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プロローグ



 「起きろ! いい加減、起きないか!」


 男は、目をこすりながら頭をあげ、驚き立ち上がった。


 そこには、広いテーブルを取り囲むように人が座っており部屋の端には、中世風の鎧の兵士が立っていた。

テーブルの端には、豪勢な冠をかぶって白髪の長い髪に立派なひげを携えた人物がこちらを睨みつけていた。


 黒髪で髪の毛は長くなく、日本人の平均的より上な顔立ちの少年が目を覚ました。


 「えっ!? どうなっているの!? どこだよ??」


 少年は、立ち上がり周りを見回すと自分の若返っている体を見まわしていた。


 「落ち着きたまえ、勇者殿。 ここに集まっているのは、召喚された勇者立ちじゃよ。我が王国を守ってもらうために集まってもらったんじゃよ」

 

 「あんたはだれだ・・・・・・おれは、一体!? 名前が思い出せない」


 「いつものことじゃ。ここに初めて目を覚ました勇者は口を(そろ )えたように同じことを言う。知りたいことは話してやろう」


目の前の王冠を冠った男性は、ゲオルク王と名乗り、ここはオルシェル王国。

服は、異世界の服を元にした学生服のような感じでアレンジしている。

年齢は10代後半にもどっている。

個人が分かる情報や一部の記憶はなくなっている。


勇者は、召喚されると固有スキルが寄与される。

勇者は、突発的に発生する災害(ミッション )に集まれば後は自由。

国の益になることなら、それなりの給金は出る。



  机を激しく叩くと赤毛の少女が立ち上がった。


 「ちょっとまって! 元の世界には戻れるの!? いやよ! こんな古臭い世界で死ぬのは! スマホもネットもないんでしょ!」


 少女は、涙ぐみながら訴えていた。


 「ほほほ、災害(ミッション )をこなしていけばポイントが寄与される。それが貯れば帰れるはずじゃ。ミッションは、教会から直接勇者たちにどこにいても分かるようになる。まぁ、いやなら、この古臭い世界で野垂れ死ねばいい」


 ゲオルク国王は、少女を睨みつけ、その視線に圧せられるかのように少女は椅子にすわった。


 少年が声を挙げた。

 「なんで、おれ達があんた言うこと聞かなきゃならないんだ。俺たちは、同意もなく連れてこられたわけだし、返してくれよ!」


 「ほっほっほっ、覚えておらぬか? ここに来る前にサインしたじゃろ。魔法契約に、魔法を司る者なら知っている絶対順守の契約に」


 ゲオルク国王が杖を激しく床に打ち付け立ち上がった。


 「最後に、その巨大なスキルを使用し国王に歯向かうものなら、呪いが発動し魂に刻印された魔法が未来永劫に渡って痛み苦しあたえるだろう」


 部屋は、重たい空気となり沈黙が支配していた。


ゲオルク国王手を顔の前に組み笑みを浮かべた。


 「勇者立ちよ、そろそろ顔合わせも兼ねて自己紹介をしてもらおうか。目に意識を集中すればステータスが見られるはずじゃ、この世界ではごく一般的なことじゃ。そこに名前と得意スキルが書いてある。召喚された際、常人を遥かに凌駕する力が寄与される。一人づつ教えていってくれないか。スキルに合った武器を準備させよう」


 髪の毛の長い男が活きよいよく立ち上がる。


 「はいはい! まずは、おれからな。俺はロルフ! ランスが得意のようだ。何かあったら俺を頼ってくれていいぜ!」


 (なんか、軽い感じだ。あまり関わりたくないかも)


  黒髪、短髪でタンクトップの男が手をあげ立ち上がった。


 「じゃぁ、名前は、オリヴァーとなっている。得意スキルは、戦斧(アックス)になっているな。よろしく頼むぜ」


 (見るからに、マッチョで筋肉がすごいな。あの黒光りするような筋肉はどうやったらあれほど作れるんだ)


 少女が立ち上がった。

 

 「私は、ソニア。ソニアです。えーとスキルは・・・・・・双剣です」


 顔を赤らめ小声で話していた。


 (さっきは、怒っていたけどおとなしい子なのかなぁ? 髪の毛が紅茶色をすこし赤くしたような感じできれいだなぁ。おっとりした感じだな)


 「次は、最後は、おれか。名前は、エリアス。 スキルは・・・・・・」


 (エリアス・ヴァイセンベルクってかいているけど、まぁいいか、スキルは・・・・・・)


 「どうした、早く言わんか」


 「これで合っているのかな? 爬虫類の飼育・・・・・・」

 

 エリアス以外の、勇者たちが驚いた表情でみつめると、失笑に変わっていった。


 「ちょっ! 爬虫類って! なにそのギャグ。普通は剣とか弓とか武器のスキルだろ。それが爬虫類の飼育って、何の役に立つんだよ。子供が夏休みの観察日記でも書くのかよ」


 ランスのロルフがお腹を押さえながら笑い転げていた。


 「ハズレ勇者か・・・・・・」

 

 ゲオルク王は、顔を手で押さえうなだれながら呟いた。


「さぁ、勇者たちよ! この国の繁栄のため国土に降りかかる災いを討ち滅ぼし国家、国民に未来永劫の平和を(もたら)せたまえ」



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