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クラピア離脱

「……と言うわけで、発見時には既に海賊が急接近している状態でして……。」


 海賊の急接近と聞き連宋は慌ててビィに問いかける。


「それで!今は!?今の状況は?」


「今はなんとか……斥力フィールドでこらえている状態ですね。」


「斥力フィールド?」


「はい。海賊連中が接舷しようとしていたので斥力フィールドで弾いたのですが……。」


「ですが?」


 いやな予感がして連宋はゴクリとつばを飲み込んだ。


「直前で拒絶されたのが怒りを誘ったらしく、現在砲撃を受けています。どうも海賊の人たちは意地になっているみたいですね……。」


「意地って……それで、斥力フィールドを展開し続けてエネルギーは持つのか?」


 連宋は通信用モニターにかじりつく様に詰め寄った。


「はい。流彗星号のジェネレーターは海賊程度の攻撃でエネルギー切れになる様な物ではありません。この程度の海賊ならば何隻来ても同じでしょう。ただ、着陸艇では耐える事は出来ません。」


「……それは当然だろうな。となれば連中に見つからずに接近する方法……か。」


「もしくは海賊のエネルギー切れを待ちますか?おそらく半日ほどでエネルギー切れになると推測できます。」


「エネルギー切れか……半日もかかるのでは……。」


「なにかあるのでしょうか?」


「要救助者が一名。重篤な状態だ。今、サバーブとリランドが脱出カプセルごと着陸艇に積み込んでいる。」


 連宋は真剣な表情でそう答えた。


「重篤ですか……どの程度かは判りませんが、流彗星号なら治療用カプセルがあるので助かる可能性は高いでしょう。海賊に邪魔をされなければですが……。」


 話の途中でサバーブとリランドが着陸艇のコクピットに戻ってきた。


「連宋、カプセルは積み込んだぞ。流彗星号の受入状況はどうだ?」


「丁度良い、流彗星号は今海賊の攻撃を受けている。」


「「何だって!!」」


 サバーブとリランドは身を乗り出す様に驚き叫んだ。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 連宋から話を聞いたサバーブは素早く操縦席に座ると発進の準備を始めた。


「連宋、流彗星号がクラピアを挟んで裏側に来るのはいつだ?」


「今から30分後だね。」


 連宋の言葉を聞いてリランドが拳で自分の手のひらを打つ。


「そうか!裏側で上がれば海賊連中に気づかれないという事だな!」


 しかし、サバーブはリランドの言葉に首を振る。


「いや、それでは駄目だ。裏で着陸艇をあげた場合、流彗星号との合流まで時間が掛かりすぎる。だから着陸艇と流彗星号と海賊船が一直線になる様に上昇する。これなら狙われても流彗星号の斥力フィールドに阻まれる。」


 サバーブは常に着陸艇が流彗星号の影に隠れる様に上昇するつもりの様だ。


「ならわしは強化防護服アーマースーツで出た方が良いな。」


 連宋の言葉にリランドは首をかしげる。


「いや、連宋。それなら俺の方が良くないか?」


「射撃戦になるのならリランドだけど、着陸艇が攻撃される前に海賊船を撃沈できるか?」


「……まぁ、射程の関係で無理だな。」


 リランドの強化防護服アーマースーツは長距離の射撃が出来るといっても駆逐艦の砲撃の射程や威力に勝てる訳は無い。


「と言う事は、相手に気づかれず接近できるわしの番だ。」


 連宋は右手で自分の胸を叩き自信ありげな表情をした。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 着陸艇は轟音を上げ空高く登って行く。

 その着陸艇の上部ハッチの上に長柄の棒状の物を持ち少し大きめの背嚢バックパックを持った強化防護服アーマースーツが一機、膝をつき取り付いていた。

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