。だから謝る必要は無い。今ここで頭を下げるべきはあの坊主の方だ。そうだろ?」
「ですが……」
全くもってゴロウの言う通りだな。だけどエイラとしては級友がしでかした事であり、王女と言う立場を鑑みて謝罪したのだろうからゴロウの言葉に対して口ごもったのだろう。
「一つ聞きたいんだが、あの坊主は誰に対してもあんな態度なのか?」
「基本的には自分より立場が下の人間――若しくは下と見做した方にはああいった態度です」
「成程ね。となると爵位等級は結構上の方なのか?」
「侯爵家の長男です。長きに渡りケールカ王国に尽くしてきた家で、戦時にはその武名を轟かせたと文献に記載されているほど武に優れた家でもあります」
「侯爵家か、そりゃちと厄介だな。だからといって何でも許されるわけでは無いが」
「ゴロウ様の仰る通りです。彼自身には侯爵家長男と言う肩書しかなく、それも親の力あっての物。実質親の七光りに過ぎません。それを自身の権力と勘違いしている事が今回の事態に繋がったと考えております」
「事情は分かった。説明ありがとうな。――それで、ユノさんはどうするつもりですか?」
「そうだなぁ……俺からは何もするつもりも無いし、処罰に関して意見を言うつもりも無い」
俺のあまりにも穏便――言い方を変えれば余りにも甘い考え――に怒りを滲ませた反駁が返ってきた。
「納得できません。ユノさんは一方的に暴言を吐かれた上、謝罪までさせられたんですよ。一族郎党皆殺しの上国も滅ぼする位しないと気持ちが収まりません!」
「スズネの言う通りですね。あの場でクズを細切れにしなかった事が温情と言えるでしょう。これ以上慈悲を与えるなど無駄ですし、この国に来てからを考えるともう我慢の限界です」
スズネとシオリが強い言葉で言ってくる。彼女達の心情を考えればさもありなんと言った所か。だが、そこには自身の考えしか含まれておらず、大局的な物の見方や俺自身の考えなどは一切考慮されていないのが残念だな。殴られたから相手を滅するというのは幼稚が過ぎるし、短絡的と言わざるを得ない。勿論そうするべき事案もあるし、一概に駄目という訳では無いが。兎角実害が出たのなら話は変わるが、今回はそういうのも無いし個人的には厳重注意の上、暫く謹慎でもして反省してくれたらいいと思っている。
「お前たちの気持ちも分かるが、俺にも色々と思う所があるんだ。だから矛を収めてくれないか?」
「「ですが――」」
「そこまでにして頂けますか?被害を受けたユノ様がこう仰っているのです。それに異を唱えられるのは同じ被害を受けた者のみ。それとも貴方方は自身の感情の赴くままに行動するのが正しいと思っているのですか?」
「「………………分かりました」」
ユキの辛辣な言葉の刃に暫し押し黙った後絞り出すように言葉を絞り出す二人。だが、理解も納得もしたが感情面で収まりがつかないのだろう。かなり険しい顔つきをしている。それは他の面々も同様だ。今のままではシコリが残り、後々まで尾を引くことになりそうだし気分転換が必要だな。パンッ!と柏手を一つ打ち全員の注目を集める。
「取り合えずこの件に関しては後程アルマも含めて話し合おう。でだ、この後は戦闘訓練を見学する予定だったけど無理だよな?」
「大変申し訳ないのですが、仰る通り難しいと思います」
「だよな。丸々その時間が空いてしまう訳だが……訓練でもするか。身体を動かせば多少はスッキリするだろうし、心の裡に燻っている火も多少は落ち着くだろ」
訓練と言う言葉を聞いた瞬間目をギラつかせる隊員達。うわぁ~、軽く言ったつもりだけどこれは気合を入れなきゃヤバイかもな。
「あの、その訓練には私も参加して宜しいのでしょうか?」
「勿論構わないよ」
「ありがとうございます」
エイラだけ除け者にするつもりは無いし、今の実力がどの程度かも見たいと思っていたから良い機会だ。そうと決まれば場所を押さえてすぐに移動したいが空いている訓練場があるかな?
「訓練場に関しましてはすぐに押さえます。それと服装ですが、私は運動着を用意しているので問題ありませんが、皆さまは私服ですよね。どう致しましょうか?」
「男共はこのままでも良いけど女性陣はマズいよな。流石にスカートで戦う訳にもいかないし」
戦いにくいというのもあるし、激しく動くから下着が丸見えになるから大変宜しくない。というかパンツやブルンブルン揺れるおっぱいを見ながらだとまともに戦える自信がないんだが。
そんな気持ちを知ってか知らずかアヤメがエイラにこんな質問を投げかけた。
「すみません。その訓練場には私達以外の人間はいるのでしょうか?」
「完全に貸し切りにしますので他の人は居りません」
「では今の服装のままで問題ありませんね」
「いやいやいや、ちょっと待て。お前達スカートだぞ。そんなので戦ったら色々とマズいだろ」
「??」
不思議そうに小首を傾げられても困るんだが。ここは同じ男にガツンと言ってもらおう。チラリとジンに視線を投げかけると我が意を得たりと頷いてくれた。流石頼りになる男だぜ。
「あー、ユノさんが言いたいのは下着が見えても良いのかって事だ」
「見る相手がユノさんなのですから全く問題ありません」
「そうですわね。別に見られて困る下着を着けているわけではありませんし」
「だねぇ~」
「いつだって準備は万端ですから」
アヤメ、カスミ、スズネ、シオリの順に万事OKという答えが返ってくる。お前らそれでいいのか……。
「ただし、見る相手がユノさんならの話です。ジンとゴロウは分かっていますよね」
「わーってるよ。けど不可抗力で見てしまう事もあるのは理解しろよ。戦闘中に無駄な事に意識を割くだけでも大変なんだからさ」
「もし見たら目を潰します。……眼球を抉り出す方がいいかな?」
「全力で善処します」
シオリのグロ発言にジンが顔を青褪めさせながら言っている。俺も極力見ない様に頑張ろう!
「では、私は訓練場の手配をしてきます。すぐに戻りますので暫しお待ち下さい」
エイラが出て行き、残された面々で他愛無い話に花を咲かせながら待っていると、然程時間を置かずにエイラが戻ってきた。どうやら問題なく押さえられたらしい。
そうとなれば早速エイラの案内の元訓練場へと移動を開始した。
「おお~、想像より大分広いんだな」
「大規模な戦闘訓練も可能な様に設計されているので、かなり広い空間になります。規模としては軍の訓練場とほぼ同じですね」
「学生の時分からこんな所で修練に励めるなんて羨ましいな」
「確かに環境には恵まれていますが、それをどう生かすかは個々人に委ねられますので……中には適当に済ます生徒もいますし」
「エイラの言う通りだな。結局は自分次第って事になるし」
「はい」
将来の自分を形作るのは今の自分。現状で満足してその場で止まるも良し、先を見据えて苦労するも良しでどちらが一概に良いとは言えないけど、俺個人としては常に停滞する事なく前へ進みたいと思う。その先に続く道が例え茨の道だとしても。
「……まあ、それはさておき取り合えずチーム分けをするか。チーム一はアヤメ・カスミ・シオリ。チーム二はスズネ・ゴロウ・ジン。チーム三はユキとエイラ。一チーム当たりの時間は二十分とする。あとはあくまで気分転換の訓練なので程々で頼む」
「分かりました。武器は手持ちの刀で問題ないですよね?」
「ああ、構わないよ」
「ありがとうございます。えーと、最初に戦うのはどのチームなんでしょうか?」
「じゃんけんで決めようか。各チームから代表者を一人出して勝ち抜けで、勝者から好きな順番を選べるって形で行こう」
「それは燃えますね」
おぉ、質問してきたシオリだけじゃなく全員の目に火が灯っている。これは熾烈な前哨戦になりそうだ。――結果から言うと対戦順はこうなった。一戦目はチーム二、二戦目はチーム一、三戦目はチーム三という感じだ。順番が決まれば早速開始とばかりに各々準備を開始。
然程時間もかからずお互い一定の距離を取り、佇んでいる。
「んじゃ、始めるぞ」
俺の開始の合図とともに戦闘の火蓋が切って落とされた。
本気で戦っている訳では当然ないが、その光景は一般人が見てもただただ凄いとしか言えない程圧倒的である。極限まで研ぎ澄まされた技術、豊富な実戦経験から得た知識、数多の死線を潜り抜けた末に会得した第六感。それ以外にも何度も何度も死を経験してきたからこそ持ち得る戦闘感覚。それらが一つに合わさり、十全に発揮される事でまるで神話の如き戦闘風景となっている。では、その光景を観戦している面々はと言うと……。
「あの……ジンさんにお聞きしたいのですが、これは本当に人間同士の戦いなのでしょうか?」
「うん?エイラ嬢はユノさんの戦いを見るのは初めてだったのか?」
「はい」
「じゃあそんな感想になっても仕方ないな。でもこれは軽い手合わせみたいなもんだし、本気でやる訓練とは別次元だよ」
「そうなのですか?ですが所々怪我もしておられるようですし、とてもでは無いですが軽い手合わせには見えません」
「あんなの怪我の内には入らないさ。手足が斬り飛ばされたり、内臓をぶちまけたり、傷口に刀を差し込まれたりしてないだろ?それにどちら共に本来の実力の半分も出してない」
「――さも当たり前の様に言っておられますが、普通であれば死んでいますよね?その様な尋常ならざる訓練もとい殺し合いをしておられるのに皆様が五体満足な上、至って普通なのは……」
「あー……それについてはまあ色々と事情があるんだよ。あまり気にしないでくれ」
「…………」
「ちょっとジン。私達の内情を話すのは止めなさい。それにエイラさんだって困っているじゃない」
「別にこれくらいなら問題無いだろ。詳細を話した訳じゃないんだし。それにエイラ嬢が誰彼構わず他言するような人でも無し。シオリが気にするような事態にはならないって」
「確かにそうだけど、あまり知られていい内容でも無い訳だし少しは注意してよね」
「わーったよ。まあ今回の件は身内だけだからついポロッと口から漏れただけだからさ。今後は同じ間違いはしない様気を付けるよ」
「私も今聞いた話は心の裡に秘めて墓場まで持って行きますのでご安心して下さい」
「ありがとな。でもそこまで気にする事はないぜ」
「いえ、その様なわけには参りませんので」
「そっか」
いつも通りの会話に聞こえるが、その内容は彼等の根幹にかかわる部分が含まれている。人間であれば手足を斬り落とされれば元には戻らないし、内臓をぶちまける様な事態になれば確実に死ぬ。その事を前提に考えれば彼等に手足が付いていて、現在も生きているということは余りにもおかしい。どんな名医であろうとも再生や無から有を生み出す事など不可能。であれば嘘をついているという可能性に思い至るが、嘘を吐く利点が無い上にクラスunknownの妖魔を討伐できる人が只人であるはずも無し。――それらを踏まえると非常に恐ろしいが事実という線が濃厚になる。なぜその様な人外ならざる能力を得ているのか?それも一人では無く複数人が。果たして彼等は本当に人間なのか?悪鬼羅刹、魑魅魍魎なのではないかという思いが際限なく溢れ出るのは仕方ない事だろう。何れは事実を知る時が来るであろうが、真実を知った時何を思い、どの様な行動をするのか……それは今はまだ誰にも分からない。
訓練は順調に進み丁度二組目が終わり、三組目と戦っている所だ。相手はエイラとユキという組み合わせだが、ユキにはあくまでサポートとして徹してもらいエイラがメインで戦うように仕向けている。何故こうしたのかと言うとエイラの現在の実力を把握する為と、後日丸一日ほど使って指導をしようと思っているからだ。二十分という短い時間だが見極める事は十分可能だし問題は無い。
「ほら、隙が出来てるぞ」
「つぅ……」
「そこで動きを鈍らせるな。前に出て剣を振るえ」
「はあっ!」
「そうだ。単調な動きをするな、緩急織り交ぜて相手を翻弄しろ」
簡単な指示を出しつつ、理解度や適応度を計る。これらが低いと何を教えたって飲み込みが遅く、当然成長スピードも緩やかになってしまう。こういった要素は育ってきた環境や、今まで出会った人達に大きく影響される。その点を鑑みるとエイラは非常に優秀だ。まさに一を聞いて十を知るを体現していると言っても過言では無い。だから教える方もついつい熱が入ってしまうんだけど、勢い余って壊してしまわない様に注意しないといけないのが少し面倒かな。隊員達であれば問答無用でこの世の地獄と言えるほど扱き倒せるんだけど、一国の王女様相手だとそうもいかないからね。
などと考え事をしつつ、エイラ・ユキチームとの訓練も進み無事終了。汗などはほとんど搔いていないが女性陣の要望もあり併設してあるシャワールームで身体を綺麗にした後、再集合となった。
んで、男と言うのは風呂なんかは早いもので今は女性たちが来るのを待っている所だ。というかなぜにこんなに時間の差が出るんだ?別に烏の行水ってわけじゃないし、しっかり身体は洗っているんだけど。やる事なんて同じだし、唯一の違いは髪を乾かす時間位なもんでそれを加味したって男女での時間差がありすぎる。マジで謎なんだけど。ユキにでも聞けば答えてくれるだろうが、なんかこう……ね。分かるっしょ?聞きたいけど躊躇われるっていう感じがあって中々ね。
なぜ男女で風呂の時間が違うのかについて懊悩していると、いつの間にか女性陣がこちらに来ていたみたいで怪訝な顔をされてしまった。ぐぬっ、不覚を取ってしまった。
――はぁ。取り合えず訓練も終わっていい時間になったし、王城に行きますか。アルマも含めて貴族の子息が仕出かした事について話し合いをしなければいけないからな。全くもって面倒極まりないぜ。




