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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは太陽が消える日を迎える

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プロローグ

 イラメカ帝国と太陽系連合の国境付近に一隻の宇宙船がジャンプアウトした。

 大きさは五百m程でクジラの様に多少ずんぐりむっくりとした形をしている。この宇宙船はホエール型輸送船”探検者号”と言われ、主に星間貿易で大量の積み荷を運ぶ為に活用されていた。

 その船橋ブリッジでは頭に白い物が目立つ様になってきた船長が航海士の若い男を怒鳴りつけ怒りのあまり頭に被った船長帽を床にたたきつけた。


「おい!フランク!ジャンプアウトの地点が十光年もずれてるじゃねぇか!少し先に進んだから良いてもんじゃねえぞ!ちゃんとジャンプの計算をしたのか?」


「ボウマン船長、私はジャンプ計算をちゃんとしていました。チェックも三度行っています。」


「じゃ、なんでジャンプアウトの位置が十光年もずれているんだ?計算ミスしか考えられないだろう?」


「入力パラメーターは太陽系連合標準の物で間違いないし、計算ミスも見当たらない……おっかしいなぁ?」


 航海士のフランクは何度も計算をするが出る答えは全て同じで変わらなかった。

 使用した基本データーも疑ったが、太陽系連合から出されている最新の物でデーターミスは対応済みだ。


「まぁいい、運良く長くジャンプできただけだ。次はミスるんじゃねぇぞ!」


「了解しました!」


 ボウマン船長は額に皺を寄せながら床にたたきつけた船長帽を拾い上げると被り直した。そして大きく息を吐くと船長席へ深く腰を下ろした。


 この事件を皮切りに原因不明のジャンプミスはこの宙域付近で多発した。

 予定よりも短いジャンプ、長いジャンプ、目的地を大きくそれる、など輸送計画に支障を来す物が多い。しかしこのジャンプミスの原因が何であるか突き止めた者は誰一人としていなかった。

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