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勇者を魔王と呼んだころ  作者: サトロー
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孤児の少年

「汚ねぇガキにやる金はねぇよ!消えな!」

男の声が響いて、少年が蹴り飛ばされ外に吹っ飛ぶ。

「じゃあなクソガキ、タダ働きしたくなったらいつでも来な。」

そう言って男は店の中に消えていった。

「クソが!」

そう言って少年は帰路に着いた。


100年前勇者によって世界が救てから平和が訪れた。

貴族や権力者そして教会のやつらには。

どうやら勇者様は下々のものを救ってはくれないらしい。

それに悪魔たちから奪った領地を巡り今度は人間同士で戦争を始めた。

これならまだ人間同士協力して悪魔と戦争していた方がマシだろう。

それに最近では教会がクロスとかいう生き残りの悪魔を殺す組織まで作ったらしい。

そんなことするくらいなら俺のような可哀想な孤児に金をくれと、そう思うのが普通だろう。


そんなことより、このままでは飯にありつけない。

孤児にひどい扱いをするのはよくあることだがそれに慣れてしまったら負けだと思っている。

あのクソ野郎いつかぶん殴ってやる。

そんなことを考えていると大通りに出た。

祭りが近いとあって人で賑わっている。

「盗るしかねぇよなぁ」

もちろん金を人から取るのである。

正直気乗りしないがこれも仕方がないと割り切るしかない。

そんな時丁度良いカモがネギを背負って現れた。

ボロい服というか、もう布切れにしか見えないものをまとった少女。

フードを深く被りよく前が見えていないだろう。

無防備に財布とおぼしき袋を腰にぶら下げている。


すまんな世界は弱肉強食なんだ。

そんなことを思いながらスッと財布を奪う。

もう慣れたものだ。

そのまま静かに人混みに紛れて逃げる。

「わしの財布がないーー!?」

後ろから何か聞こえたような気がしたが、気にしないことにしよう。

早くパンでも買って帰ろう。

そう思い足早にその場を去った。








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