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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちはスターの依頼を受ける

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海賊達の災難

 サバーブ達が宇宙ゲートの遺跡内を探索していた時、海賊達は自分たちの拠点アジトで寛いでいた。


「三日もかかったが、ようやく修理出来たか……やれやれひどい目に遭ってしまったぜ。」


 海賊の親分であるキョウツは少し大きめのソファに深く腰を下ろすと交換したばかりの絡繰腕マシンアームの右腕で様々な動きをする。どうやら絡繰腕マシンアームの調子を見る為に色々な動きをしている様だ。


「……取り替えた絡繰腕マシンアームに問題は無い様だな。アームの予備があるから良いがあのリングは……又取りに行くか?」


 ため息を吐くキョウツに部下の一人が声をかける。


「親分、あれでしたらウエストランドに残ったコクウの旦那に頼めば何とかしてくれませんかね?」


「それは駄目だな。あいつに例の場所を教えるって事はここを教えるって事だぜ。奴のセコイ性格を考えると例の場所の情報や俺たちを連合本局に売るだろう。そんな危ない橋は渡れねぇな。奴は鼻薬を嗅がせているだけで十分だ。」


 キョウツは連合星系の元軍人でもあるコクウを信用していなかった。コクウ自身の実力はたいしたことが無いのだが何かの拍子でいらぬ連中(今回の様な)から目をつけられたく無いと考えていた。


「兎も角、この拠点アジトには連合だろう何だろうと教える訳には行かないね。」


「じゃあ、クライアントの方はどうします?」


 ソファの上に寝転がるとキョウツは手をぶらぶらと振って答える。


「ほおっておけ。入るかもしれないと言ったが、入るとは言っていない。」


「へい、わかりやした。で、親分この後どうしやす?」


「流石に派手に捕まったからな……ほとぼりが冷めるまで……。」


 何かを言いかけた時、拠点アジト全体に緊急警報が鳴り響く。キョウツはソファの上から慌てて飛び起きた。


「何だ!何が起こった!」


「親分大変だ!緊急接近する宇宙船がある!!イラメカの軍船だ!」


「何だとっ!くそっ!この間からツイていない!」


 キョウツは地団駄を踏んで悔しがると慌てて海賊船へ駆け込んだ。しかし、そうやっている間に一隻又一隻とイラメカの軍船がジャンプアウトする。

 そして終には弩級宇宙戦艦であるプルーニアも出現した。プルーニアは全長3,000mもあるイラメカ最大の軍船である。

 プルーニアは出現するとゆっくりと海賊達の拠点アジトへ艦首を向けた。同じ様にジャンプアウトした宇宙船も海賊達の拠点アジトへ艦首を向けつつあった。


「!不味い!奴ら問答無用で撃つつもりだ!出せ!早く船を出せ!」


「出せって、親分。船を何処へ向かわせるんですか?この船はジャンプドライブがないのですぐに追いつかれますよ?」


「そんな物ゲートで移動すれば良いだろう!ゲートの先は連合内だ、奴らも迂闊には攻撃出来まい。」


「ゲートは三日前にあいたばかりだからしばらくは開きませんぜ?」


「くそがっ!」


 だが次の瞬間、信じられないようなことが起こった。今まで十日に一度ぐらいの間隔でしか開かなかった宇宙ゲートが開き始めたのだ。

 そのゲートを前にしてキョウツは安堵の表情を浮かべた。


「よし!これで逃げる事が出来る!野郎ども!あのゲートへ飛び込め!全速力だ!」


 キョウツは全速力を命じるが宇宙船の速度は簡単に上げて良い物ではない。宇宙空間に浮かぶ小惑星デブリの位置を把握した上で慎重にコースを飛ばなくてはならないのだ。

 だがそんな慎重さはイラメカ軍から逃げようとするキョウツには緩慢な物に映った。


「遅い!このままでは追いつかれる!かせっ!」


 キョウツは手下から操縦桿奪い取ると乱暴に操船し始めた。


「お、親分、そっち側は三年前にヤスが突っ込んで行方不明になった歪みのある場所じゃ……。」


「何だと!早く言え!」


 慌てて宇宙船の舵を切るが全ては遅すぎた。海賊連中は宇宙ゲートの歪みに突入したことで本来とは異なる場所へ移動した。

 移動した彼らが歴史の表舞台に現れるのは数百年後の時代の事である。

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[一言] ゆ、歪みこぇぇ
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