本屋と道具屋
新しい新居がきまり 数日後 僕たちは引っ越しを無事に終え
僕は裏庭にある門の元管理室を改装して離れで一人の空間を手に入れた
「これで裏門を通って好きな時間に好きな行動をとれるなぁ」
とボソッと独り言のように呟きベットに腰を下ろすと トントン とドアがノックされ
「コウ? 今日のお昼ご飯は一緒に食べるよね?」
とコルアの声が聞こえたので
「あっ! いえ 少し必要なものを買いそろえたいのでこのあと出かけます」
と答えるとコルアは扉越しに
「私も一緒にいこうか?」
といいドアを少し開けて顔を出して言ってきたので
「大したものでもないので一人で大丈夫です ありがとうございます」
と笑顔で答えるとコルアは少しがっかりした顔をして
「そっか じゃぁ晩御飯までには帰ってくるんだよ?」
と心配そうな顔をしていってきたので はい と答えるとそのまま満足げな顔をしてドアをしめて
去っていった
僕は よし! と声をだしベッドから立ち上がりアイテムボックスにすべてのものが収まっているのを確認し部屋を出て ドアに
「外出中」
という看板をかけ裏門から街に出た
そして町の人にあいさつなどをしながら道を聞き 本屋さんにたどり着き店内にはいると
「っしゃいませぇ~」
と若い女性のやる気のない声が聞こえてきたのでそちらに向かうとカウンターにグデッと伏して目線だけけだるそうにこちらにむけている金髪で綺麗な女性が眠そうな顔でいた
「なにかお探しでぇ?」
と僕をみてそう声をかけてくれたので僕は
「薬草学の初歩の本と錬金術の初歩の本があればほしいのですが」
と店員さんらしきそのやる気のない美人の女性にいうと
「あぁ はいはい 少々高いけど こちらがお勧めになりますよー」
とカウンターの下を見向きもせず もぞもぞやり次に手だけで2冊の本をカウンターにボスっと置いた
僕はそれをみにカウンターへ近づくと僕の顔をみた店員さんが急にガバッと起き上がり先ほどまで眠そうだった目もキリっと見開かれ
「おぃおぃ・・・・まじかよ・・・」
とすごく小声でつぶやいたが僕の聴力でしっかり聞き取れたので はい? と聞くと
「いえいえ! なんでもありません!!! 私は当店のオーナーをしておりますライズと申します!」
と自己紹介をしてくれたので
「それはご丁寧にありがとうございます 僕は冒険者をしておりますコウと申します」
と一礼しながら僕も自己紹介するとライズさんは少し驚いた顔をしたがまた表情をもどしながら
「こちらこそありがとうございます それでこちらの本なのですが・・・・何にお使いで?」
と笑顔だけど目がなにかを探っているかのような感じで聞いてきたので
「あぁ えっとお世話になってる方がポーションなどを作って売っているので冒険者の依頼をこなしながら必要な薬草などを採取できればなと あと容器も自作できればとか自身で狩った魔物から錬金術ならば色々作成できると知人にきいたのでやってみたいなと思いまして」
と素直にいってみた ただ何となく本を求めた理由がミーハーすぎたかなと思い少し恥ずかしかったせいで少しはにかんでしまったが それを聞いたライズさんは少し驚いた後 柔らかい笑顔になり
「そうなんですかぁ なら手始めとしてはこちらの2冊はお勧めできますよぉ」
と言ってくれたのでお礼をいい 値段をきくと薬草学の本は金貨1枚銀貨5枚 錬金術の本は金貨3枚だったのでポケットから出すふりをしてアイテムボックスから金貨4枚と銀貨5枚をだしカウンターに
置いた
するとライズさんは笑顔で
「はい たしかに! まいどありぃ」
といい本を紙袋にいれてくれた
そして
「この店からでて左に6軒先にある道具屋に行くと調合と錬金に使う初心者用の道具を見繕ってくれる店がありますよ」
と教えてくれたので
「それは! このあと行ってみます! ありがとうございます!!」
といいことを教えてもらったので笑顔で礼を言うとライズさんは
「ふむ・・・・この子・・・大丈夫そうね」
とつぶやいたので なにがですか? と聞くと
「いえいえ 御贔屓にしてくれそうだなぁってねぇ」
と柔らかい笑顔でいってきたので
「はい! またなにかあれば寄らせてください! ありがとうございました」
と礼をして店を出た 店を出るとき またきてねぇ とライズさんが手をふってくれたので僕も手を振り返しそのあと教えてもらった6軒さきの道具屋の前まできたが
「なんか・・・・独特な店構えで・・・すこし怖いな」
そう見た目がボロく雰囲気がもう魔女が住んでいるのではないかという外観をしたこじんまりとした
外からでは道具屋に思えない見た目の店だったがせっかく教えてもらったのでとりあえず店内に入ろうとしてドアを触ると
バチン!!
とドアから緑色の火花がでてそしてドアが開いた
僕は壊してしまったのではないかとドキドキしながらドアから顔だけだし
「あのぉ・・・すいません ドアを壊してしまったみたいなのですが?」
と恐る恐る声をかけながら店内を覗くと
そこには立派な木でできた杖をこちらに構えたイメージ通りの魔女!という感じのおばあさんがこちらをにらんでいた
僕はそこまで店の方が怒っているとおもわず
「あぁ・・・・すいません! ドアはちゃんと弁償しますので!! ライズさんに紹介されて初心者用の調合と錬金の道具をここで見繕ってもらえと言ってきたものです」
というとおばあさんは目をこれでもかと見開き
「へっ?」
と間抜けな声をだしたので僕もつい頭をかしげ どうしたんですか? と聞くと
おばあさんは急に真顔になり
「ほぅ? ライズがのぉ・・・・それなら大丈夫かの」
と僕をつま先から頭の先までまじまじと観察しながらそういい
「ドアの弁償はいらん 壊れておらんよ 少々渋くなっておっただけじゃ それより道具を見繕うで
こっちにおいで」
と笑顔でいってくれたので
「あの でも火花が」
と一応状況をいったが きにせんでいい といってくれたのでおばあさんの方へいき
あらためて
「本屋さんのライズさんに教えていただきこちらに来させてもらいました 冒険者をやっているコウと申します」
と一礼し自己紹介をすると おばあさんはニコニコと笑顔になり
「ふむ!礼儀の正しいものだの わしはここで道具屋をやっておるエレノアというものじゃ! 早速だが道具を見繕うかね 少々おまち!」
といい店内の棚をあちこち移動しながらいくつかの道具をもってカウンターにおいて説明までしてくれた
僕は礼をいい お代を払うと
「ふむ! 最近の若い者と違い 金払いもいいのぉ! 気に入った! なにか物入りがあるときはうちにおいで!」
と言ってくれたので 僕は ありがとうございます! と礼をした それを満足げに うんうん と頷きながらエレノアさんが
「ところでおぬし この辺に住んでおるのか?」
と聞かれたのでミレーユさんたちと住んでいることをいうと
「なんじゃ!おぬしミレーユの知り合いか! だったら大丈夫じゃな!」
と笑顔でいってくれたのでとりあえず はい!? と返事をした
そのあとも冒険者でどんなことをしたとかを少し世間話で聞かれ町の下水清掃や薬草採取などをやったと
いうと
「おぉ! 最近まめに下水掃除や町のごみ拾いをしている冒険者とはおぬしのことだったか!」
と満面の笑みでいってきたので はい 町を覚えるためと自分も住んでる町なのでと答えると
満足げに うんうん うなずき
「ことさら気に入った これをもっていくがいい!」
と銀細工でできたウォレットチェーンのようなものを手渡してくれた
僕は高価そうにみえたので断ったが
「気にするな! これからなにかあればうちで買い物してくれりゃいい 使い方はこうじゃ!」
といい結果 見た目どおりウォレットチェーンだった 財布を持ち歩いていなかったのでチェーンをつける財布をエレノアさんから買いチェーンを装着した
「このチェーンは幸運のチェーンでな魔物などからいい品がドロップするようになるお守りみたいなもんじゃ!」
とエレノアさんがいい いいものをいただいたなと思っていると
「珍しい品や魔石なんかはわしも買い取るのでな 手に入ったら見せに来ておくれ」
といってきたので 了承し 礼をいって店をでた
まだ夕食まで時間があるので少しギルドに顔を出し魔物討伐の依頼があればチェーンの効果を試してみたいなと思い僕はギルドにむかった