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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちはスターの依頼を受ける

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宇宙ゲート その2

 宇宙において天体が球形になるのはある一定の重力がある場合である。しかし、発見した小惑星デブリは直径十kmと小さく球形になる程の重力はない。その上、完全な球形である。

 これはどこからどう見ても不自然な小惑星デブリなのだ。


「まず一つ目だ。おそらく小惑星デブリ帯の中にもまだあるはずだ。小惑星デブリ帯に沿って探索を続けよう。」


 一つの不自然な小惑星デブリを皮切りに他に一五個の球状の小惑星デブリが見つかった。連宋の操作で小惑星デブリの詳細な観測結果がメインスクリーンに表示された。

 メインスクリーンには宇宙ゲートとその周りに球状の小惑星デブリが十六個あるデーターが図示される。図示されたデーターを見たサバーブが拳を握りしめ小さくガッツポーズを取った。


「宇宙ゲートの周囲にある直径十kmの完全な球体、それが十六個ある。……間違いない、これは異星人の遺跡、ゲートに関わる物だ。」


 同じ様に図示されたデーターを見ていたリランドがサバーブに声をかける。


「ところでサバーブ。どの遺跡を調査する?当然、乗り込むのだろう?」


 周囲を見回すとリランドだけで無く連宋、ミカエルそしてハンニバルもリランドに同意するかの様に頷きサバーブの言葉を待っていた。


「どれも全て同じ直径十kmの球体、それならば一番近い場所にするのが効率的だろう。」


 ---------------


 一番近い場所、最初に発見した宇宙ゲートの遺跡に流彗星号は近づいて行く。流彗星号の大きさに対して直径十kmの遺跡は巨大な要塞の様に思えた。


「よし、巡航速度のままゆっくりと遺跡の外周を廻るぞ。連宋、遺跡に何か反応が無いか観測を頼む。」


「OK……今のところ何の反応も無い。」


 そんなサバーブ達の様子をじっと見つめる目があった。


(やれやれ、手間のかかる人達ですね……。)


 流彗星号のAIであるビィことシルビィは自らの持つ定期通信用の通信回路を使い目の前の遺跡、宇宙ゲート内の端末に接続する。


(……と、おや?一部のゲート端末に異常がでていますね。外壁及びエネルギー供給ラインの破損。流星メテオの衝突による破損のようですね。破損は約千年前、流石に建設から年月が過ぎているので修理用の資材を調達出来ませんか……。)


 どうやら宇宙ゲートの端末の一部に障害が起きている様だ。


(この場所の入り口は開けておきますよ。さて、彼らはどうはするのでしょうか?要観察ですね。)


 シルビィは遺跡の入り口を開けると再び観測のために機能を集中させた。


 ---------------


 流彗星号がゆっくりと外周を廻っていると突然遺跡の一部が開き始めた。


「サバーブ、遺跡に反応がある。一部が開き始めた様だ。大きさと形状から考えて宇宙港ドックの様に見える。」


 連宋からの報告にサバーブも目視でその場所を確認する。


「OK、こちらも確認した。確かに宇宙港ドックだな。よし、あの場所に着船させよう。」


 サバーブが流彗星号を宇宙港ドックの桟橋の様な場所に近づけると桟橋から移動用の通路が延びてきて流彗星号の搭乗口と接続する。

 接続時に軽い振動が起こった事でハンニバルは座っていた場所の周囲を見回した。


「い、今のバイブスは一体!?」


 キョロキョロと辺りを見るハンニバルにサバーブが声をかける。


「搭乗口に通路が接続したのでしょう。ほら、宇宙船や飛行機にあるあれですよ。」


「Why?いやここは遺跡でしょう?」


 ハンニバルはサバーブが何を言っているのか判らないと行った顔をした。


「この流彗星号自体、遺跡関係の部品を使っているからね。おそらくそれに反応したのでしょう。……我々は強化防護服アーマースーツで移動しますので、ハンニバルさんとミカエルさんは宇宙服に着替えてください。」


「ラ、ラジャー。」


「了解。」

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