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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは太陽が消える日を迎える

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太陽系連合防衛戦

 太陽系から七十四光年ほど離れたウルス星系に太陽系連合の宇宙艦隊は集結した。

 宇宙戦艦十五隻、宇宙空母八隻、宇宙巡洋艦四十隻、駆逐艦多数の大艦隊である。その大艦隊が宇宙戦艦を前にして横一列に並んでいる。

 その艦隊を見た太陽系連合宇宙軍元帥であるモリヴァル・サンディは額に皺を寄せた。


「予定より艦が少ないが、何処の艦が来ていない?」


「レパード星系方面軍です。」


「レパード星系?確かキスカ中将の艦隊か……参謀はアム大佐だったか?彼らが遅れるとは珍しい。」


「報告によるとジャンプアウトの地点が二光年ほどずれていたそうです。」


「二光年?それはまた微妙な距離だね。単純な人為的なミスなのか他に原因があるのか……ふむ。」


 モリヴァルは艦長席で顎に手をやり熟考する。だがその思索の時間はオペレーターの声で終わりを告げる。


「敵艦隊動き出しました。」


「動いたか!キスカ中将の艦隊は?」


「到着まで後十八時間、ジャンプドライブの起動に時間がかかるそうです。」


「……居ないものは仕方がない。キスカ中将に伝達。連絡があるまでジャンプの体勢のまま待機。参戦する全艦隊に告げる。砲雷撃戦用意!」


 モリヴァル元帥の号令と共に全艦隊が生き物の様に動き始め横一列に並んでいた艦隊はV字型の陣形、鶴翼の陣に変化する。


「イラメカ軍は相変わらず魚鱗の陣か……。」


 イラメカ軍が宇宙戦艦を筆頭に円錐の様な陣形で急速接近する。


「敵艦隊先頭、射程距離に入ります!」


「撃つなよ、まだ早い……今だ!全艦隊砲撃開始!」


荷電粒子砲(プラズマキャノン)発射ます!」


 連合軍の艦艇からおびただしい数の光がイラメカ軍に襲いかかる。イラメカ軍の艦艇からも連合軍に負けない数の光が襲いかかる。

 両者の光は戦艦が持つ大型の斥力フィールドに阻まれ霧散する。


「よし!全艦隊陣形を維持しながら後退。相手との間合いを取る。」


 連合軍の艦隊がゆっくりと後退するのに合わせてイラメカ軍の艦隊もゆっくりと後退する。


「む、追ってこないか……ならば全艦隊微速前進!」


 連合軍の艦隊がゆっくりと前進し始めるとイラメカ軍も同じ様に前進し砲撃を始める。再び連合軍が後退し始めるとイラメカ軍も後退する。


「どういう事だ?何かを待っているのか?」


 戦闘は千日手の様になり膠着状態に陥った。そしてその状態で一日が過ぎた頃、戦場が大きく動いた。

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