犯人の目星
グラウンドに出て運動部が活動している所を見てみる。
「御騰くんは何部だろう?」
「確かサッカー部だったと思う」
比奈森さんが知っていたようなので、サッカー部が練習している場所へと近づき、御騰の姿を探す。
「……いないなぁ」
「そうみたいだね」
「何か用か?」
サッカー部を伸び上がるように見ていたのを見咎めたのか、部員の1人が近寄ってきた。
「あの、その、御騰くんがいるかなって思って」
「御騰は今、買い出しに行ってるよ」
「え? 皆練習してるのに?」
「ああ、実はな」
現状ではレギュラーを獲るのが難しいので、今度の大会に向けて裏方に徹することを決めたらしい。
放課後になると、スーパーへと買い出しに行ったりするらしい。
「先輩たちは好みもうるさくてさ、色んな店を巡らなきゃで大変みたいだけど、皆のためと頑張ってくれてるんだよ」
「そっか、ありがとう。用事は明日にするよ」
御騰を褒めている部員に礼を言って、その場を後にする。
彼は御騰をいい奴と心から思っていたが、僕達の中では黒に限りなく近くなった印象だ。
「放課後すぐに自転車で買い出しか」
部室に戻った僕達は得た情報を精査する。サッカー部に所属する御騰は、佐益さんに告白して振られた。
そして、高島の動画に映った様に、部活では放課後すぐに自転車で外出している。
「かなり黒に近いな」
「しかし、どれも状況証拠である。何らかの証拠を手に入れなければならんな」
「あれはどうだろ、GPS発振器」
「おお、第3話で犯人の動向を追跡して、張り込みに使われたモノであるな」
これまた電脳使徒の話になるようだ。まだ見ていない僕はやや蚊帳の外へと置かれて、2人は盛り上がりを見せる。
「でもそんな機器は高いだろう?」
「そうでもないが、学生にしたら少し高価か」
「それに犯罪とかに繋がらないか?」
「犯罪を防ぐためだし、ある程度は仕方ないんじゃないかな」
「とりあえず、知り合いに安くでないか聞いてみよう」
「おいおい、本気でやるのかよ」
「電子情報研究会としては、電子情報を悪用するのを防ぐべきであろう」
高島は妙なテンションに入っている。それに比奈森さんも追随する姿勢を見せていた。
「運動部の身体の大きな男子に狙われるとか、怖いと思うんです」
2人は今後の捜査に向けて、何が必要か、どうしたら有無を言わせぬ証拠を入手できるか。
そんな暴走気味の雰囲気に僕は水を差すことはできず、僕は僕で何か行動できないか考えることにした。




