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おやじ
光太郎はパソコンを閉じ、気だるげに椅子から立ち上がった。
「よいしょ……っと」
「あははっ」
「ん? どうしたんだい、まきる?」
「いや、お父さん今さっき、もの凄いおやじくさかったからっ」
「…………マジ?」
「うん。かけ声とか、しんどそうな動きとか」
「……ちょ、チョベリバー」
「古いよっ」
「……自覚はしてる」
「ていうかお父さん、結構自分で自分の事をおじさん、って言ってるよね? 今更だよ」
「いや、そうだけど違う」
「そうなの?」
「自分から言ったり、普通に人から『年取ったね』って言われるのは良いんだよ。ただ、自分が無意識に取った行動からおやじっぽさが滲み出るのは嫌だ」
「複雑なおやじゴコロだねー」
「…………本当に複雑だ……」




