星系からの離脱
流彗星号はダイソンスフィア内中心にある恒星の光と音波を使った移動装置でダイソンスフィアから外に出た。
ダイソンスフィアへの出入口は流彗星号が外へ出るのと同時に閉じて行った。
どうやら流彗星号を外に出す為だけに出入口を開いたようだ。
船橋ではサバーブ、リランド、連宋の三人は厄介ごとが片付いて憑き物がおちた様な顔をして座っている。
操縦席に座るサバーブは後ろの船長席に座るミカエルの方へ振り返る。
「よし!後はレルネー1に帰港するだけですね、ミカエルさん。」
ミカエルはサバーブの顔を見ると黙って頷いた。その様子を見ていた連宋は少し首を傾げる。
「でも、ここまでミカエルさんの姿が変わっていると協会でどうなるか……。リランド、港湾で何とかならないのか?」
「それは無理だな。港湾職員が元港湾に融通を利かせる様な連中なら、海賊連中は簡単に商売が出来る。そんなに甘い連中じゃないぞ。」
「うへ、誰だよ、そんなに組織を鍛えた奴は……。」
「ま、俺も少しは手伝ったがね。」
リランドは肩をすくめて答える。彼はこう言っているが手伝ったのは少しではなく殆どと言っても過言は無い。その為、別系列の港湾職員からは煙たがれる存在なのだ。
「連宋君もリランド君もそれほど心配する事にはならないよ。協会への依頼修了認定は端末からでもできる。自分はレルネー1につき次第、地球へ行くつもりだ。」
突然のミカエルの地球行きにサバーブは体ごとミカエルの方へ振り返る。
「地球へ?」
「そうだ。自分には夢がある。それを追いかけにね……。」
そう言ってミカエルは少年の様に笑った。
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流彗星号はダイソンスフィアから離脱後、一路レルネー1への航路を目指していた。
ダイソンスフィア自体がハイパワージャンプの軌道を変えるほどの重力である為、その重力圏から抜ける必要があったからだ。
一路、ジャンプ地点を目指す流彗星号の船橋で連宋が頻りに首を傾げている様にリランドには見えた。
「どうした連宋。何か気になることでもあるのか?」
「いや、たいした事は無いんだけどね。なにかがわし達を見ているような感じになってね……。」
「……監視ね。この船には俺たちしかいないだろ?船体を探知したのか?」
「船内には赤外線などの生命反応の類はなかった。だけど……。」
「何か気になると?まぁ、妙な改造されている船だからなぁ……。何処か潜んでいるのか?」
「潜めそうな場所はすべて探知済みなんだけどね。おっと、サバーブ。あと六十秒でジャンプポイントに到着するぞ。」
「了解。ジャンプポイントの設定を開始する。」
サバーブは前準備であるジャンプポイントの設定の為にパネルを操作する。
「……流石に十八光年のジャンプは無理かな……おいおい、レルネー一近くの小惑星帯近くまで飛べるのか。途中にある恒星の重力はどうなっている……それとも恒星の重力も計算しているのか?」
サバーブが操作すると問題なく二十四光年と言う大ジャンプが出来ることが判った。しかも、前の船では途中にある恒星からの重力の為に小ジャンプを行っていた地点も飛ばせる優れものだった。
(小惑星帯の近くというのが気になるが、最大ジャンプは試しておくべきだな。だが、まず一光年の小規模ジャンプを行いジャンプ機関に異常がないか確かめた上で十八光年のジャンプを試みるべきだな。)
サバーブは方針を決めると連宋の方へ振り返った。
「連宋、まず一光年の小規模ジャンプを行う。ジャンプ機関の準備は良いか?」
「大丈夫。何時でもジャンプ可能だ。」
「了解。百八十秒に小規模のハイパワージャンプを行う。全員シートベルト着用、これよりジャンプのカウントダウンを行う。」
それからキッカリ百八十秒後、流彗星号はハイパワージャンプでその星域から姿を消した。




