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うちのマネージャーが優秀すぎて

作者: 凪沙一人

 零細芸能事務所ギフト。社長が居て、タレントが1人。あとはマネージャー兼、秘書兼、経理兼、営業兼、運転手兼、料理担当の槍枡やります総。

「ラーメン煮えた? 」

 タレントの琉人リュートが総に声を掛けた。

「まだですよ。コンロが1口しか無いんですから、野菜を炒めるのが先です。」

「別に素ラーメンでいいって。」

「ダメです。タレントの体調管理も僕の仕事ですから。」

 そして30分後、肉野菜炒めの乗ったラーメンが運ばれてきた。

「旨いっ! さすが総ちゃんだ。このゴマ油香る野菜炒めと鰹がほのかに香る鶏ガラスープの相性が抜群。この醤油は生かえしだね。」

「琉人、僕のラーメンで食レポの練習しないでください。」

 そう言いつつも、料理を褒められた総はにこやかだ。社長は何をしているのやら、さっぱり分からないが会社を留守にする事が多い。なので琉人の仕事が入っていない時は事務所で二人っきりの食事となる。外食は栄養が偏るからというのは表向きで、食費の節約である。けれど、琉人にとっては総の手料理が何よりの御馳走だった。

「食後は二時間の休憩。3時からボイトレ、6時からフィットネスですからね。」

「なぁ総。どうして、お前はデビューしないの? 歌だって俺より上手いし、優男だし。」

「その優男って、辞書通りに受け取っておきますが、デビューはしませんよ。」

 総は二人分の食器を片付けながら答えた。

「なんで? 」

「僕がデビューしたら、琉人の身の回りのお世話は誰がするんですか? 僕が働いたくらいじゃ、人を増やす余裕なんて出来ませんよ。」

「確かに。確かに、総以外、俺のマネージャーは考えられねぇ。ゴメン、変な事聞いた。忘れてくれ。でもって、この先もずっと身の回りの事は任せた。」

「そんな事を言ってると、彼女とか出来ませんよ? 」

「お前が居てくれたら、出来なくても困らなそうだよな。」

 冗談とも本気とも取れる琉人の態度に総は少し考えた。

「琉人が引退するまではマネージャーとして、お付き合いしますよ。」

「よっし。じゃ一生現役で頑張るっ! 」

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