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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちはスターの依頼を受ける

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海賊の隠し武器

 海賊の親分が突き出した腕の肘辺りを触ると円盤状の物は少し大きくなる。掌に収まる大きさだった円盤が人の頭程の大きさに拡大した。


「今だ!撃てっ!」


 海賊の親分が自分の端末に向かって叫ぶ。それと同時に連宋の強化防護服アーマースーツがその場から飛び退き多目的装甲車の影に隠れた。


「「?」」


 何も起こらない事で少し気を取られていると空気が割れる様な音と共に円盤状の物から光がほとばしる。

 円盤からあふれた光は多目的装甲車の斥力フィールドを剥ぎ取って行く。


「フィールド発生装置のエネルギーが減ってゆく!なんて威力だ!」


 サバーブの目の前にあるエネルギーメーターが猛烈な勢いで減っていく。斥力フィールドは弾く物のエネルギーが多ければより大きなエネルギーを必要とする。

 目に見えてエネルギーが減るという事は海賊の親分が放った砲撃がいかに大きいのかを示していた。

 サバーブは減ったエネルギー量を見て額に皺を寄せた。


「不味いな。一度の攻撃でエネルギーを半分以上持って行かれた。次に攻撃を受けるとこの車では保たないぞ……。」


 窓の外では海賊の親分が勝ち誇った顔で再び掌をサバーブ達の方向へ向けた。


「ぐへへへへ、俺たちをナメてやがるからこんな目に遭うんだぜぃ……。あの世に行って後悔するんだな!」


 海賊の親分は掌を多目的装甲車の方へ向け円盤を出現させる。


「よし今だ……何っ!荷電粒子砲プラズマガンが撃てない?それなら振動発振光線砲パルスレーザーでも持ってこい!」


(撃ってこない?……何だ?奴は何処と通信しているんだ?)


 海賊の親分は掌をこちらに向けたまま砲撃を行わず何処かと通信している様だ。その様子を見たサバーブは連宋への通信回線を開く。


「連宋!」


「判っている!」


 連宋は未だに砲撃を行わない海賊の親分に接近しようと多目的装甲車の影から飛び出した。強化防護服アーマースーツのスラスターが出す音に気がついた海賊の親分は掌を接近しようとする連宋に向け直した。


「馬鹿め!こちらはとうの昔に用意出来ているんだよっ!今だ!う……。」


 海賊の親分が“撃て”と言い終わらないうちに連宋の強化防護服アーマースーツから手に持った十文字槍が投擲された。

 投擲された槍は強化防護服アーマースーツで増加された力も加わり掌の円盤に吸い込まれて行くかの様に見えた。

 しかし、ガラスが割れる様な音共に円盤が割れ海賊の親分の掌から槍の柄が伸び、十文字槍の突き出た刃の部分がその場に音を立てて転がった。


「うがっ!わしの絡繰腕マシンアームが!」


 海賊の親分は槍が突き刺さった腕を押さえその場にうずくまる。腕は機械仕掛けの腕だったらしく槍が突き刺さった事で放電が起き、所々から煙が上がっている。

 連宋はゆっくりと海賊の親分に近づくと槍の柄を持ち力強く引き抜いた。


「む?これは……。」


 引き抜いた槍は口金とその近くを残すぐらいで穂の大部分が消失している。連宋が地面を見ると十文字槍の穂から突き出た刃の部分が落ちていた。

 連宋は落ちている刃の部分を拾い上げると切り取られた断面を観察する。


「……きれいに切り取られたかの様な断面だな。」


 立ち上がると今もうずくまる海賊の親分に目を向ける。


「判らない事はこやつに聞くしか無いか……。」

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