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三匹が宇宙をゆく!ーおっさんの悠々自適なセカンドライフだったと思うのだが何か違う気がする。ー  作者: 士口 十介
おっさんたちは学園に行く

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惑星ハイラート侵入

 流彗星号が惑星ハイラート軌道上に出現するとハイラート軌道上に設置された防衛システムが起動し、地上にある防衛基地のアラートが鳴り響いた。

 これは侵入した敵を迎撃するだけの物ではない。惑星上に落下し致命的な被害をもたらす可能性のある流星などを防ぐ為の物でもある。当然、ジャンプ事故による宇宙船が墜落する場合も想定されている。

 流彗星号の突然の出現はジャンプ事故による宇宙船の出現と認識されていた。

 その為、ハイラートの防衛システムはいつでも流彗星号を撃沈できるように荷電粒子砲プラズマキャノンの照準を合わせる。

 当然、防衛基地内では突然のアラートにその場に居合わせたものが騒然となった。


「軌道上に宇宙船出現!おそらくジャンプ事故です!」


 公式、非公式問わず惑星軌道上にジャンプしてくる宇宙船は今まで無い。その為、流彗星号のジャンプは事故として認識された。


「該当宇宙船、航宙管制用自動応答装トランスポンダー置の反応がありません。」


「所属不明か?……厄介だな。」


 防衛基地の司令官は少し考え込むと部下に指示を出した。ジャンプ事故とは言え問答無用で宇宙船を撃沈させることは太陽系連合の法律上許されていない。撃沈が許されるのはあくまでも甚大な被害が予想される場合である。


「現在該当宇宙船はハイラート衛星軌道上を周回している。防衛部隊はそのまま待機せよ。ハイラートに降下の兆しがあれば撃沈してもかまわない。」


 宇宙船がハイラートに降下しそうになれば撃沈する。これが基地司令に出来た妥協点だった。


 ―――――――――――――――


 たった今、ジャンプを終えた流彗星号ではサバーブが発進シークエンスに入った。同時にビィがハイラートの管制コンピューターに侵入し飛行許可を得る。次のジャンプの為の準備に入っていた連宋はサバーブに発進の進捗状況を尋ねた。


「サバーブ、準備は良いか?」


発動機エンジン出力異常なし、各計器正常。何時でも発進出来る。連宋、目標地点の現在のデーターをくれ。」


「……目標地点は”レプリカ・アントーンマント・チャーチ”、現地の状況は晴れ、周辺にも何機か飛んでいるから注意してくれ。」


「了解!これより発進する!サバーブ、機動型強化防護服(モビリティアーマースーツ)……名前は……スカイグライド、出ます!」


 サバーブは機動型強化防護服(モビリティアーマースーツ)のスロットルを軽く開く。機体が少し揺れその直後にカタパルトの力が加わったのか機体を加速させた。

 通称、スカイグライドは瞬く間に時速二万五千Kmに達した。


「何という速度だ!しかしあまり加速を感じなかったな……。」


「当然です、その機体は慣性制御機構が入っていますので……と言うよりも変形機構を入れる上で組み込まざるを得ませんでした。それとサバーブ、惑星ハイラートに突入する時は斥力フィールドを張ってください。張らないと一瞬で燃え尽きてしまう事になります。」


 サバーブはビイからの説明と忠告に翼を上下に振って合図を行っていると連宋からの通信が入る。


「サバーブ、発進の際に辺り一帯にジャミングを発生させたからまだ捕捉されていない。今飛行している地点から惑星ハイラート軸方向四十度の位置に宇宙港がある。その下をくぐり抜けて惑星ハイラートに突入すればなんとか誤魔化せると思う。」


「……誤魔化せなければ?」


「気合いでよけてくれ。GR2の一周目の様にね。」


「連宋、お前の例えは判りにくいよ……。」


「ははははは。オールドデーターのゲームの話だからな。まぁ、気合いでなんとかしてくれと言うことだ。」


 連宋の言葉にサバーブは億劫そうにため息を吐く。


「了解。宇宙港経由で惑星ハイラートに突入する。目標地点は北緯41度24分13秒、東経2度10分28秒……。」


 サバーブは機体を宇宙港の方角へ機体を向けるとスロットルを更に開いた。

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