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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは太陽が消える日を迎える

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最初の訪問

 新型防衛艦の視察に出ると決まればサバーブ達の行動は早い。次の日には出発の準備が終わっていた。

 その上、今回は流彗星号の偽装は必要ないとあって出発前の点検も早く終わらせている。

 ここ半年は取締役業が忙しく流彗星号に乗る暇は無かった。

 久しぶりの流彗星号の操縦席に座ったサバーブは感慨深そうに操縦桿を握りしめた。


「この感覚……久しぶりだな。やはり船は良い。連宋、航路の予定はどうなっている?」


「スケジュールを反映させて少し余裕を持たせた航路を設定しているよ。流石にあの過密スケジュールはどうかと思うからね。なぁ、リランド?」


 連宋はリランドに同意を求めるがリランドの反応は薄い。


「ん?そうか?あのぐらい普通だぞ?おれが港湾の時はもっとスケジュールが濃かったぞ?キャサリンへの指導もこのスケジュールの倍ぐらいの密度だったと思うが……。」


((お前が犯人か……。))


 ---------------


 サバーブが操縦する流彗星号が最初に立ち寄ったのはリバーヘッド重工業である。

 リバーヘッド重工業はオケアヌス星系の中にある惑星ドーリス軌道上のコロニーに所在地がある会社であり、中小の艦艇で有名な会社だ。

 その多くは軍用の宇宙駆逐艦、軽巡洋艦であるが中にはそれを民間用に機能を落とした宇宙船を製造および販売を行っている。


 サバーブ達がリバーヘッド重工業を訪れると取締役であるゴールドフラウと販売担当らしいブリッジが仰々しく出迎えた。


「ようこそおいでくださいました。私はリバーヘッド重工業の取締役をしているゴールドフラウと言う者です。こちらは今日のあなた方の担当をさせていただくブリッジという者です。」


「この度貴社の担当をさせていただくブリッジです。よろしくお願いいたします。」


 見るからに好青年らしいブリッジが絵に描いた様な優雅なお辞儀をする。


 ---------------


 担当者であるブリッジは実際に製造される艦艇をモニター画面に出しながら説明を行う。

 ブリッジは説明がわかりやすくサバーブ達が出す専門的な質問にも淀みなく答える。彼はやり手のセールスマンでもある様だ。


「……以上、我が社は中小の艦艇製造を主としています。そしてそれ以外にも特殊な砲を製作しております。」


「特殊な砲?」


 リランドはブリッジの言葉に思わず聞き返した。火器管制を担当するリランドにとって特殊な砲は興味を持つのに十分な対象であった。


「ええ、今までに無い砲とかです。丁度良い、今新型砲の実験を行っているので見に行きませんか?」


 リランドはブリッジの言葉を聞きサバーブ達の方へ顔を向けた。


「どうするサバーブ?新型砲の実験だそうだ。色々と参考になるかもしれないぞ?」


 サバーブはリランドとブリッジの顔を交互に見廻し少し思考の海に身を投じる。

 リランドの言うとおり確かに新型砲に関しては参考になるだろう。しかし、我々に実験中である新型砲を見せる意図は何処にあるのか?やはり反物質がらみでサリーレを取り込もうとする一環なのだろうか?


 サバーブの様子を見たブリッジはサバーブが躊躇する理由を察した様に新型砲を見せる意図を答えた。


「実際、新型砲を見れば判るのですが、今実験中の砲の威力は高いのですが必要とするエネルギー量が桁違いに多いのです。」


 その言葉にサバーブは納得した様に膝を打った。


「……なるほど、それで反物質を融通して欲しいと?」


「ええ、出来る範囲でかまいませんので……兎も角、実験中の新型砲を見に行きましょう。場所は外周部なのですがよろしいでしょうか?」


「流彗星号で移動できれば問題は無い。」


「判りました。それではご案内します。」


「よろしく頼む。」


 ブリッジが乗り込んだ宇宙船に先導され、たどり着いたのはオケアヌス星系の外周部にある実験コロニーであった。

 コロニー自体が新型砲の実験の為にある物らしく関係者以外は立ち入る事は出来ない場所の様だ。

 そのコロニー近くの空間にブリッジの言う新型砲が浮かんでいた。

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[一言] >リバーヘッド カワサキか・・・ あと三菱w
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