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熱源はどこに?

 光の無い暗黒空間に浮かぶ地球型惑星。その地球型惑星に熱を供給している何か。

 その何かが今回の目標である異星人の遺跡の痕跡であるとサバーブは考えていた。


「ミカエルさん。今回の目標となった元の話は“出所が判らないエネルギー”でしたね?」


「そうだ。ここから3光年ほど離れた宙域を通った数隻の船に微弱なエネルギーの反応が記録されていた。それらのエネルギー放出が同じ量と考え観測地点とエネルギーの方向からこの宙域を探し当てたのだ。データーは船の量子コンピュータに記録してある。」


「連宋!」


「OK!スクリーンに出すよ。」


 先ほどまでの惑星の映像は船橋ブリッジメインスクリーンの隣にあるサブスクリーンに移動し、メインスクリーンには記録された位置、時間、方向のデーターが表示される。


「サンプルが少なくて周期があるのかは判断がつかないな。連宋、現在の座標は判るか?その位置とジャンプ前の位置をスクリーンに表示してくれ。」


「了解。これが今の位置。」


 連宋が操作パネルに触れるとスクリーンに流彗星号のミニチュア模型の様なマーカーと今周回軌道に入っている惑星が表示される。


「で、これがジャンプ前の位置。サバーブ、ジャンプ予定位置の表示は?」


「そうだな、判りやすく青色で表示してくれ。」


「了解。それなら現在位置のマーカーを赤、予定位置を青で表示と。」


 船橋ブリッジのスクリーンにはジャンプ前の位置が白く表示され、現在位置や惑星を赤、本来のジャンプアウトの予定位置が青で表示された。


「こう見るとかなりずれているな。」


 本来の位置と現在の位置を見比べてサバーブは顎に手を当てて考え自分の座席の操作パネルから船橋ブリッジのメインスクリーンへ情報を記入する。


「ジャンプでの予定の航路はこの様に直線になる。ジャンプの出現位置を移動させた原因の多くはジャンプ途中にある高重力の天体である。よって出現位置を移動させた原因を仮想点Xからの重力だとする。」


 サバーブは連宋に顔を向けた。


「連宋、ジャンプ前の船の方向と出現後の方向の差は何度ぐらいあった?」


「ちょっとまってくれ……約37.8度だな。」


 それを聞くと現在位置のマーカーを通る37.8度の線を引く。


「今回のジャンプでは出現位置が移動した。しかし、前回のジャンプでは出現位置は移動しなかった。連宋……。」


「前回のジャンプの航路と予定の航路との角度は118度だよ。」


 サバーブは予定のジャンプ前の位置を通る142度の線を長めに引く。


「それでこの位置からの垂線を伸ばすと……。」


 現在位置のマーカーを通り37.8度の線に対する垂線を長く引き142度の線と交差させる。


「ここが仮想点X、ここに高重力の物体がある。おそらく今回の目標だろう。ただ光も何もエネルギーの反応がないのが気になるところだ。」


「サバーブ君、そこまでの距離はどのくらいあるのだね?」


「約0.003光年、流彗星号だと3日ぐらいの距離ですね、ミカエルさん。」


 先ほどまでのマーカーの画像は小さくなってメインスクリーンの片隅に置かれる。船橋ブリッジメインスクリーンには流彗星号から仮想点Xの方角を見た画像に切り替えられた。


「丁度この方向に……。」


「!!!」


 サバーブが言い終わらない内に連宋が頭を抱えてうめき声を上げる。そのうめき声と同時にメインスクリーンに白い光点が生み出された。

明日の二十三日の祭日は休みです。

今後、土日と祭日を休みの予定です。

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