新たな獲物と慣れない痛み
火魔法を覚えてからさらに1週間が過ぎた
俺は相変わらず スライムを狩って生きている
ちなみにステータスは
〇名前 コウ(元 麻生 甲太郎)
〇年齢 0
〇種族 不死族 大魔蝙蝠ビッグバット(進化希少種)
〇職種 無職 (野生)
〇LV12
〇HP 140/140
〇MP 180/180
【スキル】
超音波LV10・吸血LV6・吸魂LV4・夜目LV6・飛翔LV10・超音波探索LV3
毒耐性(小)・麻痺耐性(小)・火魔法(初級)・幻影魔法(固有:初級)・瞑想LV1
【称号】
魔神の憐み・巻き込まれし者・器用貧乏・貶められし者・元異世界人・魔族転生
希少種・進化種・スライムキラー・見習い魔法士
LVが10を超えてHPとMPが増えただけでそれ以外の変化はない
LVが10になった時 進化するのではないかと少し期待していたが進化はしなかった
まだLVが足りないのか それとも なにか他の条件があるのだろうか・・・・
ちなみにあのあと赤いスライムを見つけることはできていない
レアなスライムだったのかもしれないと思いながらも火魔法を覚えてからさらに狩りの効率が
あがり火魔法も球状のものを発射できるようになったし槍のようにすることもできるようになった
それと幻影魔法だが 使うと魔力でできた霧みたいなものが広がり俺の身をそこそこ隠すことができるようだったが現状 そんなに使う機会はない
そしてもはやスライムではLVが上がらなくなってきた
そこでLVも二桁になったことだし俺はスライム以外の魔物も狩ってみようかなと少し欲をだしてみた
ちなみに今俺がいる場所は 身を隠していた時に通った冒険者たちの話ではここはダンジョン1階の中間くらいの場所らしい
当然地下に降りていくにつれ強い魔物たちがでてくるようだ
でてくる魔物は スモールバット スライム ゴブリン だけらしい なので次の目標は
必然的にゴブリンだ
スモールバット・・・・はさすがに・・・・ねぇ?
ということで俺は今 ソナーを使い ゴブリンらしき反応をさがして飛び回っている
ソナーはLVが8になったので300mくらいの範囲を探せるようになっている
少しの間 探し回り 3つの反応が固まっているのを見つけた
慎重に近づき やっと目視できそうな距離になるとその3つの反応の相手がわかってきた
身長140㎝ほどで緑色の肌をし それぞれ腰蓑のらしきものを付け 1匹はボロボロの鉈のようなものを持っているようだ
俺は天井ギリギリを息を殺し羽ばたきをやめ音もなく飛んで近づいていく 運よくゴブリンたちは
こちらに気づいていないようなので 火魔法で先制攻撃することにした
火魔法を色々使っている間に1つわかったのは 魔力を集める場所が胸の前より顔 特に口のあたりに
集めるほうが魔力を収束するのも形にするのも楽だったことだ
なので
俺は口の前に火の球を生成し カッ! と息を勢いよく短く吐き出すように火の玉をとばした
すると火の玉はまっすぐゴブリンたちに飛んでいった
火の明るさと熱でゴブリンたちはこちらをみるが もう遅い
たまたま近づいていて グギャグギャとお互い会話らしきものをしていた素手の2匹のゴブリンのうち
1匹の頭にクリーンヒットした!
ボン!
という炸裂音とともにゴブリンの頭がはじけ飛び頭部を失ったゴブリンが前のめりに倒れ目の前にいる
さっきまで話をしていたもう1匹のゴブリンに寄りかかるようにぶつかりそうになったとき
寄りかかられる側のもう一匹の素手のゴブリンが驚いた顔でそれをみた瞬間 火の玉がその
驚いた顔を
バン!
と破裂させた
そう1匹目に当たった火の玉が貫通し直線状に並んでいたもう一匹のゴブリンの顔にもあたったのだ
そして火の玉は2匹のゴブリンを燃やし始めた
「・・・・・・」
「・・・・・・」
その光景を ひたすら驚いた顔で見ている 鉈を持ったゴブリンと・・・・・突然の出来事にその場でホバリングしてみている・・・・・俺
いやいやいや! 威力高すぎでしょ! ただのファイヤーボールですよ!?
と内心焦っていると 我に返ったらしい最後のゴブリンが鉈を振り上げ
「グギャァァァァァ!!!」
と激高しながらこちらに走ってきた
俺はその声で我に返り咄嗟に全速力でそのゴブリンに噛みついた
「グッ!!!???・・・・・・グギャァ・・・・」
噛みついた先がたまたま喉で俺は思いっきりかみ砕く勢いで顎にさらに力を入れると ゴリっという
音とともにゴブリンがおとなしくなった
しかし相手は刃物をもっていて油断はできないので俺は初めて吸血をしてみた
思いっきり吸い込んでみると 少しドロドロで生暖かく喉に絡む液体が口を通り腹へと流れ込むのが
わかった
味は 少し酸味がきついが不味くはないなぁ と思いながらとりあえず ゴクゴクと飲んでいると
「フボッ!?」
口の中に少し大きな飴玉みたいなものが入ってきて勢いよく吸っていた俺はそれを丸のみしてしまった
一瞬の息苦しさと驚きでゴブリンから口を離してしまうと ゴブリンは どさっと 後ろに倒れた
その倒れたゴブリンを見るとカサカサに干からびていて床に倒れた拍子にバラバラに砕けたあとだった
俺はその光景を唖然としながら見ているとバラバラになったゴブリンはサラサラの灰になってしまい
灰の中には魔石があった
血を飲んだせいか結構満腹感を持っていたがとりあえずそのゴブリンの魔石を食べた
先に倒したゴブリンからは血を吸っている間に光が飛んできて胸の中に入ったのを感じていた
が灰になったゴブリンからはその光が飛んでこないなと思いながら先に倒したゴブリンの魔石を
2個少し無理やり食べた
「ゲップゥ・・・・・ふぅ・・・・」
完全な満腹になった俺は腹をさすりながら起き上がり 飛び立とうとした瞬間
強烈に胸が熱くなりはじめた
「ギィーーー!?(これはぁぁ!?)」
と驚き身構えようとしたが間に合わず 全身に耐えがたい痛みと熱が広がっていく
こんなところで進化が!? と痛みに耐えながら思っていたが痛みと熱はひどくなる一方で
しまいに立っていられなくなり倒れた
すると 体のあちこちから バキ ボキ グギギギギギ など おおよそ生き物の身体から聞こえてはいけないであろう音が聞こえ始め
俺は痛みと熱 それと体中をはしる衝撃に耐えきれず意識を失った