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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは源の星へ行く

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資本増額(極)

 ”惑星オケアヌス”へ到着てからのキャサリンの行動は目を見張る物があった。

 流彗星号の出口ではリランド達が降りる前にキャサリンが何時出発しても良い様に待機していた。出口の前で立っているキャサリンにリランドは大きく手を振り急ぎ足で近づく。


「やっときた……リランド、先ずはオケアヌスにある宙域管理局へ行くわよ。……ところでサバーブさんと連宋さんは?」


「連宋は外せない用事があるとかでレルネー1へ先に帰る。サバーブはその移送だ。ところで、先ずは・・・と言うことは他にも行くところがあるのか?」


 キャサリンは少し首を傾げ答える。


「二人はいないのかまぁ、何とかなるでしょう……他に行くところは……そうね、地方局での展開次第かしら?」


 地方局へ着いたキャサリンは着くや否や宙域に十六個ある小惑星デブリの所有登記を申請した。

 小惑星デブリを登録する場合、まとめて申請するのが常でその場合は小惑星デブリ周辺宙域も所有登記の対象になる。


「よし、これであの小惑星デブリはサリーレの所有物になったわ……。次は……。」


 キャサリンが次に取った手は宙域の交通権の為の買い取りである。

 何も無い宙域は本来公の物でありサリーレの様な小さな会社が所有する事は出来ない場所である。

 しかし、その場所にサリーレ周遊の惑星・・などの天体が存在すれば別である。いくらかの金額でその宙域の権利を“買取る”事が出来るのである。

 その為にキャサリンはあの宙域にあった十六個の小惑星デブリの所有登記を行い、周辺の宙域を買取ると言った手段に出たのである。


「ミセスキャサリン……小惑星デブリでの登記は前例が無いことで……。」


「あら?連合法では宙域に何らかの天体・・があった場合と規定されていますよ?」


「そ、それは惑星などの天体を想定した物で……小惑星デブリは……。」


「あら?小惑星デブリは天体では無いと?では採掘用の小惑星デブリもその類いなのかしら?」


「いいえ、そこまで言っておりません。ですが……。」


小惑星デブリも天体ですよね?」


「……」


「?」


「……はい。」


 ついには根負けしたのか担当の職員がおれてしまった。

 前例があまりないことで役人の動きが悪かったが、キャサリンが何かを耳元で囁くと何故かその日のうちに権利を買取る事が出来たのであった。


 ―――――――――――――――


 翌日からは宙域の権利書とオーガスタ博士の報告書を持っての銀行周りである。

 オケアヌスでも有数の銀行である大宇宙おおぞら銀行を皮切りにオケアヌス上に店を持つ超メガバンクをまわる。

 その際にはリランドも同行したのであるがキャサリンの言っていることは半分も理解できなかった。


 次の日は建設関係の会社周りである。

 リランドも後で知ったことなのだが、キャサリンは銀行周りや建設会社周りをする際に母校、ソロリティ学園の伝を十二分に活用していた。

 通常なら会うことが出来ない頭取や会長との商談が出来たのもソロリティ学園の伝があったからこそである。


 リランドが気づいた時には会社の資本が数千倍に膨れ上がっていた。

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