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我が力は悲劇の中に  作者: ヒデト
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第一章中学生編2

学校に向かう途中、僕の顔は完全に緩みきっていた。

「仁。何その顔?気持ち悪い。」

「なっ?!」

杏果の一言が心に刺さり、落ち込みながら登校する。

それでも、時々緩んでしまう顔を見て、杏果は顔を引きつらせていた。

学校に着いてからも全校集会が待ちどうしく、ウキウキしながら待っていた。



その頃、職員室には招かれざる客が来ていた。

「二階堂教授はもういらしてるんですか?」

「もう少しで到着するみたいですよ。」

職員室の外。

「なっ何だね君たちは?」

その瞬間、鮮血が飛び散り職員室のドアが開く。

複数の武装した男が入って来て、ナイフをチラつかせ教員を脅す。

「はーい!動かないで両手挙げて下さ〜い。」

職員室の空気が凍る。

「早速だけど、二階堂秀樹。出してもらえる?」

教員全員に呼びかけと一人の教員が口を開く。

「いっ、いきなり何なんですかあなたたちは?」

すると、別の男がその教員にナイフを投げる。そのナイフは教員の頭に刺さり倒れこむ。悲鳴を挙げさせないかの様に男が口を開く。

「声を出すな。いいか、余計な事は言わずに質問だけに答えろ。いいな?」

教員は怯えながら頷く。

「二階堂秀樹はどこだ?」

一人の教員が答える。

「まだいらっしゃってません。」

「嘘じゃないだろうな?」

「はい。」

男たちは何かを話しだす。それを見て一人の教員が机の下の救難ボタンを押す。だが男たちの一人がそれに気づき、サイレンサー付き拳銃でその教員を射殺する。

「余計な事するな。おい!何した?」

射殺された教員の横に座っていた教員に聞く。

「多分、救難ボタンを押したんだと思います。」

怯えながら答える。

「へー。」

そういうと、教員の顔を殴りつける。

「どうします?」

恐らくこの中で一番偉いであろう男に尋ねる。

「そーだな。まぁ、人質もいるし条件付けて、二階堂とトレードしよっかな。…てことで、あんたら人質だからよろしく。」

落ち着いた様子で話す。

「あと、生徒たち騒がない様にしといて。」

男たちに命令する。

「待ってください。生徒たちには手を出さないでください。」

教員が指揮官にいうと、指揮官は黙ってその教員の足の打つ。教員は床に倒れこみ足を押さえ痛がり唸り声をあげる。

「立場がわかってないみたいだな。あんたらは人質で俺たちはテロリスト。交渉できる立場にないんだよ。…わかったら余計な事は喋るな。」

周りを見渡し状況を再確認すると教員全員黙り込んでしまう。


その頃、教室ではこんな事になっているとも知らず二階堂教授に会えるのを楽しみにし、ワクワクしながら全校集会が始まるのを待っていた。

「なぁ先生ちょっと遅くないか?」

何時もはこの時間には教室に来るはずの先生が来ていなかった。

教室内がざわつき始めると教室のドアが開き二人の男が入って来た。

「はーい。静かにしてー。?君たちも人質だから。」

「ちょっと何言ってんだあんたら。」

いきなりの状況にクラスの男子生徒がいいやろうとする。

すると男は懐から拳銃を出し男子生徒の足を打つ。

大声を出し足を押さえ痛がる。

女子生徒が悲鳴をあげる。

「大人しくしろ!手を頭の後ろでくるでろ!いいか、能力使って俺たちを倒そうと思うな。妙な動きをすれば、誰かが死ぬぞ。」

生徒たちは息を飲む。

少しするとサイレンの音が聞こえ、だんだんその音が近づいてくる。そして学校の前でサイレン鳴る。

すると警察が来るのを待っていたかのように放送が流れ出す。

「はーい。聞こえますか?この学校は俺たちが占拠しました。校内の生徒、教員全員人質です。人質を解放して欲しかったら二階堂秀樹を差し出してクラさーい。」

その内容は校内全体に響き渡り、校外の警察にも届いていた。

淡々とした口調で話したその内容に警察たちの緊張は深まる。

すると、学校の方に車が一台向かって来て校門の前に止まっているパトカーの横に止まる止まる。中には遅刻して来た二階堂秀樹か乗っていた。彼は車を降り驚いた様子で警察に尋ねる。

「何事ですか?」

「教授こそ何故ここに?」

「私は今日この学校で講習の予定だったんですけど。…どういう状況ですか?」

再度確認する。

警察はテロリストの要求内容は明かさず状況説明をした。

「状況はわかりました。」

彼はすぐに状況を理解した。そしてテロリストの狙いが自分であるこのを理解し、何故狙われたのかも大凡の見当はついていた。しかし彼はそれを言わなかった。

さてと、この状況どうするかな。


「ねえ。警察来てるみたいだよ。」

教室の生徒たちが小さい声で話し出す。

「コソコソ喋るんじゃねーよ!」

男が生徒たちに怒鳴る。

「警察が来たって助けになんて来れる訳ないけどな。そして俺たちパンドラがお前らに出し抜かれる訳もない。」

ドクンッ!

一人の男の口からパンドラの名前が出た瞬間、俺の鼓動が一回大きく鳴る。

「おい!なにいってんだ!」

もう一人の男がいう。

「別にいいだろ。生徒に言うくらい。」

男たちは口論を始める。その間も俺は鼓動がどんどん大きく、早くなっていき息も荒くなる。

「いいだろ。いざとなったら殺せばいいんだよ。」

生徒たちが怯え騒めく。

どんどん息が荒くなり。

「はっ!」

ドクンッ!!

その瞬間、意識が遠くなり意識が無くなる。そして目つきが変わり、身体が勝手に動き出し立ち上がる。

「ちょっとなにしてるの?」

立ち上がり男たちの方へ向かおうとする俺を杏果が止めながら言う。俺は止めようとするのを無視し手を振り払う。

「おいお前!何してる?」

男たちが向かって行く俺に言う。だが無視してにじり寄る。

「おい!止まれ!」

拳銃を向けながら言う。

俺は無視する。

「じゃー死ね!」

バンッ!!

俺に向かって打つ。

身体の速度が急激に上がり男の拳銃を跳ね除ける。

「なっ!」

そのまま顔面を壁に押し付ける。もう一人は顎を殴る。

一人は顔面が潰れ、もう一人は顎が砕けて崩れ落ちるように倒れる。

教室は静まり返り、生徒たちは突然の事に頭がついて来ていなかった。だが、一つの事に関してだけは分かり、驚きを隠せずにいた。無能力者のはずの神崎仁が能力を使ったとしか考えられない動きをした事だ。その事に一番杏果が驚いていた。

「仁……何…今の?」

「お前には関係ない。」

顔だけ振り向き答える。

「っ。」

何時もと違う口調と雰囲気に別人と話しているような気になり戸惑う。

そして教室を出ようとする。

「ちょっとどこ行くの?」

無視して教室を出る。

異変に気付いた他のクラステロリストたちが廊下の様子を見る。

「貴様、何をしている。教室へ戻れ。」

返答せず歩くスピードを変えない。

「よし。じゃー死ね!」

男たちはマシンガンを乱射する。窓ガラスが砕け壁、床に無数の穴が空き銃声が校内中に鳴り響く。そしてその音は校門の前にいる警察にも聞こえていた。

「何だ!」

突然の銃声に驚く。

「銃声だと?!どう言う事だ?」

クソ!中で何が起こっているんだ?まさか、生徒たちが何かしたんじゃないだろーな?

状況が全くわからない中悪い方向に動いているのだけわかった。

「おい!いつでも突入出来るようにしておけ。」

最悪の展開にはならないでくれよ。


職員室でも騒ぎになっていた。

「あいつら、上で何してんだ。」

一、二分立つと銃声が止む。

「終わったか。」

「おい。見てこい。」

指揮官が二人の男に言う。

「いや、大丈夫でしょ。」

「見てこい。」

指揮官の威圧的な口調と目つきに息を飲む。

「はい。」

職員室に指揮官を含め三人残し、残りは廊下に様子を見に行く。

「うわーー!」

銃声が聞こえ始め、銃声に混じり男たちの悲鳴が聞こえる。

少しすると、銃声も悲鳴も聞こえなくなる。すると、『ドサッ』という音がドアの前にする。気になりドアを開けると血塗れの仲間が倒れていた。

「うわ!」

尻餅をつき驚く。

指揮官も廊下をのぞしこむ。仲間たちがあちこちに倒れており、廊下は血塗れだった。そして奥の方に人影が見える。その影を見た瞬間、『ゾクッ!』とする。

ヤバい!

「おい!人質一人連れてこい!」

残りの仲間に呼び、職員室を出る。

根拠はない。だが直感でわかった。あいつはヤバいと。そしてここで始末する事に決めた。職員室では自由に能力が使えないからテロリストたちは人質一人を連れて能力が使える体育館へ移動した。

「なんなんですか。あいつは?」

怯えながら聞く。

「俺が知るわけないだろ。でも、あいつはヤバい。そして今後組織の障害になる。それだけは分かる。だからここで始末する。」

体育館で待ち構える。

すると、足音が聞こえてくる。

「来たぞ。お前ら下がってろ。」

足音がどんどん近づき姿が見える。制服姿をの男子生徒だった。

学生?

「おい、お前なんでこんなところにいる。」

一人が声を上げる。

「こいつだ。」

「こいつですか?」

仲間たちを殺したのがこの学生だと思っていなかった仲間が驚く。学生の身体をよく見ると血塗れだった。そして仲間を殺したのがこの学生だと納得した。

「お前一体何者だ?」

俺に向かって言うが無視する。

「無視…か。悪いがこっちから行かせてもらう。」

戦闘が始まり、体育館で凄まじい音が鳴る。

警察はその音を聞き校内に踏み込む。

「お前たちは教室へ行け。俺たちは職員室へ向かう。」

二手に別れ救出へ行く。向かう途中はテロリストたちが倒れているのを見て警察一同驚く。

なんだこれは?

倒れるテロリストの横を通り職員室へ向かう。そして職員室の中を確認し突入する。

「警察だ!」

中に入ると人質になっていた教員だけがいた。

「大丈夫ですか?…警察です。」

「はぁ〜。助かった。」

教員たち一気に緊張の糸が切れ蹲る。泣き出す人もいた。

「こちら職員室。教員、死者二人、負傷者一人。そっちはどうだ?」

生徒たちの救出へ向かった隊に浮い通信する。

「こちら教室。生徒の負傷者一人、死者はゼロ。」

「了解。」

「他にテロリストたちはいましたか。」

教員たちに聞く。

「あと三人、体育館の方に教員一人連れて行きました。」

「わかりました。よーし、お前ら残れ。残りは体育館へ向かう。」

職員室に四人残し、八人で体育館へ向かった。物音をたてずゆっくり、慎重に体育館へ向かう。体育館の前まで来た時には音は止んでいた。中を慎重に確認し突入する。

「警察だ!動くな!」

中には壁にめり込んだ男が二人、隅っこにガタガタ震えながら蹲る人が一人、血塗れで倒れている男が一人という悲惨な光景があった。そしてその倒れている男の前に血塗れで立っている学生が一人いた。

なんだこれは?

警察が近付こうとした時、学生が気を失い倒れる。

「はっ。」

すぐに駆け寄る。


その後。

「ここは……病院?」

僕は丸一日だった次の日警察病院で目覚めた。病室で検査をしていると二階堂教授と二人の男がが僕の病室へやって来た。

「にっ二階堂教授!どっどーしてここに!」

事件のせいで会う事が出来なかった二階堂教授がなぜかは分からないが僕のの目の前にいる。もう大興奮状態だった。だが、後ろちいる二人男の姿が冷静にさせる。

「あの、後ろのお二人は?」

「私たちはこういうものです。」

二人の男は警察手帳を見せる。

「警察の人ですか。僕に何の用ですか。」

「神崎君。君は昨日の事をどれくらい覚えてる。」

「えー、一人の男自分の組織の名前を出して仲間と口論し始めたところまでです。あの事件どうなったんですか?」

慌てて警察の人に聞く。

すると三人はコソコソ話だし。

「大丈夫。事件は解決したよ。それで君が覚えてるのはそこまでかな?」

「はい。」

「わかった。じゃー私たちはこれで失礼する。」

そう言い、二人の警察は病室を出て行く。

出て行くのを確認すると二階堂教授が言う。

「いきなりだけど神崎仁君。君は国立第一能力高校、ファーストアカデミーに入学してもらうことになった。」

「……………へ?」

二階堂教授の突然過ぎるとんでも発言に頭がついてこなかった。

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