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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは学園に行く

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捜査開始

 サバーブ達がアリシア嬢救出の為、ハイラート星系へ向かった頃、惑星モータビア上に残ったリランド達は内通者の捜査を開始した。

 外との繋がりを極力断っているソロリティ学園において特定の令嬢を誘拐するという行為は内通者の存在無しではあり得ない事である。

 ソロリティ学園によってあてがわれた一室でリランドとキャサリンは捜査の方向性について意見を交わしていた。


「意識的、無意識に関わらずどの様な方法で情報を漏洩させたかだな。」


「状況と言動から見て怪しい人は判るけど……。」


 キャサリンは特定の誰かを言おうとして言い澱んでしまう。


「何か気になる事でも?」


「ああ見えて、その先生、セリア先生は改革派のメイシー先生とは違い保守派の代表。でも学園に深い愛情を持っている人よ。そんな人が学園生の誘拐に加担したとは考えられないわ。」


「保守派か……。」


 キャサリンの言葉にリランドはセリアの行動について思いを巡らせていた。


「……うむ。判らん。」


 そしてあっさり諦め立ち上がった。


「元より少ない情報から推理するという方法は俺には合わないし、無理だ。」


「リランド、いったい何処へ?」


「捜査の基本は()だろう?」


 そう言ってリランドは軽く足を叩きニヤリと笑う。


「まずは本人に聞いてみるのが一番だ。」


 リランドはセリア自身に直接問いただそうと考えている様だ。しかしそのリランドの行動にキャサリンが待ったをかける。


「ちょっと待ってリランド。先ほども言ったけどここは男子禁制。リランドが直接会うことは無理ね。会っても先ほどみたいになるわよ?」


 キャサリンは先ほどリランドに詰め寄られた女性職員を思い出していた。


「?先生なら大丈夫だろう?さっきも普通に話せていたと思うが?」


 リランドが首をかしげる様子を見たキャサリンはため息を吐く。


「リランドは先生のすぐ側まで行ってなかったわよね?手が届くぐらいの距離まで……だから大丈夫だったのよ。」


「え?そんな?何年もソロリティここだけで過ごしている訳では無いのだろう?」


「リランド……ここの先生のほとんどはソロリティのOG……ソロリティの大学校を卒業してそのまま高等部や中等部の先生になった人がほとんどよ。」


「と言うことは……。」


「箱入り娘ならぬ箱入り先生と言った所かしら?その中でもセリア先生は幼年部からだから筋金入りよ。」


 リランドはキャサリンの言葉を聞いて頭を抱えた。


「そうか……それなら聞き出すのはキャサリンの役目だな。ビィにも何か頼もうと考えたが船から離れた影響か眠ったまま起きる様子が無いな。確かスリープモードだったか?」


「こう見ると寝ているだけの幼児に見えるわ。……でもスリープモードが解除されるまでビィと意思の疎通は無理ね。」


 キャサリンはリランドの方を見ると肩をすくめた。


「そう言う訳で、セリア先生へは私がお伺いします。」


「なら俺は学園に来た外部からのメールを調べるか……。数はあるが、ここ最近に絞ればなんとかなるだろう。」


 リランドは安請け合いをする。しかし一時間後、この事を後悔するとは考えもつかなかった。

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