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斥力フィールド

すみません。投稿の日付を間違えていました。

 海賊の軽巡洋艦から発射された高出力ビームの力を借りて流彗星号はさらに加速する。

 一方、高出力ビームを発射した軽巡洋艦は打った時の反動で大きく後退し流彗星号との距離が更に開く。

 驚いたことにサバーブは流彗星号の加速を止めて慣性航行に切り替えた。速度が上がらない流彗星号に軽巡洋艦からの高出力ビームが再度襲い掛かる。

 しかし、前回のビームの反動で後退していた為、軽巡洋艦からのビームは前の攻撃ほどの威力はない。ただ単に流彗星号の速度を上げただけになった。


「もう一二撃あるとありがたいのだけどね。さすがに無理か……。」


 サバーブは砲撃による加速をあきらめ流彗星号を自前の推進ユニットで加速させる。


「た、助かったのか?しかし、すごい衝撃だった……いったいどうやって?サバーブ君?」


 ミカエルは腰を抜かしたのか船長席に押し付けられたような恰好のままサバーブに尋ねた。


「宇宙船にある斥力フィールドを利用したのですよ。」


「斥力フィールド?」



 斥力フィールド

 宇宙を航行する船が最も損害を受けるのは海賊など他の船からの砲撃ではない。宇宙に浮かぶゴミ、岩石などのスペースデブリと言われる物から受ける損害の方がはるかに大きい。

 例えば光速に近い速度で船が飛んでいる時に小石に当たったと仮定しよう。

 たとえ小石の速度が0でも光に近い速度で飛ぶ船に当たる場合、船から見ると光の速度で小石が当たった事と同じである。当然そのような速度で小石が当たると船に大きな損害を与える。

 従って、その様な物を排斥するための装置が斥力フィールドと言われる装置なのだ。



「その斥力フィールドは触れるものをはじく性質があるのです。それは同じ斥力フィールドも例外ではありません。軽巡洋艦の斥力フィールドに正面からズレた位置で当たることで船を別方向へ弾き出したのです。」


「なるほど、それで流彗星号を加速させて相手に突撃したのだな。」


「その甲斐もあって何とか逃げることが出来ました。あの編成なら軽巡洋艦……大きい方の船以外はこの船に追いつけないでしょう。」


「どう言う事だね?小さい船の方が早いのでは?」


「確かに小さい方なら通常航行はこの船よりも早い。ですがジャンプ機能が違いすぎます。この船ならジャンプで五光年の距離を飛べますが小さい方が出来るジャンプは一、二光年なのです。小さい方が追いつく前にこの船はジャンプできるので追いつけません。大きい方はこの船以上の距離を飛べますけどね。」


「大きい方だけでは追いかけてこないと?」


「ええ、あの編成の艦隊なら間違いなく追ってこないでしょう。」


 サバーブには海賊の編成に覚えがあるようだった。


 その後、微妙に方向を変えたハイパワージャンプを二回行い海賊が追ってこないことを確認し一同は安堵に息をついた。

 流彗星号は今、ティフォン星系を離れ未探索遺跡があると言う地点へ向かっていた。


「さて、海賊の追手は来ていない様だな。ま、駆逐艦ならジャンプ二回で引き離せるから一安心とみていいだろう。今現在いる場所は目的地点まで中間距離と言える場所だ。話を聞くのに丁度いい位置だろう。」


 サバーブはリランドや連宋を一瞥するとミカエルに向き直った。


「ミカエルさん。あなたはどの様な方法で未探索遺跡の情報を掴んだのですか?」


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