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第2話



ゲオルク王の元に報告が入っていた。


「勇者エリアス殿がおられたオオトカゲの飼育場に、山賊が入り込み施設を破壊、従事者ともに生存者なしとの報告が上がってきております。」


ゲオルク王は、長い顎髭(あごひげ)をさわりながら言った。


「はて、だれじゃったか・・・・・・ああ、あのハズレ勇者か、よいよい、定期的に現れるハズレ勇者ほど迷惑なものはない。また、新しい勇者を待つしかないか。遅かれ早かれ勇者は死ぬ。今まで生きて戻れたやつはいないからの。今回の3人は、武器スキル保有者で優秀じゃ。次も武器スキル保有者なら助かるのじゃがな。」


ゲオルク王は、興味なさげ兵士を下がらせた。




 「あ~あ、なんでこうなっちゃうんだろう」


 エリアスは、照りつける太陽を馬車の上で見上げていた。

オオトカゲにつながれ馬車は、木製の檻で囲われており、手には木製の(かせ)がつけられ逃げられないようになっており、布切れを首から通しただけのような汚い服をきせられていた。


 隣には、少女が同じように手に木製の(かせ)がつけられ、布切れ一枚の服を着せられ色白の肌から大きな胸が横から見え馬車の振動で揺れていた。

少女は、ラシェルと名乗り、外見は14歳ぐらいで長くシルバー美しいが腰までのびており、眉がややきつめな印象があるが、大きなエメラルド色の瞳が特徴的である。


 エリアスは、屈強は兵士を倒したまでしか覚えておらず、少女の話では、オオトカゲ数匹が戻ってきて乗せて運んでくれていたようだが、途中で奴隷商人に捕まったようだった。


 「ねぇ、ラシェルがドラゴンで、おれに力を与えたってことでいいのかなぁ」 


 「そうよ。もう力は、エリアスに受け渡したから、ほとんど残ってないわ。私とエリアスは、力の共有をはたしたことで契約は完了し私の眷属(けんぞく)となり騎士として生涯に渡って守りなさい」


 ラシェルは、嘘も交えながら説明をしていた。


 「私が、怪我で寝込んでいる間に体をさわりまくっていたでしょ・・・・・・わたし死ぬほど恥ずかしかったんだから、責任・・・・・とりなさいよね・・・・・」


 ラシェルは、看病されているときの事を思い出して、エアリスにもたれかかると大きな胸をエリアスの腕に押し付けながら、顔を赤らめた。



 「エリアスは、もう半分は竜人になったのよ・・・・・・人間じゃなくなっちゃったのよ。怒ってない・・・・・・の?」


 ラシェルは、申し訳無さそうにうつむき加減で離していた。


 「あはは、この世界に来てから、面白いことなんてなかったからなぁ。やっと、なにか始まる感じがするんだ。 なんで、わけのわからないところに連れてこられて爬虫類の飼育で生涯おわらないといけないんだよ」


 「この世界? 爬虫類の飼育?」


 ラシェルは、眉をひそめてエリアスの顔を見ていた。


 「街についたら逃げようか。木造の檻なんてすぐに壊せられるけど、地図もないし町の場所もわからないから、しばらくは、大人しくしてくかぁ」


 奴隷商人の馬車は、隊列を組んで道なき道を進んでいた。





 小高い丘には、オオトカゲに装飾の施された馬具が取り付けられ、その上には、装飾のされた軽装な鎧に丈の短いスカートをはき大きなランスを持った人物がいた。


 金髪の髪が一つくくりにされ、綺麗な青い瞳が印象的な16歳の少女が凛々しく馬にまたがっていた。


 一人の女性兵士が近づいてくる。


 「シュトロイベル隊長! どうやら、奴隷商の一団のようです。闇のほうでしょうけど・・・・・・我々は、先を急いでいますがどうされますか?」


 「知れたこと! 奴隷を開放するぞ! 全員剣を抜け! 突撃!!」


 (あぶみ)を踏み入れると甲冑をきた一団が隊列を組んで駆け始めた。


 「私は、アーシェ・シュトロイベルだ! 武器をすてろ! 奴隷商人の頭取はだれか!」

 

 奴隷商人の馬車は、それに気がつくと速度をあげて走らせたがすぐに追いつかれ混戦となっていった。

奴隷商人の馬車から屈強な護衛が次々と飛び降りていき刃を交えていく。


 金髪のオオトカゲにまたがるアーシェが声を張り上げる。


 「相手は、戦い慣れていない! 一気に畳み掛けるぞ!」


 甲冑の兵士たちは、声を上げて刃を振り下ろし商人たちの護衛は、武装した騎士に叶うはずもなく倒されていく。


 「ラシェル、そろそろ逃げようか・・・・・・うわああああ なんだあれは!!」


  地響きとともに地面がさけ、巨大で長い生物があらわれ無差別に人間を食べ始めた。

 エリアス達が乗っていた馬車も激しく横転した。


 「ワームだ!! 巨大ワームがあらわれたぞ!」


 巨大なミミズ状の生物は、10メートルぐらいの半身を地中から出すと、馬車ぐらい丸呑みできる喉の大口をあけ、歯は、幾重にもあり回転し食べられた人間は血しぶきをあげ飲み込まれていく。

装備した女性兵士が剣を振り下ろすが、表面がぬめってすべりキズすらつけられなかった。

 

 巨大ワームは、舌とも内蔵とも言えない細い器官を口から伸ばすと、次々と女性兵を捉えては、昨日に鎧と服を剥ぎ取り飲み込んでいく。



 「私が足止めをする! 体制を立て直せ!」


 束ねられた金髪の髪を揺らしながらアーシェは、巨大ワームの前に立ちはだかった。


 「闇を突き抜けろ! 光月多段突き(サンシャインアロー)


 アーシェが、大きくランスを後ろに引き突き放すと光を放ち無数のランスとなってワームを攻撃した。

数発が巨大ワームに命中し肉をえぐる。

だが、致命傷をおわせられず地面をえぐりながら暴れると、地面埋まっているしっぽが地面に現れ、そこにも巨大な口を開き舌が活きよいよく飛び出ると少女に当たり、鎧が吹き飛び、服が破けて胸があらわになりながら大きくのけぞり倒れた。

 

すかさず、ワームの細く長い舌が体に這いずり締め上げた。

鎧が剥がされ服が裂けて胸があらわになり、先までの隊長風の声から、少女の声と代わりか細い悲鳴をあげていた。


 巨大ワームが倒れた巨大な口を広げてアーシェに襲いかかった。


《上位互換スキル 人獣化形態》


 エステルは、獣人化を抑えるのに気をつけながら、筋肉がもりあがり髪の毛が逆立つと爬虫類の瞳へと変わっていく


 エリアスは、拾った剣を握り締めると縦長い蛇のような瞳で巨大ワームを睨みつけた。

巨大ワームは、一瞬その気配に驚き止まった。

エリアスは、アーシェに絡みついている舌を切り裂くと、胸に抱きかかえ地面に優しくおろした。


 「ちょっと、待ってな。すぐ、片付けるから」



 舌を切きられ、その巨体を激しく地面に叩きつけ振動と砂煙が舞い上がる。

エリアスは、躊躇なく飛びかかると一撃で首を切り落とし、尚も暴れ狂う胴体にを切り刻んでいった。


 周りにいた、生き残った兵士たちは時間が止まったかのように、その光景を呆然と見ていた。


 「だいじょうぶかい? 怪我はない?」


 エリアスは、手を差し出した。


 アーシャは、差し出された手を握り、はだけた胸を隠しながら立ち上がった。




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