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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは源の星へ行く

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調査地にて

 メインモニターの他の反物質星のデーターを見ていたオーガスタ博士は端末を操作すると近辺の反物質星のデーターを並べて表示させた。


「諸君、見たまえ。古代異星人の技術の高さを……。」


 指し示したデーターには反物質星の大きさと質量が並べられており、それらはほとんど同じ大きさであり質量である事が示されている。


「この様に近辺の反物質星は全て反クオーク星である事が示されている。これは更なる調査の必要が……。」


「お待ちください。オーガスタ博士。」


 更に時間を掛けようとするオーガスタの言葉をキャサリンが中断させた。


「現在の所、必要な調査……”カークランド氏が所有していた宇宙船の難破の原因”は判っております。これ以上調査を続行する場合はもっと綿密な計画が必要であると愚考します。」


「綿密な計画か……確かに今の機材では十分とは言えないな……ふむ。」


 キャサリンの忠告を受けオーガスタはその場に立ち目をつぶったまま熟考する。そして数分後、二、三度頷くと納得した表情でキャサリン方を見た。


「キャサリン殿、あなたの提案に乗ろう。確かに今の機材では十分な調査が出来るとは言い切れない。計画を練り直して再調査だ……その際には……。」


「判っております。再調査の際にはサリーレ所属の流彗星号でお運びいたしますわ。」


 かくして反クオーク星の調査を一通り終えたサバーブ達は入ってきたゲートを通り元の宙域へ戻ってきた。

 流彗星号は至急にある研究所までオーガスタを送り届けレルネー1への岐路に……つかなかった。

 リランドはレルネー1に帰らない理由をキャサリンに尋ねた。


「キャサリン、レルネー1に帰らずに何処に行けというのだ?」


「今、連合のデーターベースを調べたところ、リピーア星系外の宙域の権利は誰も持っていません。その為我々は大手を振って調査できた訳です。しかし今後は簡単に調査できなくなる可能性があります。」


「え?それじゃオーガスタ博士と約束した調査が出来ないのでは?」


 するとキャサリンはリランドに微笑みかけた。


「ですので、あの宙域の権利自体を抑えます。半径一光年ほどの宙域ですので多少出費は多いと思いますが、十二分に元は取れます。その為にもあの宙域を管理している地方局へ行く必要があるのです。」


「宙域管理の地方局か?何処だ、その場所は?」


「”惑星オケアヌス”ですね。」


 ---------------


 リピーア星系から数十光年離れた場所。ここはミカエルが宇宙のオーロラがあると聞いていた宙域の一つである。

 その宙域では太陽系連合とは違った形の宇宙戦艦と宇宙巡洋艦、駆逐艦が何隻か駐留していた。

 どの艦艇にも華美な模様が施されており艦艇の艦長が貴族階級でかなり身分が高い人物である事を示していた。

 その中で最も華美でかつ派手な模様が施されている宇宙戦艦の艦橋ブリッジに観測員である下士官の声が響き渡った。


「時空変動確認、ゲートが出現します!」


 下士官の声と同時に宇宙戦艦の目の前の空間に宇宙ゲートが展開され、展開と同時にゲートからエネルギーの奔流が吹き出す。


「ゲートから大量の反物質確認。各艦押されています。」


 船長席に座る貴族らしい金髪の男が艦長らしい。その艦長が現状を報告してきた下士官に命じる。


「調査用の巡洋艦を逐次突撃させなさい。なんとしてもゲートの向こう側の情報を持ち帰るのです。」


 艦長の命令の下、一隻又一隻とゲートへ突入して行く。

 しかしどの艦艇も反物質の奔流を受け止めきれずに宇宙の藻屑となって消えていった。

宇宙巡洋艦の呼び方

艦ではなく巡艦もしくは巡艦とした方が正しいと言う意見があったが、”宇宙の海を行く船だから巡洋艦”という解釈がなされてそのまま巡洋艦と呼ばれている。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。 [気になる点] これは油田を掘り当てた感じかな?
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