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男はつらいよ
ベッドで寝込む光太郎。その枕元に飲み物を置いて、翔子はそっと光太郎に近付いた。
「光太郎…………」
「翔子さん…………」
「馬鹿かおまえは」
「けほっ」
「馬鹿かおまえは馬鹿やろうか。結局無理して風邪ひきやがって」
「……面目ない」
「そりゃまだ四十って言ってもそんなに年食ってる訳じゃねえけどよ、それにしたってもう少し自分の事を考えろよっ」
「…………申し訳ない」
「大体、そんなに急がなくても年内には十分終わるんだろ? 別にそれで良いじゃねえかっ」
「…………いや、クリスマスは一緒に祝いたくて」
「あーあー、そんな所だと思ったぜ。よし、クリスマスまでじっくり寝とけ」
「…………けほっ」
「……ったく、粥作って来るから寝てろ!」
バタン!
「………………よっと。クリスマスはいつだって特別な日。なら私も特別頑張らなくちゃ。さて、さくさく仕事を終わらせますか。けほっ」




