表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは源の星へ行く

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/214

カークランドとの交渉

 カークランド財閥の本拠地である惑星国分水くにのみまくりの軌道上へ来ていた。

 国分水くにのみまくりはリゾート惑星、天水分星マメノミマクリと同じ水戸みなと星系にある惑星であり天水分星マメノミマクリとは違い惑星全球の40%が水域で残りが大きな大陸秋津あきつ大陸である。

 その国分水くにのみまくりの軌道上に浮かぶ宇宙コロニー秋津あきつコロニーに財閥が経営するカークランドカンパニーの本社が、地上の秋津あきつ大陸にカークランド本家が存在した。

 サバーブ達はまず最初にカークランドカンパニーを訪れたのである。


 何時もの様に連宋が管制室との通信を行いコロニーへの接舷許可を求める。一通りの手続きを終えた連宋はサバーブの方へ振り向いた。


「サバーブ、接舷許可が下りたぞ。まず何処に行く?」


「そうだな……ここに来てアリシア嬢に会わないと流石に不味いよな……。」


 サバーブの脳裏には先日のリランドの一件が浮かんでいた。一言も挨拶無しに出航しようとした時のキャサリンの姿とアリシア嬢を重ねてみる。


(間違いなく不興を買うだろうね……。)


 不興を買うだけならまだ良いだろう。次に想像できるのはその事をカークランド提督に訴えると予想でき、その事はカークランド提督の不興もかう事になり頼み事が上手く行くとは考えられない。

 従って”アリシア嬢と先に面会する”一択となるのである。


「……仕方が無い。私はアリシア嬢と会ってくる。リランドと連宋は先にカークランド提督との話をしておいてくれ。」


 そう言うとサバーブはコロニーの桟橋へ接舷する為に流彗星号を操縦する。その時のサバーブの顔は時々口笛を吹き少し上機嫌そうであった。


 ---------------


 リランドと連宋がカークランド提督と面会した時、提督は少し不機嫌な様子だった。その目の前に座ったリランドは軽くお辞儀をする。


「……カークランド提督、この度はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」


「アアそうだね。私はこの後、孫との夕食ディナーがあったのだがその時間が少し短くなるぐらいで特に問題は無いよ。」


 カークランドは口では問題ないと行っているがその顔は実に不機嫌な様子である。


「……どころでサバーブ君はどうしたのかね?」


「サバーブならアリシアお嬢さんの所へ寄ってから……。」


(あ、それは不味い、リランド!)


 連宋が思わず止めようとしたが既に遅かった。


「そうか……アリシアに会いに……。」


 リランドと連宋の目にはカークランドから黒い波動オーラが流れている様に映った。


(……これが提督と言われた人物の胆力!)


 カークランドの前に座るリランドと連宋の二人はその胆力に圧倒され固唾をのむ。

 両者とも荒事には慣れているがカークランドの出す圧に気圧されていた。そしてその圧が極限まで高まりそうになる気配がした時、カークランドの端末が呼び出し音を奏でる。

 無言のままカークランドは端末の回線を開いた。


「……。え?あっそう。なら全員でゆっくりと夕食ディナーを取ろう。そうしよう。」


 そこには数秒前の人物は既に無く、孫バカの爺さまがいるだけであった。


 ---------------


 サバーブ、リランド、連宋の三人はカークランド本家で少し遅くなった夕食ディナーを取っていた。始終和やかな様子で話は進む。数時間前の驚嘆する様な圧は何処にも無い。


「ふむ、それでサバーブ君達が見つけた遺跡は……なんだったかのう、アリシアや。」


「宇宙ゲートですわ。お爺さま。」


「そうそう、その宇宙ゲート。その情報を連合に伝え広めれば良いのだな?サバーブ君。」


「はい。その通りです。もし仮にイラメカがゲートを十全と行かなくても利用できるのならば脅威になるのは間違いの無い事です。」


 サバーブの返答を聞いたカークランドは頷きながらも少し首を傾げた。


「だがサバーブ君。君もそれなりに地位があったのでは無いか?その地位をもってすれば何も私に頼らなくても……?」


 カークランドの疑問はもっともな事である。サバーブは連合での最終的な階級は大佐である。大佐ともなればそれなりの繋がりはあるはずなのだ。


「残念な事に私は撤退戦で昇進した者であまり評価は高くないのですよ。」


「ふむ。撤退戦も重要なのだが……それを軽視するのは全く嘆かわしい事だよ。だが任したまえ、この件は必ず連合内に周知させよう。」


「ありがとうございます。よろしくお願いします。」


「お爺さま。私からもお願いしますわ。」


「うむ。任したまえ。ははははは。私もサバーブ君に頼みたいことがあるからね。」


 孫に頼まれて上機嫌なカークランドの爺さまであったが、ただでは転ばない様である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] Qさんの外堀が埋まりつつある・・・? いやまあ、3人とも実のところ内堀まで埋まってそうではあるんだけども。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ