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現想真魂録/外伝~Unknown Blaze~  作者: 観測者S
第壱章 九尾の里
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五之巻 芯なる刃

ある日の昼・里から程なく離れた森の中



不知火「シン!そっち行った!」


シン「任せろっ!ハァァアッ!」



里の猟団一行は、その日の食事の確保のため、狩りに奔走していた。



シン「凍牙氷刃!!!」



シンの剣が放つ氷の衝撃波が獲物を捕らえると、衝撃波は止まることを知らずに獲物を真っ二つにする。



シン「よし。」


不知火「早く処理をして帰ろう。」


シン「ああ。」










夕方・里の入口



モブ女性「お帰りー!」


モブ女性「今日もすごいの捕ってきたねー。」


シン「まぁね。」


ギン「不知火が来てからというもの、戦果は上がりっぱなしだな。」


ケン「死者も、こないだの1人だけだしね。」


モブ女性「所であんた、まだ何も思い出してないのかい?」


不知火「ああ、すまない。」


モブ女性「いやいや、焦ることはないさね。何かあったら、遠慮なく頼りなよ。」


不知火「ありがとう、助かる。」


ラン「兄様!」


不知火「ランか。今戻った。」


ラン「お帰りなさい。ねぇ、今度はあっちの森に行こう?」


不知火「分かった分かった。そうはしゃぐな。私は一旦、装備品を戻してくるから、待っていてくれ。」


ラン「うん!」




ギン「里長の娘さんも、まさかあそこまで他人に懐くとはな。」


ケン「不知火が来てからもう何十日も経つけど、結構色々変わりましたよね。」


ギン「女の視線、とかか?」


ケン「それ気にしてるのはギンさんだけじゃないっすか?」


ギン「えっそう?男って割と気にしない?」


ケン「僕はそんなことありませんけど。」


ギン「……まぁともかく、アイツ女狐にもモテるし、色々すげーよな。」


ケン「ですねぇ。」


シン「……二人とも、解体を手伝ってくれないかな?」


ギン「おう、わりぃわりぃ。今行くわ。」


ケン「じゃあ僕こっちやりますね。」



シン(不知火……何なんだアイツは……。)


シン(この里で凄いのは僕一人で十分なのに……っ!!!)











数分後・里から歩いて5分の森



ラン「~♪」


不知火(この里に来てから数ヶ月……何も思い出せないのは何故だ?)


不知火(断片的に何かを思い出すことはあっても、それで過去の自分が分かった試しがない。強いていうなら名前だけだ。)


ラン「……さま?にいさま?」


不知火(何か、何かトリガーが……でなくとも、ヒントくらいどこかに……)


ラン「兄様!」


不知火「うわっ!どうかしたか?」


ラン「なんか難しい顔、してたから。」


不知火「そうか。すこし、考え事をしていてな。」


ラン「記憶の事?」


不知火「余り長い間分からないままだからな。」


ラン「焦っちゃダメ。おじいちゃんも言ってた。」


不知火「ああ。気を付ける。」


ラン「うん。……あれ、何だろう?」


不知火「ん?これは……」



ランが指さす方向に不知火が振り向くと、そこには全長2メートル位の焼け焦げた鉄の棒があった。

その棒は全体的に平らで、二つの棒を一つに合わせたような形をしていた。



不知火「……一体なんだ?」



不知火がその棒を掴み、持ちやすいように持ち替えようとした途端。



不知火「いっつ!!!」


ラン「大丈夫!?」



不知火の手の平に、痛みが走る。鉄の棒の平らな部分に手を擦ったとき、その部位を斬ったのだ。



不知火「大丈夫、少し切っただけだ。」


ラン「……危ないね。」


不知火「ああ。他の子どもや九尾が触ったら大変だ。里長に渡して、預かって……ッ!?!?!?」





突如、不知火の頭に、映像が流れだす。



そこに映っていたのは、この里では絶対に見られないような光景。聞こえる声は、話した憶えのない自分の言葉。

剣にしては細身の武器を構え、植物由来ではないであろう衣服を纏った自分が、『人型の何か』に向かって、話している。



自分『……ざけんな、俺ぁ、まだ死んでねぇ……。』


自分『じゃあ……『この館もらう』ってなぁどうだ?』


自分『アンタの言う『死』ってよォ、『どっからが『死』』なんだろうなァ!!!』


自分『推して参る!!!』





不知火「……ハァ、ハァ、ハァ……。」


ラン「……大丈夫?すごい汗かいてる。」


不知火「……ああ。とりあえず、これは持って帰ろう。なんか、そうした方がいい気がしてる。」


ラン「分かった。」










夕方(夕飯時)・ゲン達の家



夕食中



ゲン「こりゃまたすごい物を拾ってきたの。」


ラン「森に、落ちてた。はいごはん。」


不知火「ありがとう。これに触った途端、多分だけど、私の記憶が、頭に流れてきた。」


ゲン「成程な。つまり、この『焦げた鉄の棒』はお主の記憶を取り戻すカギとなりそうなわけじゃな?」


ラン「どうにかできない?」


不知火「今日見えたものだと、これを丁度二つに分けた物に握り手を付けて、細身の剣として使っていた。」


ゲン「ほう。なら、鍛冶屋のカンにでも頼んでみるかの。」


ラン「でもそれ、運ぶの大変。」


不知火「あの鉄の棒の、丁度薄い所に手を擦っただけで、こうなった。」


ゲン「焦げて尚切れ味抜群とはの。これはいい剣になりそうだの。ああラン、おかわり。」


ラン「はい。でも、こんなに長いと、使いにくそう。」


不知火「そこは慣れで補うさ。ここの武器もそうだったけど、武器の特性を理解しながら、扱いやすい動きを見つける。そうすれば、後は万事どうにでもなる。」


ゲン「わかっとるじゃないか。それでこそ一人前の九尾じゃ。最近の若者はそれを理解しとらんから簡単に武器を壊す。整備班の苦労を考えたことがあるんじゃろうか。」


ラン「名前は?この剣の名前。」


不知火「名前?」


ゲン「武器に名前か。そういえばまだ誰も付けておる者はいないの。」


ラン「せっかくだから。」


不知火「そうだな……実際に使ってみてから決めるか。」










同時刻・シンの家



シン「不知火……なんなんだアイツは……」


シン「僕は団長だ、一番凄くなきゃダメなんだ……」


シン「僕より強いヤツが、この里にいてはならないんだ……」


シン「何者か知らないけど、お前はいつか必ず……排除する!!!」

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