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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちはスターの依頼を受ける

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高難易度ミッション

 流彗星号のメインスクリーンには宇宙ゲートと十六のゲートを維持する為の遺跡の位置が丸く示されている。

 そのスクリーンを前にサバーブは自分の計画を説明し始めた。


「まず、遺跡を壊すならば内部から破壊するのが一番良い。それこそこの場所で砲撃するのが良い。だが破壊した場合の反動が不明だ。」


 遺跡の破壊を言うサバーブにリランドは疑問を投げた。


「サバーブ、中心のエネルギー源は破壊出来ないのでは無いのか?」


「確かにエネルギー源を守る外殻は破壊出来ないだろう。しかしそこからエネルギーを取り出す部分や伝達部分は破壊可能だろう。」


「……そうか。硬いエネルギー源では無く柔らかい伝達部分を破壊すると言う事だな?」


 サバーブは頷いて答える。


「さっきほども言ったが、内部からの破壊はリスクが大きい。だから……。」


 サバーブはメインスクリーンに映し出された一点を指さす。


「ここを狙う。この遺跡なら外から破壊可能だ。」


 その場所を見たリランドの表情が変わる。


「ここは!……確かに外側から破壊出来るかもしれないな。」


「ああ、現状ではここを壊すのがベストだろう。その為にはリランド、お前の腕がいる。」


 サバーブはそう言うと期待を込めた熱い視線をリランドに送る。それを受けてリランドは胸を張り大きく頷いた。


 ―――――――――――――――


 流彗星号は先ほど居た遺跡とは宇宙ゲートを挟んで正反対の場所へ向かう。

 目的地へ向かう流彗星号の頭上には歪んだゲートの縁がオーロラの様に波打って見える。

 リランドは感慨深そうに波打つゲートを見ていた。


「この波打つ様な歪みが遠くから見るとオーロラに見えるとは……。」


 連宋もリランドの言葉に同意するかの様に見える。


「違う方向から見ると別の物に見える。まぁ世の中そんな物なのかもしれないね。で、サバーブ、探査を行う目標はこの近くの遺跡で良いのか?」


「ああ、この近くの遺跡が探査目標だ。そしてその遺跡には内部へ侵入出来るはずだ。」


「「どう言う事だ?サバーブ?」」


 連宋とリランドの二人が異口同音に尋ね返した。


「簡単な事だ。連宋、例の海賊連中の持っていたリング。あれは覚えているだろう?」


「ああ、やたら強力な威力を持つ砲撃をしていたあのリングだね?」


「それで間違いは無い。実はあのリング自体には攻撃力は無い。あれは小型の宇宙ゲートと言える物だ。」


 サバーブの説明を受けリランドと連宋が少し首を傾げた。


「あれは海賊船の主砲と繋ぐ事で威力のある攻撃が可能になっていた。だから多目的装甲車の斥力フィールドのエネルギーが激減したのだ。」


「なるほど、でもサバーブ。それと次の目的地とはどんな関係が?」


 連宋の質問にリランドも二三度頷く。


「海賊連中は“どこから小型の宇宙ゲートを調達したか?”と言う事だ。」


「宇宙ゲートの調達……それはゲート関連の遺跡……もしや!」


「連宋の想像の通りだ。あの海賊連中は宇宙ゲートの遺跡から小型のゲートを調達したのだろう。おそらくエネルギー伝達に使っていたゲートを転用したと思える。だからゲートが歪んでいるのだ。」


 連宋は感心した様に何度も頷いた。


「そうか、だからゲートがね……まてよ?では海賊連中はどうやって中に入ったのだ?わしらの様に自動的に開くとは思えない。」


「当然、普通に通り過ぎるだけでは開かないだろうね。今日まで何隻も宇宙船が通ったはずなのに遺跡の話が無いとことから考えて通り過ぎるだけでは開かない。」


「……と言う事は初めから開いていた?」


「正解だ、おそらく何らかの事故で遺跡自体のどこかに開口部があるのだろう。」


「サバーブ、その開口部が修理されている可能性は?」


「無いな。仮に開口部が修理されているのなら、ゲートの歪みであるオーロラが観測されるのはおかしい。まだ歪みがあると言う事は開口部がまだあり修理はされていないとなる。」


 話を聞いたリランドはまさかと思いサバーブを見た。


「まさかその開口部から……。」


「ああ、内部を狙撃してもらいたい。距離はそうだな……五百kmもあれば十分だろう。」


 サバーブがそう言った時、モニターにシルビィが映し出され声が上がる。


「全く足りませんね。その距離では流彗星号も爆発に巻き込まれますよ。」


 リランドはモニターに映るシルビィを訝しんだ目で見る。


「どう言う事だ?それは?」


「どう言う事もありませんよ。その砲撃によりゲートを構成する装置が壊れ爆発すると言う事です。ただ流彗星号での安全を考えるのならば距離は一万倍の五百万km。この位の距離が必要ですね。」


 途方もない距離を聞いたリランドは絶句して声も上げる事が出来ないでいた。

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