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充電器
向島家のリビング。翔子はソファに座る光太郎に話しかけた。
「光太郎、携帯の充電器貸してくれ」
「充電器? いつも使っている自分のはどうしたんだい?」
「なんか調子悪くてな。だからおまえのを貸してくれ」
「貸してくれ、って言われても私の携帯とは違う会社だから繋がらないよ」
「なんでだ?」
「なんでって、そりゃ規格が違うからね」
「規格? 結局充電するのは変わらねえだろ?」
「そりゃそうだけど、まずささらないよ」
「やってみなきゃわかんねえだろ」
「まあ良いよ。はい」
「……ふんっ」
バキッ
「………………」
「あれ、ささったけど充電しねえぞ? おまえの充電器も壊れてるんじゃねえか?」
「……うん、いま壊れたよ。翔子さんの力の強さを忘れてた」
「ん?」
「いや、何でもない。よし、今から買いに行こうか。ついでに携帯ショップにも寄ろう」
「あ、それならついでにスーパー行こうぜ。今日は魚が安いんだ。晩飯、楽しみにしとけよ」
「分かった、楽しみにしとくよ」
「おう。じゃあ支度してくる」
パタパタ
「…………一緒に買い物なんて久しぶりだ。ふふっ、ついでにプレゼントでも買うかな。充電器よりうんと綺麗なアクセサリーでも」




