爆弾は突然に
コルアと二人で魔物の討伐を行いながら薬草なども採取し夕方あたりに街に帰ってきて
ギルドに報告をするとシュリさんから
「確かに ゴブリン5匹・コボルト5匹・オーク5匹の討伐を確認しました 依頼完了です」
という言葉をもらい僕が ありがとうございます と礼をしコルアが報酬を受け取ると
「このペースだとあと1回もしくは2回ほど今日の様な依頼を完了するとコウさんのランクが上がりそうですね」
と笑顔で言われ僕は驚いて
「もうですか!?」
と聞くとシュリさんが
「はい コウさんは討伐依頼をこなし それ以外も薬草などの採取系の依頼もなさってますからね」
とにっこり笑いながら言い それに と顔を近づけ少し小声で
「本来ならもう評価の対象にならないFランクの雑用依頼も定期的にこなしてくれていますのでギルドへの町民からの好感度が最近はよくなってきてまして・・・この間帰ってきた副ギルドマスターがそれを大変評価してくれたんですよ」
と教えてくれた そして 内緒ですよ? と人指し指をたて僕の口に付けながら言った
美人のシュリさんの顔が近いだけでも心臓がバクバクいっているのにそんなことをされると耐えきれなくなり バッ とその場から離れると シュリさんは うふふふふ と笑いながら
「顔を赤くして・・・・カワイ」
と小悪魔的な笑みをうかべいってきた
すると急に左耳に強烈な痛みが走り
「痛っ!? え? コルアさん!?」
痛みのほうをみるとムッとした顔をしてコルアが僕の左耳を思いっきりひっぱり
キッ とシュリさんを睨みながら
「シュリ? やりすぎ! コウも鼻の下伸ばさない!! そんなことしてないで帰るよ!」
といい僕をグイグイ出口のほうに引っ張る シュリさんは口パクで ごめんね とウィンクをしてきたので苦笑いでしか返せなかった・・・・あの人全然こりてねぇ・・・・
それに左耳がちぎれそうなので
「コルアさん そろそろ耳を離してください ちぎれそう」
というとコルアは ジト目で僕をみたあと はぁ~ とため息をついてパッと手を離してくれた
なのでコルアの後をついて家路についた
家のドアをあけ二人で
「「ただいま(かえりました)」」
というと家の奥から パタパタ という足音が聞こえ
「二人とも おかえりなさい」
とミレーユさんが出迎えてくれ
「二人とも 湯浴みの準備ができているわよ?」
と言ってくれたので僕は コルアに
「コルアさん お先にどうぞ」
というと コルアは
「コウが先でもいいよ?」
と言ってくれが
「いやいや さすがに・・・それは 気にせずお先にどうぞ」
と二人で どうぞ合戦 を繰り広げていると
「コルア お言葉に甘えて先に入りなさい? コウさんだって男の子なのよ?」
とミレーユさんが間に割って入ってきて言ったので うんうん と頷いていると
「コルアの使った残り湯でやりたいことだってあるんだから!」
と意味不明なことを言った
その言葉を聞き コルアは顔を一気に真っ赤に染め上げ
「えっ!? あぁ・・・あぁ!! ごめんね? 気づいてあげられなかった」
と言ったので
「いやいや! なにを想像したのかわかりませんが! 男の僕の後は嫌だろうな と思っただけですからっ!」
と慌てて否定するとコルアは
「別に コウだったら気にしないよ?」
と笑顔で言ってきた
それをきいてなにかよからぬことを思いついたような笑顔を浮かべたミレーユさんが
「お湯が冷めちゃうから二人で一緒にはいっちゃったら?」
と爆弾を投下してきた
するとコルアは顔を真っ赤に炎上させ
「ちょ!? お母さん!? なにいっちゃってんの!??」
と叫んだ
僕も驚き声を出せずにいるとミレーユさんは
「あらコルア?不満なの? ならコウさん 私が洗って差し上げますよ?」
では行きましょう? と僕の右手を握り ニコリと笑って桶のある湯浴み場へと引っ張り始めた
「え?え?」
と僕が驚いていると
「だめぇぇぇぇぇ!!!」
とコルアが叫びながら僕とミレーユさんの間に突っ込んできて僕の右手をつかんでいた
ミレーユさんの左手をはらいのけ
「私が洗う! 行こう!! コウ!!」
とムンズと僕の右手を握りしめ ズンズン と音がしそうな勢いで歩き始めたので
「コ・・・コルアさんっ! 落ち着いて!!? ミレーユさんの術中にはまってます!!」
と焦って叫ぶと え? という顔をし こちらを振り向いたコルアは 言われたこと と 言ったこと を理解したのか 顔じゅうから火を噴きそうな勢いで真っ赤に茹で上がりながら
「おかぁぁぁさんっ!!」
と怒鳴るとミレーユさんはいたずらがばれた子供の用に あちゃぁ という顔をし
「もぅ コウさんったらぁ そのまま騙されてくれればコルアの裸が見放題だったのに 欲のない方ね?」
と笑いながら言ってきた
それ聞いたコルアは いまだ茹で上がった顔のまま 何言ってんのよ! と叫んでいたが あぁ! となにか納得したようにミレーユさんがポンと手を叩きながら
「コルアの身体じゃ・・・・・」
とまじまじとコルアの身体を下から上へ見ながらいった・・・ご丁寧に特に胸のあたりを注視しながら・・
それを見ながらコルアが プルプル 震えだし 背中にしまっていたワンドを取り出しミレーユさんに向け
「無駄肉 退散!!!」
とミレーユさんのたわわに実った胸を睨みつけながら ワンドの先に氷の塊を作りミレーユさんにものすごいスピードで飛ばした
ちょっと! と僕が止める間もなく氷の塊はミレーユさんに 直撃!・・・・しなかった
氷は透明ななにかに勢いを完全に止められ ゴトリと床におち 涼しげな顔をしたミレーユさんが
「ちょっとした冗談じゃない コウさんを待たせすぎよ? さっさと先にはいってきなさい?」
というと コルアは 口をパクパクさせながら 口惜しそうに ふん! とそっぽを向きながら
湯浴みに向かっていった
僕はそれをみて ミレーユさんに苦笑しながら からかいすぎですよ? というとミレーユさんは
やりすぎたかしらね? と苦笑しながら答えた
そのあと僕は部屋に荷物を置きに行き 湯浴みから帰ってきたコルアと入れ代わりに湯浴みに向かった
向かう際 ミレーユさんが
「コルア? ちゃんと残り湯をたっぷり残してきてあげたの?」
といい またコルアを怒らせて楽しんでいた
湯浴みから帰ってくると仕事が終わったのか シュリさんも食卓にいて僕はまたせてしまったのかと
焦って席に座り3人に
「おまたせしてすいませんでした! シュリさん おかえりなさい お仕事お疲れさまでした」
というとミレーユとコルアは まってないといい シュリさんは
「はい ありがとうございます ただいま」
と柔らかい笑顔で答えてくれた
僕がそろったので 皆で いただきます をし食事をはじめた
食事中は色々な雑談などをしたが中盤にさしかり ちょうど話していた内容がひと段落突いたので
「あの?ちょっといいですか?」
と切り出すと 3人が 頭に?を浮かべながら なんですか? と聞いてきたので
「今日ギルドでもうすぐ冒険者ランクがDランクになれると聞いたのでDランクになったらここをでて一人暮らしをしたいなとおもってるんです「ダメよっ!」・・が?・・・へ?」
最後まで言い切る前に コルアに否定されて固まる僕に
「コウさん? うちになにか不備でもありましたか?」
とミレーユさんがきいてきて僕が いえ? ものすごく よくしてもらっていて不満はありません と答えるとコルアが じゃぁ! なんで!? と聞いてきてシュリが コルアが怖くて居られないなら
うちにきてもかまいませんよ? といいコルアが あぁ”? と女の子が出してはいけない声をだしながらシュリさんを睨んだところで
「いやいや このままミレーユさんやコルアさんの好意に甘えるわけにはいきませんし だいぶこの街の生活に慣れてきて冒険者ランクもDになったらそこそこ信頼も得られて部屋が借りれるかな?と思いまして・・・・」
というと ミレーユさんとコルアは そんなの気にしないで言い と言ってくれたがシュリさんは
「そうですねぇ・・・友人としてはこのままいてほしいですが ギルド職員としては 自立支援はやぶさかではないですね・・・・特にギルドと街民から信頼を得ているコウさんだと・・・止めるわけにも」
と言ってきた
それをききミレーユさんが真剣な目で僕をみながら
「コウさん? もしかして私たちが一緒だとやりたくてもやれないことがおありなんじゃないですか?」
と聞いてきた
僕は図星をつかれ つい言葉に躓きながら
「な・・・なぜそう思ったんですか?」
と聞くと ミレーユさんが クス と笑いながら
「私の旦那 コルアの父親ね? その人も冒険したいのに私と生まれたばかりのコルアを心配して
さっきのコウさんみたいな顔をしてずっと我慢していたのよ」
と言ってきた
コルアはそれを聞き 拠点をこの街から移すの!? と椅子から立ち上がり勢いよく聞いてきたが
「いえ? 今のところそれは考えていないです それに理由はミレーユさんに言われた通りだからですね」
と観念したように僕がいうと やっぱり という顔をして笑うミレーユさんと
やりたいことってなによ!? と不機嫌にきいてくるコルアと そんないい方されたら言えないじゃない? とコルアをたしなめるシュリさんの言葉に
「えっと 好きな時間に鍛錬をするにしてもさすがに寝静まってる家でやるにも気が引けますし・・・」
と改めて言うのに気が引けながらいうと そんなの気にしなくてもいいよ! とコルアは言ってくれたが
シュリが そんなこと言われても気にするって と苦笑しながらいうとミレーユさんは
「なるほど・・・時間を気にせず外出もしたいし修行もしたいけど寝ている私たちを起こしてしまったり迷惑をかけるのが嫌だということですね?」
と聞いてきたので おおむね そんな感じです と答えると ふむふむ と少し考えて ぽん! とまた何かを思い浮かんだのか 手を叩き
「そうだわ!」
といいながら 部屋の奥にいき 黒い紙で作られたなにかを持ってくると 窓をあけ それを飛ばした
するとシュリさんが
「ミレーユさん? 伝書魔 をどこにとばしたんですか?」
ときくと シュリさんのほうを向き笑顔で
「ガルドとエヴァンスのところよ?」
というと シュリさんが驚きながら
「パパとママのところに!?」
と聞いてきたので ミレーユさんは えぇ と答えた
そのやり取りをしていると さっきの黒い紙でできたなにかが戻ってきて それを受け取ったミレーユさんがその紙を広げなにかをみて よかったわ! と嬉しそうに笑いながら
「コルア? シュリさん? 今週中に引っ越しするわよ?」
といってきて僕を含めた3人が急な出来事に
「「「 へっ!? 」」」
と間抜けな声をハモらせた