エピソード1
二話目です
よろしくお願いします
ボクの仕事は死んだ人を土に還すことだ
昔からこの国は治安が良くない
隣国との戦争が今でも続いている
そのため、国のあちこちには
死体の山が築かれている
ボクはその死体を
土に還す仕事をしている
山から一人を引きずり出す
その人は
顔が焼き焦げ
片腕が無くなっている
服はボロボロ
全身黒コゲだった
その人をボクは
あらかじめ掘ってあった
少し深めの
人一人が入れる大きさの
穴に優しく入れる
入れた後、上から土をかぶせていく
その人が見えなくなったとき
かぶせた土の上に
手造りの十字を刺す
これを一日五十回ほど続ける
それでも還してあげれるのは
五十人だけ・・・
「大変だなぁ?まだおめぇ13だろぉ?」
「うん。でも、お仕事しなきゃここでは住んでいけないからね。」
「そうだなぁ・・・。頑張れよガキんちょ!!」
そう言って去っていく
見知らぬ男性
「・・・誰だありゃ・・・」
ボクは知らない人とは
できるだけ関わりたくない
信じられないから
信じきれないから
だから知らない人とは
できるだけ関わらない
仕事が一段落着いたときには
もうすっかり夕方になっていた
街はオレンジ色を放つ太陽の光りで染まっていた
「・・・帰ろう・・」
ボクは借りていたシャベルを返して
家に帰った
家では
笑顔でマリアさんが
「おかえり」
と言ってくれた
ボクも
笑顔で
「ただいまです」
とかえした
-------明日は何人の“名前”を見るんだろうか・・・
<END>
ありがとうございましたぁ
脱兎