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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちはスターの依頼を受ける

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答え合わせ(ウォーデン編)

「まず奴、サバーブの目的から言うと“イラメカ帝国の宇宙ゲートの技術力”だ。」


「宇宙ゲートの技術力ですか……。」


「そうだ。まず順を追って話そう。私とサバーブはごく普通・・・・に見える会話をしていたね?」


 サバーブとウォーデンの通信が疑問に思ったのかローズルはウォーデンに問いかけた。


「それでは先ほどの通信は普通では無かったという事なのでしょうか?……!もしや“艦”と言ったのを“船”と直したりするのも……。」


 ウォーデンはローズルの問いかけに頭を上下に動かし肯定する。


「それは最初の軽い牽制だ。サバーブはガングルトの事を知っていて“艦”と言った。その言葉に対して私は船と言ったがサバーブは直さなかった。暗にこの船は『どう見ても戦艦である』と言っているのだ。」


「なるほど。」


 ローズルはウォーデンの説明を聞くと納得したのか相づちを打った。


「次にサバーブが取ったのはこちらがどこから来たのか聞き出そうとした。これに関しては辺境と濁しておいた。この様に言うと更に聞き出そうと具体的な場所をあげてみたりする物なのだがサバーブに気にとめた様子は無かった。」


「ではゲートが何処に繋がっているのかは重要では無いと?」


「おそらく……。次にサバーブは宇宙ゲートを輪と呼称し『そこを通ったのでは』と言っていた。宇宙船に乗った事がある者が何かの影響で見知らぬ空間にでた場合、まずジャンプアウトを考える。トンネルの様な宇宙ゲートを通る事は考えつかない。この様な事を考え付くのは宇宙ゲートを知っている者だけだ。」


「つまり連合は宇宙ゲートの研究をしていると?」


 ウォーデンは頷きローズルの言葉を肯定する。


「ああ、間違いない。それと取り逃がした連中は宇宙ゲートを利用していた。奴らは海賊では無く連合の部隊の一つなのだろう。その事から考えて連合のゲート研究はゲートの開閉が出来るところまで進んでいるとみている。」


「何と!そんな事まで判るのですか?!」


「次に私がゲートについて『一方通行』の可能性をあげた時、サバーブに反論は無かったが一瞬の間があった。おそらく私の言葉がイラメカ帝国のゲート知識からくる物なのか検討していたのだろう。だがその間によってサバーブの狙いが判った。ゲート知識を測っているからこそ出来る間であると判断したのだ。」


「そうだったのですね……では最後の方の貿易船とか言う話は?」


「あれは船が目的では無い。サバーブが今も軍属であるかの確認だ。おそらく軍属もしくは予備役という所だろう……しかし、サバーブが貿易船か……ローズル、普通の船だと思うか?」


「いいえ。おそらく我々と同じ貿易船を名乗る軍艦かと……。」


「そうだろうな……。」


 ウォーデンが艦橋ブリッジでローズルの疑問に答えていると通信兵から報告が上がる。


「流彗星号より現在位置のデーターが届きました。現在地は……え?何だって?!」


 送られてきた内様に戸惑う通信兵にローズルが叱咤する。


「通信兵!早く報告をあげよ!」


「し、失礼しました。現在地は、X5A455、Y59G54、Z1Q542、ウエストランド星系外周部です。」


 通信兵の言葉にローズルは可驚きの声を上げた。


「ウエストランド星系か……我々が出発したダマスカス星系とはイラメカ帝国を挟んで丁度反対側になりますね。」


「うむ、驚きの航行距離だな。宇宙ゲートを制する者は覇者たり得ると言えるな。よし!サバーブの狙いも判明した事だ。このまま帰投する。ガングルト百八十度回頭!」


「イエス・サー!」


 ウォーデンの号令と共にガングルトは船体を回転させると元の宙域までの帰路についた。

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― 新着の感想 ―
[一言] いい具合に勘違いして素直に戻ってくれてよかったw
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