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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは太陽が消える日を迎える

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宣戦布告

 流彗星号が所属会社であるサリーレのオフィスがあるレルネー1の宇宙港に帰り着いた時、宇宙港は騒然となっていた。

 エキドナ星系よりもイラメカ帝国に近いテュポーン星系から多くの人が流れ込んできているのだ。

 テュポーン星系に住んでいた多くの人々は更に連合側にあるオケアヌス星系やその先の星系を目指すが、オケアヌス星系やその先の星系に伝が無かったり別星系までの旅費を持っていなかったりする人々がレルネー1に押し寄せたのだ。

 管制室と連絡を取り合っていた連宋がサバーブの方へ顔を向けた。


「サバーブ、通常の入り口は客船で手が回らないそうだ。非常ゲートの三番を開放するからそこから入船してくれとの事だ。」


「了解、非常ゲートの三番だな。……サリーレに一番近い非常用ゲートか。」


 サバーブ達の会社サリーレの総資産はレルネー1では一番になっていた。その為、色々な場所で優先される事が多くなっていた。

 非常用ゲートの使用もその一つであり、このゲート自体サリーレへの忖度の為に設定されたようだ。

 実際、このゲートの近くにあるのはサリーレとスタートレーダー協会、港湾局の出張所ぐらいで後は飲食店街だ。

 レルネー1はシリンダー型のコロニーであり宇宙港の正規ゲートはシリンダー端の中心部に存在する。

 宇宙港に対して非常用ゲートはシリンダーの円周上にありコロニーの回転と同期しているので入り口は常に動いていた。

 サバーブは流彗星号を器用に操るとコロニーの回転に同期させる。


「OK。非常用ゲートと同期させた。連宋、入港用許可シグナルは?」


「とっくに青だよ。しかし器用な物だね。非常用ゲートとの相対速度をほぼゼロだよ。」


「いや、若干ゲートの方へ動く様にしているよ。その方が早く入港できるからね。こうやってちょっと吹かしてやると……。」


 サバーブは流彗星号のエンジンのスロットルを握り軽く吹かした。前へ動く力を得た流彗星号は滑らかな動きで非常用ゲートに入港した。

 流彗星号はそのままサリーレにある専用の港にたどり着くと固定用のアームが下り出入口のハッチに搭乗橋ボーディングブリッジが接続された。

 サバーブ達が搭乗橋を渡りサリーレの本社に帰り着くと多くの従業員が大型モニターを不安そうな表情で見つめている。

 サバーブが大型モニターの方へ目を向けるとモニターの画面には古い時代の貴族の様な豪華な服を着た美女が映っていた。


「こいつはイラメカ六世!」


 サバーブの呟きと同時にモニターの中の美女が口を開いた。


「太陽系連合の愚民どもに告げる。

 過去の過ちを猛省し予に服従せよ。さすれば予が寛大な温情を持って愚民どもに正しい物の通りを教えてやろう。

 この様な単純で明快な事を決めるのに多くの時間は必要ない。

 が、愚民であるが故、多少の時間は必要であろう。この勅令から一週間の猶予を与えよう。

 それだけの時間があればいかに愚民であっても正しい選択が可能である。それだけの時間があっても正しい選択が出来ないのはもはや愚民では無く塵芥である。

 その様な予の慈悲の判らぬ塵芥どもには無慈悲な鉄槌がその頭上に振り下ろされるだろう。」

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